機械工学基礎

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機械工学基礎
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 わかりやすい機械工学:松尾 哲夫ほか4名著(森北出版)/日本機械学会誌(一部抜粋)
担当教員 小柴 孝

到達目標

1.機械工学の発展ついて歴史を遡って説明することができる。機械の定義を理解し、様々な機器について機械か否かを判別することができる。
2.機械に用いられる材料の特徴を理解し、使用するに至った理由を説明することができる。材料力学、熱力学、流体力学において使用する用語や諸量の単位表示、さらに簡単な計算を行うことができる。
3.力のつり合い、速度と加速度、運動の法則などを理解し、図を用いて説明することができる。各種機構の原理、効果を理解し、身近な機械などを用いて説明することができる。
4.機械に生じる振動について具体的な例を用いて説明することができる。
5.熱流体に関係した諸現象について関心を持ち、その発生原因などを考察することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械の発展を説明することができる。身近にある機器が機械か否か判別できる。機械の定義や果たした役割について説明することができる。機械の定義が理解されていない。
評価項目2機械工学で使用する用語の使用と諸量の単位表示ができる。機械材料の特徴が述べることができる。材料力学、熱力学、流体力学における簡単な計算ができる。機械工学で使用する諸量の単位表示ができる。機械材料の種類を示すことができる。簡単な計算がほぼできる。機械工学で使用する用語を知らない。単位の表示ができない。簡単な計算ができない。
評価項目3力のつり合い、速度と加速度、運動の法則を理解し、具体例や図を用いて説明することができる。各種機構の原理、効果を理解し、身近な機械などを用いて説明することができる。力のつり合い,速度と加速度,運動の法則について説明することができる.各種機構の原理,効果について説明することができる.力のつり合い,速度と加速度,運動の法則について説明することができない.各種機構の原理,効果について説明することができない.
評価項目4機械に生じる振動について具体的な例を用いて説明することができる.機械に生じる振動について説明することができる.機械に生じる振動につて説明することができない.
評価項目5熱流体に関係した諸現象について関心を持ち、その発生原因などを考察することができる。熱流体に関係した諸現象について関心を持って観察することができる。熱流体に関係した諸現象についてあまり関心を示さない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学科に入学した学生に対して,これから学ぶ各専門科目の基礎を学習する.身近にあるものから先端技術と呼ばれるものまで技術開発において機械工学の果たしてきた役割を解説しながら,これから始まる専門学習の一助となるような授業を行う.
授業の進め方・方法:
基本的に教科書を中心に授業を行うが,随時,配布資料などを利用して詳しく解説する.なお,一部,数学や物理で学習する内容を先行的に取り入れたりするが,説明に必要な部分にとどめておく.
注意点:
関連科目:機械工作実習,機械設計製図,数学,物理
学習指針:身の回りにある機器には多くの機械技術が詰まっている.授業中で学んだことを日常的に使用,利用するものの動作や原理と照らし合わせると,その理解はより深まる.
事前学習:あらかじめ講義内容に該当する部分の教科書を読み,理解できるところ,理解できないところを明らかにしておく.
事後展開学習:講義で演習プリントを配布するので自分で解き,指定する提出日に提出する.

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械工学の歴史
機械工学の発展を歴史背景に従い,説明することができる.
2週 機械の定義と構成要素 機械の定義を理解し,その判別をすることができる.
3週 材料学(1)
機械に用いる材料の種類とその機械的強度試験を説明できる.
4週 材料学(2)
金属材料の特徴を説明することができる.
5週 材料学(3)
非金属材料の特徴を説明することができる.
6週 材料学(4)
機械に使用される材料を分類することができる.
7週 前期中間試験 試験問題に対して,正しい解答を記述することができる.
8週 試験返却・解答 試験結果を確認し,解説により理解不十分な箇所を充足することができる.
2ndQ
9週 材料力学(1)
金属の引張り力と伸びの関係を応力とひずみを用いて説明することができる.
10週 材料力学(2) せん断応力や曲げ応力の発生を説明することができる.
11週 材料力学(3) ねじりや座屈など複雑現象を説明することができる.
12週 機構学(1) 対偶と節,平面運動の自由度を説明することができる.
13週 機構学(2) リンク機構の運動を説明することができる.
14週 機構学(3) 巻き掛け伝動装置の原理,歯車,カムの動作を説明することができる.
15週 前期末試験 試験問題に対して,正しい解答を記述することができる.
16週 試験返却・解答 試験結果を確認し,解説により理解不十分な箇所を充足することができる.
後期
3rdQ
1週 機械力学(1) 往復機械の回転運動と直線運動の関係を説明することができる.
2週 機械力学(2) 回転運動の釣り合いを説明することができる.
3週 機械力学(3) 振動の種類を説明することができる.
4週 機械力学(4) 振動系の運動の様子を説明することができる.
5週 機械設計(1) 許容応力と安全率の関係を説明することができる.
6週 機械設計(2) 機械要素の用途を説明することができる.
7週 後期中間試験 試験問題に対して,正しい解答を記述することができる.
8週 試験返却・解答 試験結果を確認し,解説により理解不十分な箇所を充足することができる.
4thQ
9週 熱力学(1) 資源エネルギーの種類や熱力学で扱う諸量の説明ができる.
10週 熱力学(2) 簡単な熱量の計算ができる.気体の状態変化を説明することができる.
11週 熱力学(3) 熱サイクルの説明ができる.
12週 流体力学(1) 静水学における各原理を説明することができる.
13週 流体力学(2) 流体の運動を実際の現象より説明することができる.
14週 流体力学(3) 流体機械の特徴を説明することができる.
15週 学年末試験 試験問題に対して,正しい解答を記述することができる.
16週 試験返却・解答 試験結果を確認し,解説により理解不十分な箇所を充足することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計機械設計に関する基礎用語を説明できる。3後5,後6
歯車の種類、用語、設計を理解し、説明でき、計算できる。3前14
リンクの機構を理解し、その運動を説明でき、計算できる。3前12,前13
カムの機構を理解し、その運動を説明できる。3前14
力学材料に荷重が作用した時の応力とひずみを計算できる。3前9
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。3前9
ねじりモーメントが作用する軸に生じるせん断ひずみ、せん断応力及びねじれ角を計算できる。3前10,前11
各種のはりについて、はりの任意位置におけるせん断力及び曲げモーメントを計算できる。3前10
熱流体流体の性質を表す各種物性値について理解し、流体の分類について説明できる。3後12
圧力の表示方法や静止流体の圧力分布について理解し、流体の圧力を計算できる。3後12
流体に接している面に作用する圧力による力について理解し、壁面に作用する力や静止流体中にある物体に働く力を計算できる。3後12
流体の流れの速度、流れる量、流れ状態について理解し、流体における質量保存則やエネルギー保存則を適用できる。3後13,後14
熱力学の第一法則を理解し、各種の系について、エネルギー式を適用でき、線図を用いて各種の系の仕事について説明できる。3後9,後10
理想気体の状態方程式を理解し、状態量の計算や比熱と気体定数との関係について説明できる。3後10
熱力学の第二法則を理解し、サイクルを理想気体の状態変化の式を用いて、熱機関の熱効率を計算できる。3後11
材料機械材料の種類と性質について説明できる。3前3,前6
材料の機械的性質について理解し、機械的性質を調べる各試験方法について説明できる。3前5,前9
鉄鋼の製法と炭素鋼の状態図を理解して、炭素鋼の性質を説明できる。3前4
炭素鋼の熱処理の方法を理解し、各方法の目的と操作について説明できる。3前4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力302050
専門的能力302050