機械工学入門

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機械工学入門
科目番号 0012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 わかりやすい機械工学:松尾 哲夫ほか4名著(森北出版)/日本機械学会誌(一部抜粋)
担当教員 小柴 孝,酒井 史敏

到達目標

1.機械工学の発展ついて歴史を遡って説明することができる.機械の定義を理解し,様々な機器について機械か否かを判別することができる.
2.機械に用いられる材料の特徴を理解し,使用するに至った理由を説明することができる.材料力学,熱力学,流体力学において使用する用語や諸量の単位表示,さらに簡単な計算を行うことができる.
3.力のつり合い,速度と加速度,運動の法則を理解し,図を用いて説明することができる.各種機構の原理,効果を理解し,身近な機械などを用いて説明することができる.
4.回転機械の力学,機械に生じる振動について具体的な例を用いて説明することができる.メカトロニクスの定義と効用,産業用ロボットの種類・分類について説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械の発展を説明することができる.身近にある機器が機械か否か判別できる.機械の定義や果たした役割について説明することができる.機械の定義が理解されていない.
評価項目2機械工学で使用する用語の使用と諸量の単位表示ができる.機械材料の特徴が述べることができる.材料力学,熱力学,流体力学における簡単な計算ができる.機械工学で使用する諸量の単位表示ができる.機械材料の種類を示すことができる.簡単な計算がほぼできる.機械工学で使用する用語を知らない。単位の表示ができない.簡単な計算ができない.
評価項目3力のつり合い,速度と加速度,運動の法則を理解し,具体例や図を用いて説明することができる.各種機構の原理,効果を理解し,身近な機械などを用いて説明することができる.力のつり合い,速度と加速度,運動の法則について説明することができる.各種機構の原理,効果について説明することができる.力のつり合い,速度と加速度,運動の法則について説明することができない.各種機構の原理,効果について説明することができない.
評価項目4回転機械の力学,機械に生じる振動について具体的な例を用いて説明することができる.メカトロニクスの定義と効用,産業用ロボットの種類・分類について図を用いて説明することができる.回転機械の力学,機械に生じる振動について説明することができる.メカトロニクスの定義と効用,産業用ロボットの種類・分類について説明することができる.回転機械の力学,機械に生じる振動について説明することができない.メカトロニクスの定義と効用,産業用ロボットの種類・分類について説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学科に入学した学生に対して,これから学ぶ専門科目の内容を紹介する.身近にあるものから先端技術と呼ばれるものまで技術開発において機械工学の果たしてきた役割を解説しながら,これから始まる専門学習の一助となるような授業を行う.
授業の進め方・方法:
基本的に教科書を中心に授業を行うが,随時,配布資料などを利用して詳しく解説する.なお,一部,数学や物理で学習する内容を先行的に取り入れたりするが,説明に必要な部分にとどめておく.
注意点:
関連科目:
 機械工作実習,機械設計製図,数学,物理
学習指針:
 身の回りにある機器には多くの機械技術が詰まっている.授業中で学んだことを日常的に使用,利用するものの動作や原理と照らし合わせると,その理解はより深まると考える.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・機械工学の歴史
・運動とエネルギー
・機械工学の発展を歴史背景に従い,説明することができる.
・中学校で学習した運動とエネルギーについて説明することができる.
2週 ・機械の定義と構成要素
・工業力学(1)
・機械の定義を理解し,その判別をすることができる.
・力のつり合いについて説明することができる.
3週 ・材料学(1)
・工業力学(2)
・機械に用いる材料の種類とその機械的強度試験を説明できる.
・速度と加速度について説明することができる.運動の法則について説明することができる.
4週 ・材料学(2)
・機構学(1)
・金属材料の特徴を説明することができる.
・対偶と節,平面運動の自由度について説明することができる.
5週 ・材料学(3)
・機構学(2)
・非金属材料の特徴を説明することができる.
・リンク機構の運動について説明することができる.
6週 ・材料学(4)
・機構学(3)
・金属の引張り力と伸びの関係を応力とひずみを用いて説明することができる.
・各種伝動装置の原理および効果を説明することができる.
7週 前期中間試験 試験問題に対して,正しい解答を記述することができる.
8週 試験返却・解答 試験結果を確認し,解説により理解不十分な箇所を充足することができる.
2ndQ
9週 ・材料力学(1)
・機械力学と制御(1)
・平面応力状態を薄肉円筒より説明することができる.
・回転体のつり合いについて説明することができる.
10週 ・材料力学(2)
・機械力学と制御(2)
・せん断応力や曲げ応力の発生を説明することができる.
・機械に生じる振動について説明することができる.
11週 ・熱力学(1)
・機械力学と制御(3)
・資源エネルギーの種類や熱力学で扱う諸量の説明ができる.
・自由振動と強制振動の違いを説明することができる.
12週 ・熱力学(2)
・機械力学と制御(4)
・簡単な熱量の計算ができる.熱サイクルの説明ができる.
・機械の制御方法について説明することができる.
13週 ・流体力学(1)
・メカトロニクス(1)
・静水力学で用いる各原理を説明することができる.
・メカトロニクスの定義と効用を説明することができる.
14週 ・流体力学(2)
・メカトロニクス(2)
・流体の運動について実際の現象を例に説明できる.
・産業用ロボットの種類・分類を説明することができる.
15週 前期末試験 試験問題に対して,正しい解答を記述することができる.
16週 試験返却・解答 試験結果を確認し,解説により理解不十分な箇所を充足することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。2前2
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。2前2
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。2前2
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。2前2
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。1前2
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。1前3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。1前3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。1前3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。1前2
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。1前9
仕事の意味を理解し、計算できる。2前6
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。2前6
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。1前1
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。1前1
動力の意味を理解し、計算できる。1前6
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。1前9
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。1前9
応力とひずみを説明できる。1前9
断面が変化する棒について、応力と伸びを計算できる。1前10
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。1前10
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。1前10
振動の種類および調和振動を説明できる。1前10
熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。1前13,前14
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。1
パスカルの原理を説明できる。1
物体に作用する浮力を計算できる。1
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。1前11,前12
熱力学の第一法則を説明できる。1
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。1
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。1
熱力学の第二法則を説明できる。1
材料機械材料に求められる性質を説明できる。1前3
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。1前4,前5
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。1前6
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。1
鉄鋼の製法を説明できる。1
焼きなましの目的と操作を説明できる。1
焼きならしの目的と操作を説明できる。1
焼入れの目的と操作を説明できる。1
焼戻しの目的と操作を説明できる。1
計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。1前12
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。1前12

評価割合

試験演習課題・小テスト合計
総合評価割合6040100
基礎的能力302050
専門的能力302050