材料力学特論

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 材料力学特論
科目番号 0024 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・電子システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 平尾雅彦監修・森下智博著:「材料力学II」,森北出版
担当教員 森下 智博

到達目標

1) 多軸応力状態における応力・ひずみ・変位の解法を体系的に理解し、基本的な問題に適用できる。
2) 平板の曲げ問題に関する基礎的事項を理解し、1次元と2次元の問題を比較・考察できる。
3) 応力・ひずみ・弾性係数に関する発展的事項を理解し、それらを用いて材料力学の諸問題を3次元的に考察できる。
4) 材料の弾塑性に関する力学的挙動とその解析法を理解し、それらを強度計算に応用できる。
5) 上記の事柄について他者に説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 多軸応力の基礎式多軸応力の基礎式を体系的に理解し,基本的な問題に適用できる。多軸応力の諸公式を基本的な問題に適用できる。多軸応力の諸公式を基本的な問題に適用できない。
評価項目2 平板の曲げ平板の曲げ問題に関する基礎的事項を理解し、はりとの違いを説明できる。平板の曲げ問題に関する公式を用いて,基本問題の応力とたわみを計算できる。平板の曲げに関する基本問題の応力とたわみを計算できない。
評価項目3 応力とひずみ応力・ひずみ・弾性係数に関する発展的事項を理解し、それらを用いて材料力学の諸問題を3次元的に考察できる。応力・ひずみ・弾性係数に関する発展的事項を理解できる。応力・ひずみ・弾性係数に関する発展的事項を理解できす,1次元的理解にとどまっている。
評価項目4 弾塑性問題材料の弾塑性に関する力学的挙動とその解析法を理解し、それらを強度計算に応用できる。材料の弾塑性に関する力学的挙動とその解析法を理解できる。材料の弾塑性に関する力学的現象を理解できない。
評価項目5 論理的思考と対話材料力学の諸問題について、論理的思考に基づいて他者と議論できる。材料力学の諸問題について、基本概念や諸公式を他者に説明できる。材料力学の諸問題について、諸公式の成り立ちや利用例を他者に説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育目標 (F) 説明 閉じる
学習・教育目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造部材・機械部品の強度計算・強度評価ができるようになるとともに、関連事項を自主的・継続的に学習し、論理的思考と技術的議論ができるようになることを目指す。3年次の材料力学I、4年次の材料力学II、5年次の材料力学IIIの学習内容を基礎として、より発展的な問題を学び、さらに高度な内容を扱う専攻科2年次の破壊力学に備える。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進め、授業時間の後半で演習を行う。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。自ら考え、理解するよう努めること。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 多軸応力の復習 多軸応力状態における応力-ひずみ関係式と変位-ひずみ関係式について、簡単な応用例を示すことができる。
2週 球対称問題と軸対称問題の復習 内外圧が作用する厚肉球殻および厚肉円筒について、対称性と基礎式の構成を説明できる。
3週 多軸応力の基礎式(1) 多軸応力の基礎式とその解法、直角座標系における基礎式 直角座標系における平衡方程式を利用できる。ナビエの方程式を導出できる。
4週 多軸応力の基礎式(2) 円柱座標系における基礎式、球座標系における基礎式、極座標への座標変換 円柱座標系および球座標系での基礎式を利用できる。諸公式を直角座標系から極座標へ変換できる。
5週 平板の曲げ(1) はりと平板 平板の曲げにおける未知関数の取り扱いを理解し、基礎式との関係を説明できる。
6週 平板の曲げ(2) 長方形平板の曲げ 直角座標系での平板の基礎式を基本問題に適用し、応力とたわみを計算できる。
7週 平板の曲げ(3) 円板の軸対称曲げ 極座標で表される円板の基礎式を基本問題に適用し、応力とたわみを計算できる。
8週 平面応力と平面ひずみの復習 平面応力状態における応力の座標変換式および主応力および最大せん断応力、平面ひずみ状態におけるひずみの座標変換式および主ひずみおよび最大せん断ひずみについて説明できる。
4thQ
9週 応力とひずみ(1) 方向余弦と座標変換 方向余弦を用いて、応力の座標変換式を記述できる。
10週 応力とひずみ(2) 応力 3次元の応力状態において主応力と最大せん断応力の計算法を説明できる。応力の不変量について説明できる。
11週 応力とひずみ(3) ひずみ、多軸応力におけるひずみエネルギー、降伏条件 3次元的な変形におけるひずみの座標変換式を説明できる。3次元の応力状態におけるひずみエネルギーを計算でき、強度設計に応用できる。
12週 応力とひずみ(4) 応力-ひずみ関係式 一般化した応力-ひずみ関係式を理解し、異方性弾性体の弾性係数について説明できる。
13週 弾塑性問題(1) 材料モデル、弾完全塑性体のねじりと曲げ 弾完全塑性体のねじりと曲げにおける荷重と変形の関係を説明できる。
14週 弾塑性問題(2) 限界荷重、塑性変形による残留応力 組み合わせ棒における限界荷重、はりの限界荷重と塑性関節について説明できる。塑性変形によって生じる残留応力について説明できる。
15週 弾塑性問題(3) 球対称問題と軸対称問題 弾完全塑性体の球殻、円筒、回転円板の降伏開始条件と残留応力について説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験演習課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000