工業材料

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 工業材料
科目番号 5010 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築・都市システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜レジュメを配布する。
担当教員 森下 智博,梶村 好宏,武田 字浦,平石 年弘

到達目標

(1)微視的特性に起因する弾性的異方性を理解し、いくつかの異方性材料を利用した工学的応用例を説明できる。(森下担当)。
(2)コンクリート構造物の建設・維持管理に際し、異分野の融合による技術の革新について提案できる。(武田担当)
(3)材料の環境負荷に配慮した選択をするにはどのような点を考慮すれば良いかを理解すると共に、興味のある材料について各自調べ、相互に説明することで理解を深める。(平石担当)。
(4)磁気に関する物理量を単位とともに理解し、各種磁性材料の特性について理解し説明できること目標にする。(梶村担当)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種材料の異方性について、原因と工学的応用例を説明できる。各種材料における弾性異方性の原因と数式表現を理解している。材料に異方性が生じる原因を理解していない。
評価項目2自身の専門分野とコンクリート工学との関わりについて説明ができ、新しい提案ができる。自身の専門分野とコンクリート工学との関わりについて説明ができる。自身の専門分野とコンクリート工学との関わりについて説明できない。
評価項目3環境負荷を配慮し工業材料を選択するためのLCA分析ができる。環境負荷を配慮し工業材料を選択するために考慮すべき項目を理解している。環境負荷を配慮し工業材料を選択する必要性を理解していない。
評価項目4磁気に関する物理量を単位とともに理解し、各種磁性材料の特性や応用事例につい て理解し説明できる。磁気に関する物理量を単位とともに理解し、各種磁性材料の特性につい て理解し説明できる。磁気に関する物理量を単位とともに理解し、各種磁性材料の特性につい て理解し説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1) 多結晶金属材料と粒子分散型複合材料について、微視構造と巨視的異方性の関係を説明する。(森下担当8時間)(2)都市を構成する代表的な材料であるコンクリートの力学的性質や補強方法および維持・管理技術、環境問題への配慮について説明すると共に、近年開発されている新技術について説明する(武田担当6時間)。(3) 材料の環境影響と各種工業材料が持つ特性を各自しらべ説明するとで理解を深める(平石担当8時間)(4)各種磁性材料の特徴や性質を理解し、応用事例を説明する。(梶村担当8時間)
授業の進め方・方法:
4名の教員のオムニバス形式で授業が行われる。
1~4週(森下):微視構造が材料の巨視的性質にどのように影響するかを学び、各自の専門分野で利用されている異方性材料を紹介し合う。
5~7週(武田):コンクリートの力学的性質や補強方法および維持管理技術について説明した後、各自の専門分野との関係について調査し新技術の提案につなげる。
8週〜11週(平石) 工業材料の選択と環境負荷の違いについてライフサイクルアセスメント(LCA)によって説明すした後、専攻科特別研究に関連する工業材料を1つ選び、その長所、短所、環境負荷についてパワーポイントを使って発表する。
12週~15週(梶村)磁気に関する物理量を単位とともに理解し、各種磁性材料の特性につい て理解し説明できるようになる。またその応用事例について調査を行う。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。
評価の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 応力-ひずみ関係式と弾性係数(森下)
異方性材料の弾性係数について学ぶ。
代表的な異方性の種類とその弾性係数を説明できる。
2週 多結晶金属材料の弾性係数(森下)
単結晶の弾性係数と、その集合体である金属材料の巨視的弾性係数の関係を学ぶ。
金属が優先方位をもつ結晶粒の集合体であることを理解し、巨視的弾性係数が単結晶の弾性係数と方位分布関数で表現できることを説明できる。
3週 粒子分散型複合材料の弾性係数(森下)
粒子の形状・配置・方位と、巨視的な弾性係数の関係を学ぶ。
粒子分散型複合材料の有効弾性係数が、粒子の形状・配置・方位および含有率に影響されることを説明できる。
4週 各種材料の異方性(森下)
異方性をもつ各種材料の工学的利用例について紹介し合う。
いくつかの異方性材料について、異方性の原因を利用した工学的応用例を説明できる。
5週 コンクリート概論(武田)
都市を構成する代表的な材料であるコンクリートについて、その構成材料、力学的性質について学ぶ。
コンクリートを構成する材料と力学的性質について説明できる。
6週 コンクリート構造物の耐久性と維持・管理技術(武田)
コンクリートの構造物の補強方法、耐久性に影響を及ぼす劣化と対策方法について学ぶ。
コンクリート構造物の維持管理技術について説明できる。
7週 建設分野における技術革新(武田)
建設分野における環境問題への対応と新技術について学ぶ。
建設分野における環境問題への対応と新技術について説明できる。
8週 材料と環境負荷(平石)
各種工業材料が環境に与える負荷をLCA(ライフサイクルアセスメント)の手法を使って分析した結果について学ぶ。
各種工業材料の違いによってLCA(ライフサイクルアセスメント)によって分析し材料によって異なることが分析できる。
2ndQ
9週 材料の特性を調べる(平石)
興味のある工業材料についてその特性をプレゼンテーションする。
専攻科特別研究に関連する工業材料についてその用途、長所、短所について説明できる。
10週 材料の特性を調べる(平石)
興味のある工業材料についてその特性をプレゼンテーションする。明できる資料を作る。
専攻科特別研究に関連する工業材料についてその用途、長所、短所について説明できる。
11週 材料の特性を調べる(平石)
興味のある工業材料についてその特性をプレゼンテーションする。
専攻科特別研究に関連する工業材料についてその用途、長所、短所について説明できる。
12週 磁性材料概説(梶村)
磁性材料開発の歴史とこれらの特徴やその性質について概説する。また、今日広く多分野で利用されている具体的な事例について学ぶ。
磁性材料開発の歴史とこれらの特徴やその性質について概説する。また、今日広く多分野で利用され ている具体的な事例を説明できる。
13週 磁性材料の物理的性質(梶村)
電気分野などで学ぶ磁気の基本と磁性材料の物理的性質について学ぶ。ここで、各自の専門分野において興味ある利用、応用事例について調査を行うとともにその原理について理解を深める。
電気分野などで学ぶ磁気の基本と磁性材料の物理的性質について学ぶ。ここで、各自の専門分野にお いて興味ある利用、応用事例について調査を行うとともにその原理について説明できる。
14週 磁性体を用いた磁気センサの原理と利用例(梶村)
磁性体を用いた磁気センサの原理と利用例を紹介し、インテリジェント材料とインテリジェント磁性材料についても紹介する。
磁性体を用いた磁気センサの原理と利用例について説明でき、インテリジェント材料とインテリジェント磁性材料について説明できる。
15週 様々な分野での利用例(梶村)
各自の専門分野の磁性材料について調査した結果を報告書にまとめる。
各自の専門分野の磁性材料について調査した結果を報告書にまとめ、説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

到達目標(1) 試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000