水工システムⅡ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 水工システムⅡ
科目番号 4032 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築・都市システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考図書として「河川工学」(川合・和田・神田・鈴木著:コロナ社)を用いる。参考資料をスライドで示すとともに、プリントを配布する。
担当教員 神田 佳一

到達目標

(1)技術が社会や自然に及ぼす影響・責任を理解するとともに、人々の幸福で快適な生活を保障し、かつ良好な自然環境を保全するために何が必要かを理解し、説明することができる。
(2)河川の水理機能及び防災機能に関する基本的な考え方や知識を理解し、他者に説明できる。
(3)河川・流域環境の保全・創出に関連して、河川の生態環境機能や多自然型河川づくりの基本的考え方について理解するとともに、個々の施工例に対して防災上の問題点とその解決法を見出すことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1技術が社会や自然に及ぼす影響・責任を理解するとともに、人々の幸福で快適な生活を保障し、かつ良好な自然環境を保全するために何が必要かを十分に理解し、丁寧に説明することができる。技術が社会や自然に及ぼす影響・責任を理解するとともに、人々の幸福で快適な生活を保障し、かつ良好な自然環境を保全するために何が必要かを理解し、説明することができる。技術が社会や自然に及ぼす影響・責任を理解するとともに、人々の幸福で快適な生活を保障し、かつ良好な自然環境を保全するために何が必要かを理解し、説明することができない。
評価項目2河川の水理機能及び防災機能に関する基本的な考え方や知識を十分に理解し、他者に丁寧に説明できる。河川の水理機能及び防災機能に関する基本的な考え方や知識を理解し、他者に説明できる。河川の水理機能及び防災機能に関する基本的な考え方や知識を理解し、他者に説明できない。
評価項目3河川・流域環境の保全・創出に関連して、河川の生態環境機能や多自然型河川づくりの基本的考え方について十分に理解するとともに、個々の施工例に対して防災上の問題点とその解決法を見出し、説明することができる。河川・流域環境の保全・創出に関連して、河川の生態環境機能や多自然型河川づくりの基本的考え方について理解するとともに、個々の施工例に対して防災上の問題点とその解決法を見出すことができる。河川・流域環境の保全・創出に関連して、河川の生態環境機能や多自然型河川づくりの基本的考え方を理解できない。また、個々の施工例に対して防災上の問題点とその解決法を見出すことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高専学科の河川工学、環境工学に関する基礎理論・技術の応用として、河川や流域環境における工学上の諸問題とその解決法について教授する。都市を構成する一要素として河川をとらえ、水の供給源、洪水に対する防災機能、都市の景観や水生生物の住処の創造など、河川の果たす役割と都市形成との関わりについて考える。具体的には、都市における水災害とその防御法、流砂と河床変動について述べるとともに、多自然型河川づくりの基本的考え方、施工例及び問題点について教授する。
授業の進め方・方法:
授業の進め方と授業内容・方法:
主として教科書及びスライド等の補助教材を用いて、出来るだけ平易に解説する。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。出身学科を問わず、できるだけ平易に授業するが、水理、環境及び河川に関する基礎知識を必要とする。事前に配布する資料・教材等を良く読み、内容を理解しておくこと。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
連絡先:kanda@akashi.ac.jp

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 河川の成り立ちと都市形成
河川とその流域について学習するとともに、人々の生活・生産活動の場として都市づくりに河川が果たしてきた役割,あるいは河川が与えた影響について説明できる。
2週 都市型水害とその対策(1)
都市における水害を工学的に分類し、その特徴を抽出するとともに、都市型水害を引き起こす要因となる水文量の統計的推定手法について説明できる。
3週 都市型水害とその対策(2)
溢水や流出土砂による家屋の浸水・流失、道路の寸断、橋梁の損壊などの都市型水害の実情と被災例について述べるとともに、その防止・軽減対策について説明できる。
4週 都市型水害とその対策(3)
都市における水資源の開発手法として、河川の利水計画の根幹をなすダムや堰などの構造物によるものとソフト的な対応策について説明できる。
5週 土砂水理の基礎
土砂の移動現象について理解するとともに、表面侵食・山崩れ及び土石流など山地河道における土砂の生産過程と生産土砂量の推定法について説明できる。
6週 流砂量の推定
河道に生産された土砂が流水によって河道内を流送されるメカニズムを水理学的に理解するとともに、流砂量の評価方法について説明できる。
7週 河床変動と砂州の形成
流砂量の空間的不均衡によって生じる河床変動とそのスケールについて理解するとともに、河道形成とその変化について説明できる。
8週 河川構造物周辺の局所洗掘とその制御
堰や床止め工、水制などの河川構造物周辺で生じる局所洗掘に関して、その発生要因と形態を分類・整理するとともに、具体的な例題を用いて洗掘深の評価手法とその制御法について説明できる。
4thQ
9週 河川の生態環境とその評価(1)
水生生物や岸辺の植生の生息場所としての河川の生態環境を、人間の生活との関連の中でどう保全していくべきかを理解するとともに、魚類の生息環境向上のための基本戦略について説明できる。
10週 河川の生態環境とその評価(2)
河川に対して流域の開発や河川構造物の設置などの人為的な影響が与えられた場合、河川の生態環境がどう変化するかを定量的に評価する手法について説明できる。
11週 河川環境と景観
都市景観の構成要素としての河川のあるべき姿を考えるとともに、河川景観の特徴及び評価軸について説明できる。
12週 多自然型川づくりの概要
河川が本来有している生物の良好な生育環境に配慮し、美しい景観を保全・創出するための多自然型川づくりの基本理念と各種河川改修工法の概要について説明できる。
13週 多自然型河川改修工法の現状と問題点
石積み護岸、植生護岸、木工沈床等の伝統工法を用いた多自然型川づくりの計画と実施状況を理解するとともに、その成功例及び失敗例の分析から、多自然型工法の今後のあるべき姿を考えることができる。
14週 魚に優しい川づくりとは
多自然型川づくりにおける魚の生息環境の多様性について説明することができる。
15週 多自然型河川改修における住民参加の現状と問題点
多自然型川づくりにおいては、計画・施工から維持管理に至るまで、地域住民の協力が不可欠である。住民参加の実情とそのあり方について説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70030000100
基礎的能力1001000020
専門的能力6002000080
分野横断的能力0000000