システム制御工学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 システム制御工学
科目番号 0020 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・電子システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 指定はしないが、豊橋技術科学大学・高等専門学校制御工学教育連携プロジェクト:制御工学、実教出版、白石:入門現代制御理論、日刊工業新聞社、森:演習で学ぶ現代制御理論、森北出版などが参考になる
担当教員 上 泰

到達目標

1.状態空間表現を導出できる
2.Lyapunovの安定判別法を用いて、線形時不変システムの安定判別ができる
3.可制御正準系への変換を通じて、指定の極配置を実現する状態フィードバックゲインを算出できる
4.双対システムを利用して、指定の極配置を実現するオブザーバゲインを算出できる
5.最適レギュレータを用いて達成(調整)できる制御性能について説明できる
6.併合系の極の構成の特徴・安定条件を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
状態空間表現の導出任意の線形時不変システムについて、その状態空間表現を導出できる幾つかの典型的なシステム例について、その状態空間表現を導出できる状態空間表現の定義を知らない
Lyapunovの安定判別法による安定判別Lyapunovの安定判別法における判定手順に基づき、安定性を判別できるLyapunovの安定判別法における判定手順を説明できるLyapunovの安定判別法を知らない
可制御正準系への変換を通じた状態フィードバックゲインの算出可制御正準系への変換を行い、目的の状態フィードバックゲインを算出できる状態フィードバック制御において安定化すべき行列を説明できる状態フィードバック制御則を知らない
双対システムを利用したオブザーバゲインの算出双対システムを利用して、目的のオブザーバゲインを算出できるオブザーバの設計において安定化すべき行列を説明できるオブザーバを知らない
最適レギュレータの制御上の意味最適レギュレータで達成できる制御性能のトレードオフについて説明できる最適レギュレータで達成できる制御性能について説明できる最適レギュレータを知らない
併合系の極の構成・安定条件併合系の極の構成を踏まえ、安定条件について説明できる併合系の極の構成上の特徴を説明できる併合系の極の構成上の特徴を知らない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育目標 (F) 説明 閉じる
学習・教育目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
古典制御では入出力関係のみに着目した伝達関数を基礎とし、周波数領域で制御系を設計する。これに対し、現代制御理論では、システム内部の状態を表す変数(状態変数)を用いた状態空間表現を基礎とし時間領域で制御系を設計する。本講義では、現代制御理論の基礎的な内容を一通り扱う.
授業の進め方・方法:
状態方程式の導出、Lyapunovの安定判別法、可制御性と可観測性、状態フィードバック制御器とオブザーバの設計法などについて学ぶ。
講義内容の説明が終了次第、その内容を復習する演習を実施する形式の授業を、ほぼ毎回実施する。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。また、ラプラス変換や伝達関数、行列論の初歩である固有値や逆行列などの基礎知識を前提とし、成績不振をカバーするための追試は実施しない。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 状態空間表現の導入 状態空間表現の定義式を記述できる
状態空間表現の導出プロセスを説明できる
2週 状態方程式の解
状態方程式の解を導出できる
状態遷移行列の意味を説明できる
状態遷移行列を算出できる
3週 状態方程式と伝達関数の関係、および、安定条件 状態空間行列から伝達関数を計算できる
状態空間表現されたシステムの安定条件を説明できる
4週 相似変換と伝達関数の不変性
相似変換の計算式を説明できる
与えられた相似変換行列を用いて状態を相似変換できる
5週 安定性の概念とLyapunovの安定判別法(1)
安定性と状態変数の収束値の関係を説明できる
Lyapunovの安定判別法について説明できる
6週 Lyapunovの安定判別法(2)
Lyapunovの安定判別法に基づき、状態空間表現で与えられた線形時不変システムの安定性を判別できる
7週 演習 前半の講義内容の復習として演習を行う。
8週 中間試験
2ndQ
9週 状態フィードバックと可制御性
状態フィードバック制御則について説明できる
可制御条件に基づき、可制御性を判定できる
10週 可制御正準形の性質と制御系設計
可制御正準形におけるシステム行列の特徴、および、伝達関数との対応について説明できる
可制御正準形への変換を通じて,指定した極配置を達成する状態フィードバックゲインを算出できる
11週 状態観測器(オブザーバ)と可観測性
オブザーバの構成について説明できる
可観測条件に基づき、可観測性を判定できる
12週 可観測正準形の性質と双対システムを利用したオブザーバの設計
可観測正準形におけるシステム行列の特徴、および、伝達関数との対応について説明できる
双対システムを用いて指定した極配置を達成するオブザーバゲインを算出できる
13週 極零相殺と可制御・可観測、最適レギュレータ、カルマンフィルタ 極零相殺と可制御性・可観測性の成立の関係について説明できる
最適レギュレータとカルマンフィルタの制御上の意味を説明できる
14週 状態観測器を用いた状態フィードバック制御(併合系)
併合系の極の構成を説明できる
併合系の安定条件を説明できる
15週 演習 後半の講義内容の復習として演習を行う。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験演習相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000