経営科学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 経営科学
科目番号 0002 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築・都市システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 加護野忠男、吉村典久『1からの経営学』碩学舎.時事トピックスなど補足項目を説明する場合は適宜レジュメを配布する。 参考図書は授業の中で紹介する。
担当教員 中尾 光宏

到達目標

(1) 現実社会、とりわけ企業・産業・市場に関わる諸現象を捉える際に有効な、社会科学的分析概念の知識を得ること(学習教育目標(A))。
(2) 経営活動・企業行動・市場のメカニズムを科学的に理解すること(学習教育目標(A)(C))。
(3) 経済活動と社会の豊かさの関係を理解すること(学習教育目標(A)(C))。
(4) 社会を理解する「道具」としての社会科学の有効性を体感すること。また、意思決定を助けるツールとしての科学的アプローチを習得し、同様の手段を自らが関わる具体的場面に援用でき、適切な理解・判断ができること(学習教育目標(A)(C))。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1経営学の扱う領域、目的、社会科学的方法など、経営学の基本的な知識を理解し十分運用ができる経営学の扱う領域、目的、社会科学的方法など、経営学の基本的な知識を理解しているため初歩的な運用が可経営学の扱う領域、目的、社会科学的方法など、経営学の基本的な知識が不足しているため、運用もできない
評価項目2日常の授業で取り上げる経営問題について、解決策を提示することができる日常の授業で取り上げる経営問題について、解決策は提示できずとも問題の構造は理解できている。日常の授業で取り上げる経営問題について、関心もなく解決策はおろか経営問題の構造すら理解できていない
評価項目3身近な企業をケースとして扱う場合、経営学の知識を使い自らの力で分析し内容が理解できる身近な企業をケースとして取り扱う場合、断片的な経営学知識の運用は可能身近な企業をケースとして扱う場合、経営学の理解が不十分で具体的な分析に至るまでのスキルが不足している

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (A) 説明 閉じる
学習・教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は、現役の経営管理コンサルタントである教員が、実務経験を活かし、経営学全般について最新の事例を元に講義形式で授業を行うものである。具体的にはビジネス活動・マネジメント活動の諸側面(企業・経営組織・経営戦略・マーケティング・人的資源管理・企業と法など)について、事例を挙げながら、汎用性のある知識として活用できることを目的とする。また社会科学の考え方を理解することも、合わせて目的とする。
授業の進め方・方法:
経営学の骨格を自身で理解していただくため事前に教科書の該当箇所の読了を要す。そのうえで最近発生した企業での事象について、適宜レジュメを配布し、教科書の骨組みを崩さず主体となるテーマを最新事象でもって説明する。合わせて理解を促進させるためにパワーポイントなども利用する。基本的に板書書き写しはない
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。経営学は社会情勢と極めて密接に関係している。日頃から時事問題への関心を持ちながら授業に臨むこと。予備知識は必要ではないが、授業の前にあらかじめ教科書の該当部分に目を通しておくこと。授業では一方的に講義を行うことは想定していない。時に議論を通じて内容を深めていくこともある。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 経営学の全体像
「経営学」とはどのような学問なのか、社会科学とはどういったものなのか考える
普段学習している自然科学と社会科学との違いについて十分理解する
2週 企業経営の全体像
組織と経営、企業組織と外部環境とのやりとりをモデルとして概観していく
人の集まりである会社をモデルとして理解する方法を学ぶ
3週 企業と会社
企業形態として一般的な「株式会社」とは何か。法制度との関係も踏まえながら考える
営利企業の大多数を占める株式会社と、そこで扱われている株式とはどういったものなのか理解する
4週 企業とインプット(金融資本・労働)市場との関わり
企業経営におけるお金と人との関わり合いについて、市場や法制度を踏まえ検討する
2週目で提示したモデルのうち、外部とのカネのやり取りを理解する
5週 企業とアウトプット(製品・サービス)市場との関わり
どのように製品やサービスを提供するのか。マーケティングとはどういったものなのかを考える
2週目で提示したモデルのうち、外部に販売する製品やサービスをいかにして販売するのか理解する
6週 競争戦略のマネジメント(その1)
他社との競争に勝つためにどのようにすればよいのか。そのための戦略というものは一体何なのか。
また類似する用語としての戦術とは何か。まずはコンセプトについて把握する
戦略と戦術について、戦争をもとにいかに経営学にコンセプトが転用されたのか理解する
7週 競争戦略のマネジメント(その2)
戦略という用語は本来、軍事用語である。企業競争の場で他社と戦うために、どのような方策が用いられているのか具体的に考える
実際の戦争の戦い方と、経営の戦い方とは異なる。具体例でその違いを理解する
8週 多角化戦略のマネジメント
企業が扱っている製品やサービスが一つであることは珍しい。なぜ複数の製品やサービスを持つことになるのかを考える
経営では多角化と集中が存在する。その長所短所を理解する
2ndQ
9週 国際化のマネジメント
現代社会において海外を無視することはできない。企業経営においてもまた同様である。国際化するにあたり考えなければならない論点を考える
国内だけで経営をやっていると海外と接する際には様々な障壁にぶち当たる。その障壁について具体的に理解する
10週 マクロ組織のマネジメント
企業ではどのような役割があるのか。また企業によってはユニークな役割分担の仕方が存在する。それぞれの組織の狙いや長所や短所を考える
企業といえども大きな企業となるとヨーロッパの一つの国くらいの大きさになる。その組織構造いついて理解する
11週 ミクロ組織のマネジメント
組織は人の集合体である。人がやる気になり力を合わさなければ組織はうまく機能しない。組織をうまく機能させるための理論と方法について考える
見渡せば顔と名前が一致する組織規模で、日常発生しがちな問題をいかに解決するか、その点について理解する
12週 知的財産と経営
技術や先行優位性を担保するための知的財産制度。知的財産制度の概要から経営との関わりについて考えていく
人のまねをした製品やサービスは発案者に多大な損害を与える。国際的には創案には保護を与える決まりがある。これを理解する
13週 経営学の広がり(その1)
日本には数多くのファミリー企業が存在する。またその多くは一般に社名も耳にしたことがない企業である。ここではそのような企業にフォーカスをあて、その特異性について考える
有名企業よりも実態はオーナー企業が圧倒的に多い。ともすればブラック企業とひとくくりにされがちなこういった企業群の実態を理解する
14週 経営学の広がり(その2)
「株式会社」以外にも多様な形態の組織が存在している。病院もその一つである。ここでは病院にフォーカスをあてつつ、他の様々な組織形態と経営との関係について考える
非営利企業にも営利企業の考え方が必要である。また経営で異なる点も存在する。そのことを病院経営をモデルに理解する
15週 まとめ
総復習と補足
復習・補足
16週 期末試験実施せず
期末レポートの提出

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験(期末レポート)課題(小テスト)相互評価態度(出席点および授業態度)ポートフォリオその他合計
総合評価割合5030020000100
基礎的能力5030020000100
専門的能力00000000
分野横断的能力0000000