到達目標
1) 光デバイスの基礎として、量子力学と半導体に関する基礎事項や光波と電子の相互作用について説明できる。
2) 各種の発光デバイス、受光デバイスと固体表示デバイスについて、その動作原理とその特性を理解し、重要な性質を系統的に説明できる。
3)与えられた実験課題に対して、専門分野の知識と技術を用いて実験システムを構築できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 光、量子力学および半導体の基礎的性質を理解・応用することができる。 | 光、量子力学および半導体の基礎的性質を理解することができる。 | 光、量子力学および半導体の基礎的性質を理解することができない。 |
評価項目2 | 光波と電子の相互作用を理解、問題解決できる。 | 光波と電子の相互作用を理解できる。 | 光波と電子の相互作用を理解できない。 |
評価項目3 | 光導波路、LED、レーザーなどの光デバイスの基礎原理および応用を理解できる。 | 光導波路、LED、レーザー、光ファイバーなどの光デバイスの基礎原理を理解できる。 | 光導波路、LED、レーザー、光ファイバーなどの光デバイスの基礎原理を理解できない。 |
評価項目4 | 受光・表示デバイス、、光ファイバー、光通信、光計測と医療への応用、光電力応用などを理解し、詳しく説明できる。 | 受光・表示デバイス、、光ファイバー、光通信、光計測と医療への応用、光電力応用などを理解できる。 | 受光・表示デバイス、、光ファイバー、光通信、光計測と医療への応用、光電力応用などを理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育目標 (D)
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学習・教育目標 (F)
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学習・教育目標 (H)
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教育方法等
概要:
光エレクトロニクスは、光学的技術、量子電子工学と電子工学の融合であり、電子工学の機能を多様化、高性能化させるのに役立っており、また広範な内容を有する。光デバイスは、この光エレクトロニクスの中核となるデバイスであり、その技術の進歩は著しい。 本講義では、前半は光デバイスの基礎と理論に重点を置き、後半は光情報伝送と光記録及び像情報技術用などで利用される各種の光デバイスについて最新の情報を取り入れて説明する。
授業の進め方・方法:
合格の対象としない欠席条件(割合): 1/3以上の欠課
成績評価は、上記の本科目の達成度を定期試験(80%)、レポート(20%)を総
合して評価し、60% 以上を達成したものを合格とする。定期試験では、授
業内容の理解達成度を評価する。演習は1回とし、2)の達成
目標が達成できたかどうかを評価する。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。履修に当たっては、電子物性に関連する科目を習得しておくことが望ましい。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
光エレクトロニクスと光デバイス 光エレクトロニクスは、電気通信工学的、画像工学的、光エネルギーの3面的な特徴を持つ技術である。このことを基に、光エレクトロニクス分野の中核をなす光デバイスの形態について述べる。 |
光エレクトロニクスと光デバイス 光エレクトロニクスの形態を理解できる。
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2週 |
光の基礎的性質 これまで物理などで学んできた光の基本的性質(屈折、反射、干渉、回折、偏光など) を復習する。 |
光の基礎的性質を理解できる。
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3週 |
量子力学の基礎事項 量子力学発達の背景、物質の粒子・波動の二面性、シュレディンガーの波動方程式、波動関数など光波と電子の相互作用を理解するために必要な量子力学的な理論的背景を述べる。 |
量子力学の基礎事項を理解できる。
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4週 |
半導体の光学的性質 物質は光を吸収したり放出したりする。これは、主に物質中の電子との相互作用によるものである。 半導体における光の吸収と放出について現象論的に考える。 |
半導体における光の吸収と放出を理解できる。
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5週 |
半導体の電気的性質 光デバイスの基礎となる半導体の電気的性質について説明する。 |
半導体の電気的性質を理解できる。
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6週 |
光波と電子の相互作用の量子論 光と電子の相互作用を量子力学的に表す方法について考える。密度行列を用いて、2準位系近似で物質の分極率(エネルギーの蓄積を示す実部と吸収や誘導放出を表す虚部) を導出する。 |
光波と電子の相互作用の量子論を理解できる。
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7週 |
光波と電子の相互作用の量子論(電子遷移と誘導放出) 前週の光波の増幅過程に関する解析を基に、誘導放出に基づく光子密度と電子密度の時間的な変化の割合を表すレート方程式を導出する。これを基に、多準位系の分極について考える。 |
電子遷移と誘導放出を理解できる。
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8週 |
演習 |
演習
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2ndQ |
9週 |
光誘電体導波路 光誘電導波路の解析に主に光線近似を用い、光導波路の基本的な性質(全反射、導波モード、等価屈折率、封じ込め係数、光伝搬の電力整合、集光と出射など)、光伝搬の電力整合と曲がり損失 光伝搬の電力整合条件、モード整合条件、ブリュスター角と曲がり損失について述べる。 |
光誘電体導波路 光誘電導波路の解析に主に光線近似を用い、光導波路の基本的な性質(全反射、導波モード、等価屈折率、封じ込め係数、光伝搬の電力整合、集光と出射など)、光伝搬の電力整合と曲がり損失 光伝搬の電力整合条件、モード整合条件、ブリュスター角と曲がり損失について理解できる。
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10週 |
周期構造、集光と出射 周期構造とフォトニック結晶について説明する。集光と出射を理解する。 |
周期構造、集光と出射、周期構造とフォトニック結晶、集光と出射を理解できる。
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11週 |
発光ダイオード 発光デバイスの一つとして重要な発光ダイオード(LED) の構造、製作法、材料について述べる。また、そのデバイスの発光特性や特徴等について述べ、その現状の問題点について考える。 |
発光ダイオードの原理を理解できる。
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12週 |
半導体レーザ 光源としての半導体レーザの性質を説明し、発振しきい値、光出力、発振波長、増幅利得などが求められる。半導体レーザ(LD) の構造、種類、発光特性や特徴等について述べる。 |
半導体レーザの原理を理解できる。
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13週 |
受光・表示デバイス 受光デバイス(光検出器、フォトダイオード、太陽電池等)の構造、特性や特徴について述べる。表示デバイスについて液晶を中心に述べる。 |
光検出器、フォトダイオード、太陽電池等の構造、特性や特徴を理解できる。
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14週 |
光線路と光コンポーネント 光ファイバと光デバイスの結合、光回路素子、光偏光器などについて述べる。 |
光ファイバと光デバイスの結合、光回路素子、光偏光器などを理解できる。
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15週 |
光デバイスの応用 光通信、光計測と医療への応用、光電力応用などを中心に述べる。 |
光デバイスの応用を把握できる。
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16週 |
期末試験
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期末試験
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | 演習 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |