微分積分Ⅰ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 微分積分Ⅰ
科目番号 0022 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 [教科書]「新版 微分積分Ⅰ 改訂版」実教出版, 岡本和夫 監修   [補助教材・参考書] 「新版 微分積分Ⅰ演習 改訂版」実教出版, 岡本和夫 監修
担当教員 安田 智之

到達目標

数学的な思考を行う場面で、できるだけ自由にものを考える素養を身に着けることを目的としています。理解度は、教科書や演習書の問題が解けるかどうかで、ある程度はかることができます。自力で解けるようになるまで繰り返し問題に取り組んで下さい。教科書の「例題」と「練習」,演習書のA問題が解け、解答が書けることが最低限の到達目標です。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1数列の一般項や和を理解して求められ,数学的帰納法による証明ができる。無限数列の極限や無限級数の収束・発散を理解して調べることができる。数列の一般項や和を求められ,数学的帰納法による証明ができる。無限数列の極限や無限級数の収束・発散を調べることができる。数列の一般項や和を求められず,数学的帰納法による証明ができない。無限数列の極限や無限級数の収束・発散を調べることができない。
評価項目2関数の極限の考え方を理解したうえで,いろいろな関数(三角関数や指数関数など)の極限および導関数の計算ができる。導関数の意味を理解したうえで,増減表(増減凹凸表)を使って関数のグラフの概形を描くことができる。いろいろな関数(三角関数や指数関数など)の極限および導関数の計算ができる。増減表(増減凹凸表)を使って関数のグラフの概形を描くことができる。いろいろな関数(三角関数や指数関数など)の極限および導関数の計算ができない。増減表(増減凹凸表)を使って関数のグラフの概形を描くことができない。
評価項目3微分の応用として近似値や速度・加速度等いろいろな量の変化率を理解して計算ができる。積分の定義を理解して,置換積分と部分積分を含む不定積分の計算ができる。微分の応用として近似値や速度・加速度等いろいろな量の変化率の計算ができる。置換積分と部分積分を含む不定積分の計算ができる。微分の応用として近似値や速度・加速度等いろいろな量の変化率の計算ができない。置換積分と部分積分を含む不定積分の計算ができない。
評価項目4定積分の意味を理解したうえで計算ができて,図形の面積や立体の体積が求められる。定積分の計算ができて,図形の面積や立体の体積が求められる。定積分の計算ができず,図形の面積や立体の体積が求められない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 窓から小石を握った手を差し出し,手のひらを開くと小石はだんだん速度を増しながら落下していきます。このとき,たとえば「2 秒後の速度」はどうやって計算すればよいのでしょうか。講義の前半では,その計算法を考え,それを一般化した微分法の考え方を学び,応用を考えます。また講義の後半では,図形の面積や体積の計算法を考え,それを一般化した積分法の考え方を学び,応用を考えます。
授業の進め方・方法:
 座学による講義が中心です。講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認します。また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消します。
注意点:
関連科目:1年次の基礎数学α,基礎数学β,3年次の微分積分Ⅱ,数学特論α,数学特論β
学習指針:微分積分法は物理や専門科目でも使われる重要な内容です。よく理解し計算ができるようにして下さい。微分積分Ⅱ,数学特論α,数学特論βで更に深く学習します。
自己学習:教科書や演習書の例題や練習問題を、考え、計算し、答案を書くことを強く勧めます。自分なりに理解出来るまで教科書とノートを見て繰り返し復習してさい。
事前学習:教科書の学習する単元の前後を見ておいてください。  
事後発展学習:講義で演習プリントを配布するので、筋道立てて解答を書き、次の授業時に提出してください。

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 数列,等差数列 等差数列の一般項と和を求めることができる。
2週 等比数列 等比数列の一般項と和を求めることができる。
3週 いろいろな数列 数列の和をΣの記号で表し,Σについての公式を利用して様々な数列の和を求めることができる。
4週 漸化式と数学的帰納法 漸化式で与えられた数列の一般項を求めることができる。また数学的帰納法を用いて命題の証明を行うことができる。
5週 無限数列の極限 等比数列をはじめとする無限数列の極限を考え、その収束と発散を調べることができる。
6週 無限等比級数 無限級数(特に無限等比級数)の収束と発散が調べられる。
7週 前期中間試験 授業の内容を理解し、試験問題に対して正しく解答できる。
8週 関数のいろいろな極限値 関数のいろいろな極限を求めることができる。
2ndQ
9週 関数の極限と連続性 いろいろな関数の極限および連続性を調べることができる。
10週 平均変化率と微分係数、導関数 平均変化率の極限として微分係数を求めることができ,さらに関数の導関数を求めることができる。
11週 関数の積・商の微分法 積と商の微分法を理解し,その公式を利用して、複雑な関数を微分することができる。
12週 合成関数と逆関数の微分法 合成関数と逆関数の微分法を理解し、その公式を利用して,複雑な関数を微分することができる。
13週 三角関数・逆三角関数の導関数 三角関数・逆三角関数の導関数を導くことができる。
14週 指数関数・対数関数の導関数,高次導関数 指数関数や対数関数の導関数を導くことができる。また、既習の関数について、第2 次以上の高次導関数が求められる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答できる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
後期
3rdQ
1週 関数の導関数と増減
曲線の接線の方程式を求めることができる。また、関数の増減表を作成し、グラフ描き、関数の極値や最大・最小を求めることができる。
2週 第2次導関数と関数のグラフ 第2次導関数を用いて曲線の凹凸を調べ、より詳細に関数のグラフを描くことができる。
3週 微分法のいろいろな応用 近似値を計算することができる。また、速度や加速度等、いろいろな量の変化率を求めることができる。
4週 不定積分 基本的な不定積分の計算を行うことができる。
5週 置換積分法 置換積分法により不定積分を計算することができる。
6週 部分積分法 部分積分法により不定積分を計算することができる。
7週 いろいろな関数の不定積分 分数関数や三角関数の不定積分を計算することができる。
8週 後期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答できる。
4thQ
9週 定積分の置換積分法 置換積分法により定積分を計算することができる。
10週 定積分の部分積分法 部分積分法により定積分を計算することができる。
11週 定積分と面積 定積分を用い曲線や直線で囲まれた図形の面積を計算できる。
12週 いろいろな図形の面積 いろいろな方程式で表される図形の面積を,定積分を用いることによって計算することができる。
13週 定積分と体積 回転体をはじめとする立体の体積を,定積分を用いることによって計算することができる。
14週 定積分と和の極限 数列の和の極限を利用して、平面図形の面積を計算することができる。また、平面の面積の計算値を、数列の和やその極限の計算に利用することができる。
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答できる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3前1,前2
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3前3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3前5
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3前6
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3前9
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前10
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3前11
合成関数の導関数を求めることができる。3前12
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前13
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3前13
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3前14
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3前14,後1
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3前14
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3前14
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3後3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3後4,後5
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3後6
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3後11,後12
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3後14

評価割合

試験課題発表相互評価態度ポートフォリオ合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力60400000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000