交通計画

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 交通計画
科目番号 0024 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築・都市システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 交通システム(塚口博司・塚本直幸ほか著、オーム社) 教科書を補足するための資料も随時配布する。
担当教員 石松 一仁

到達目標

(1) 都市や交通に関する用語と交通手段の特性を理解する(F)。
(2) 交通問題の現状を理解し、交通調査の考え方と方法を修得する(F)。
(3) 交通発生のメカニズムを理解し、将来の交通需要が予測できる(H)。
(4) 交通計画の代替案を列挙開発し、その影響や効果を推計できる(H)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1都市や交通に関する用語と交通手段の特性を体系的に説明できる。都市や交通に関する用語と交通手段の特性を説明できる。都市や交通に関する用語と交通手段の特性を説明できない。
評価項目2交通問題の現状を理解し、交通調査の考え方と方法を体系的に説明できる。交通問題の現状を理解し、交通調査の考え方と方法を説明できる。交通問題の現状を理解し、交通調査の考え方と方法を説明できない。
評価項目3交通発生のメカニズムを理解し、将来の交通需要を総合的に予測できる。交通発生のメカニズムを理解し、将来の交通需要を予測できる。交通発生のメカニズムを理解し、将来の交通需要が予測できない。
評価項目4交通計画の代替案を列挙開発し、その影響や効果を総合的に推計できる。交通計画の代替案を列挙開発し、その影響や効果を推計できる。交通計画の代替案を列挙開発し、その影響や効果を推計できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (F) 説明 閉じる
学習・教育目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は、民間シンクタンクに在籍し、都市・地域計画および経済分析を担当していた教員が、都市活動に付随する交通について、交通施設の需要者となる交通の特性と交通施設を供給する交通手段の適性を検討し、幅広い視点からみた望ましい交通システムの構築について講義する。
授業の進め方・方法:
教科書に基づいた講義、学生によるプレゼンと集団討論をバランスよく組み合わせて進めていく。
成績評価は、定期試験(60%)、プレゼン(30%)、質疑応答など授業への取り組み姿勢(10%)から総合して評価し、60%以上の評価点を合格とする。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。関連科目として、都市系の学科で開講されている計画学・都市計画・交通工学がある。これらの科目の基礎的知識を習得しておくことが望ましいが、都市系学科・建築系学科出身を問わず、出来るだけ平易に授業する。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 都市の歴史とメカニズム
都市活動の空間制約を克服するものが交通であり、交通生成メカニズムの視点から都市発展の歴史的な経緯について講義する。
都市活動の空間制約を克服するものが交通であり、交通生成メカニズムの視点から都市発展の歴史的な経緯について説明できる。
2週 交通問題
都市や交通生成のメカニズムを通し、内外で発生している交通問題を解説する。
都市や交通生成のメカニズムを通し、内外で発生している交通問題を解説できる。
3週 交通の特性と交通手段
交通は都市活動に付随する派生的な行動であり、都市活動によって交通の性質も大きく異なる。交通の特性と、交通をサービスするための交通手段について講義する。
交通の特性と、交通をサービスするための交通手段について説明できる。
4週 交通の実態と調査
交通を規定する要因には、個人属性に加えて、交通目的・土地利用・施設用途・時刻・所要時間・手段・費用などがある。パーソントリップ調査を中心に、交通の実態と調査法について講義する。
パーソントリップ調査を中心に、交通の実態と調査法について説明できる。
5週 交通需要予測 Ⅰ (発生集中交通量の予測:その1)
交通需要予測の四段階推計法の第一段階に相当する発生集中交通量の予測を、関数モデル法や原単位法などについて講義する。
交通需要予測の四段階推計法の第一段階に相当する発生集中交通量の予測に必要な関数モデル法や原単位法を説明できる。
6週 交通需要予測 Ⅰ (発生集中交通量の予測:その2)
前回に引き続き、交通需要予測の四段階推計法の第一段階に相当する発生集中交通量の予測について講義する。
交通需要予測の四段階推計法の第一段階に相当する発生集中交通量の予測について体系的に説明できる。
7週 交通需要予測 Ⅱ (分布交通量の予測:その1)
四段階推計法の第二段階に相当する分布交通量(OD 交通量) の予測を、現在パターン法・重力モデル法・確率モデル法などについて講義する。
四段階推計法の第二段階に相当する分布交通量(OD 交通量) の予測に必要な現在パターン法・重力モデル法・確率モデル法などについて説明できる。
8週 交通需要予測 Ⅱ (分布交通量の予測:その2)
前回に引き続き、四段階推計法の第二段階に相当する分布交通量(OD 交通量) の予測について講義する。
四段階推計法の第二段階に相当する分布交通量(OD 交通量) の予測について体系的に説明できる。
2ndQ
9週 交通需要予測 Ⅲ (交通機関別分担率の予測)
四段階推計法の第三段階に相当する交通機関別分担率の予測を、分担率曲線による現在パターン法・費用最小化法・効用最大化法などについて、非集計モデルの視点も加えて講義する。
四段階推計法の第三段階に相当する交通機関別分担率の予測に必要な、分担率曲線による現在パターン法・費用最小化法・効用最大化法などについて説明できる。
10週 交通需要予測 Ⅳ (配分交通量の予測)
四段階推計法の第四段階に相当する配分交通量の予測を、容量制約を考慮した実際配分の立場から自動車交通を道路ネットワークに配分する方法について講義する。
四段階推計法の第四段階に相当する配分交通量の予測を、容量制約を考慮した実際配分の立場から自動車交通を道路ネットワークに配分する方法について説明できる。
11週 交通システムの計画
将来の土地利用を与件として、四段階推計法により交通ネットワークに配分した交通状況から、交通計画の代替案作成の考え方や方法について講義する。
将来の土地利用を与件として、四段階推計法により交通ネットワークに配分した交通状況から、交通計画の代替案作成の考え方や方法について説明できる。
12週 地区交通の計画
より狭い範囲を計画対象とする地区レベルの交通では、利便性よりも安全性や環境への配慮が重要となる。地区交通計画の考え方と方法について講義する。
地区交通計画の考え方と方法について説明できる。
13週 環境問題と交通
自動車の普及にともない、各種の環境問題が発生している。大気汚染や騒音などの環境問題と景観や少子高齢化を考慮した対策について講義する。
大気汚染や騒音などの環境問題と景観や少子高齢化を考慮した対策について説明できる。
14週 新たな交通施策 TDM,MM
交通計画は、需要追随型から抑制型を経て、モビリティーマネージメントへとシフトしてきている。TDM やMMなど新たな交通施策の考え方と方法について講義する。
TDM やMMなど新たな交通施策の考え方と方法について説明できる。
15週 まちづくりの交通戦略
自動車の出現は都市空間に大きな影響を及ぼしている。まちづくりの視点から、トレードオフの関係にある沢山の計画手法から適切な方法を選択するための交通戦略について講義する。
まちづくりの視点から、トレードオフの関係にある沢山の計画手法から適切な方法を選択するための交通戦略について説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合603001000100
基礎的能力0000000
専門的能力603001000100
分野横断的能力0000000