到達目標
(評価項目1) 講義を通して量子力学を理解し、ナノマテリアルデザインへの応用方法を取得する。(D)
(評価項目2) 演習を通して量子力学の理解を深め、演義を通して他者にわかりやすく伝えるプレゼンテーションスキルを養う。(D、E)
(評価項目3) 自らの専門分野へナノマテリアルデザインを応用・展開する基礎スキルを養う。(D、E、H)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ナノマテリアルデザインの方法論を説明できる。 | マテリアルの特性が量子力学に基づいていることを説明できる。 | マテリアルの特性が量子力学に基づいていることを説明できない。 |
評価項目2 | 量子力学に必要な基礎的演算方法を他者に教えることができ、その意味するところを説明できる。 | 量子力学に必要な基礎的演算を独力で行うことができる。 | 量子力学に必要な基礎的演算を独力で行うことができない。 |
評価項目3 | ナノマテリアルデザイン手法を自らの専門分野へ応用展開できる。 | 自らの専門分野へのナノマテリアルデザイン手法応用の可能性を考え、提示することができる。 | ナノマテリアルデザイン手法応用の可能性を考えることができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育目標 (D)
説明
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学習・教育目標 (E)
説明
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教育方法等
概要:
現代および未来の科学技術を支えるマテリアルをデザインするナノマテリアルデザインを学ぶことを通して科学的思考方法を習得することを目標とする。マテリアルを構成する原子核および電子の運動を記述する量子力学の概要を学び、それを用いてマテリアルの成り立ち、性質(物性)が如何に解き明かされるかを学ぶ。最後に、様々な工学分野において今後必要とされる高機能材料をデザインする最先端のナノマテリアルデザイン手法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義により、全体の概要説明と必要な前提知識を取得する。その後、自ら考え、手を動かし計算する演習を通して各項目を学習する。さらに自らの解法を他者に説明することにより、理解度を深化させる。質疑応答を通じて取得した知識を多面的に解釈しなおし、自身の中で体系づけ、量子力学に裏付けられたナノマテリアルデザイン手法を習得する。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
量子力学概論(前半) 量子力学の概要をニュートン力学と比較しながらその差異を学ぶ。 |
量子力学とニュートン力学における運動の捉え方の違いを説明することができる。
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2週 |
量子力学概論(後半) 量子力学における運動の記述方法を学ぶ。 |
量子力学における運動状態の表現方法を説明することができる。
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3週 |
量子力学の基礎 1 (オペレーター代数) 量子力学に必要なオペレーター代数について学ぶ。 |
演算子の基本ルールを習得し、演算を行うことができる。
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4週 |
量子力学の基礎 2 (シュレーディンガー方程式) 量子力学における基礎方程式であるシュレーディンガー方程式を学ぶ。 |
波束と粒子運動の関係を説明できる。
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5週 |
量子力学の基礎 3 (交換関係I:座標と運動量) 座標と運動量の交換関係を学ぶ。 |
座標と運動量の演算子を含む交換関係を計算できる。
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6週 |
量子力学の基礎 4 (交換関係II:角運動量) 角運動量に関する交換関係を学ぶ。 |
角運動量演算子を知り、角運動量演算子を含む交換関係を計算できる。
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7週 |
量子力学の基礎 5 (エルミート演算子) エルミート演算子について学ぶ。 |
エルミート演算子の性質を知り、物理量の期待値の時間発展(変化)を計算できる。
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8週 |
量子力学の基礎 6 (井戸型ポテンシャル) 井戸型ポテンシャルに束縛された粒子の量子状態を学ぶ。 |
井戸型ポテンシャルに閉じ込められた粒子の量子状態を計算できる。
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2ndQ |
9週 |
量子力学の基礎 7(一次元散乱問題、トンネル効果) 散乱問題について学び、トンネル効果を知る。 |
矩形ポテンシャルを透過するトンネル確率を計算できる。
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10週 |
量子力学の基礎 8 (調和振動子) 調和振動子の量子状態を学ぶ。 |
調和ポテンシャルに閉じ込められた粒子の量子状態を計算できる。
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11週 |
量子力学の基礎 9 (格子比熱) アインシュタイン比熱を学ぶ。 |
アインシュタイン比熱を計算できる。
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12週 |
原子の電子配置 1 クーロン力で束縛された電子の量子状態を学ぶ。 |
原子に閉じ込められた電子状態を説明できる。
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13週 |
原子の電子配置 2 (スピン、量子統計) スピンの存在および量子統計の概論を学び、元素の周期律を学ぶ。 |
元素の周期律を量子力学に基づいて説明できる。
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14週 |
物質の凝集機構(イオン結合、共有結合、金属結合) 物質の凝集機構を学ぶ。 |
物質の凝集機構を量子力学に基づいて説明できる。
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15週 |
密度汎関数理論、計算機マテリアルデザイン 密度汎関数理論およびそれを基にした第一原理計算、およびそれを用いたナノマテリアルデザインを学ぶ。 |
ナノマテリアルデザイン手法の原理を説明できる。
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16週 |
期末試験
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演習を独力で解くことができる事を確認する。自らの領域への応用展開を考えることができる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 演習・発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 60 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 80 |
分野横断的能力 | 10 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |