国語Ⅲ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 国語Ⅲ
科目番号 0036 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 〔教科書〕 『新 高等学校 現代文B』(明示書院・昨年度のものを継続使用) 〔補助教材・参考書〕「新国語便覧(新版四訂)」(第一学習社)、「常用漢字ダブルクリア」(尚文出版)、「作文・表現ハンドブック」Ⅲ・就職・進学対策(第一学習社)、その他独自補助教材。国語辞典を一冊準備しておくこと(電子辞書でもよい)。
担当教員 武田 充啓

到達目標

1.    高等学校3年生相当の漢字力や語彙力を身につけている。
2.    評論文について、筆者の意見を的確に把握し、正確に要約することができる。また、筆者の意見に対して、自身の意見を根拠をもって表現することができる。
3.    小説について、登場人物の心情の変化を読み取ることができる。また、自身の経験にひきつけて感想を述べることができる。
4.    日本の伝統的な言語文化について興味・関心を持ち、その価値に気づくことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1話し手の指示や意見を的確に聞き取り、正確にまとめることができる。 聞き手を意識しながら、自身の意見や与えられた文章を、適切な声の大きさ、明瞭な発音で、述べたり読んだりすることができる。話し手の指示や意見を的確に聞き取ることができる。 聞き手を意識しながら、自身の意見や与えられた文章を、述べたり音読したりすることができる。話し手の指示や意見を聞くことができない。 聞き手を意識せずに、自身の意見や与えられた文章を、声の大きさや発音に気を留めずに述べたり音読したりする。もしくは活動時に発言しない。
評価項目2書物や文献に対して、客観的に読解し、自身の意見を持ち、正確に表現することができる。書物や文献に対して、自身の意見を持ち、表現しようと工夫することができる。書物や文献に対して、自身の意見を表現することができない、もしくは文章表現として著しい誤りがある。
評価項目3初見の文章について、内容を理解しながらスムーズに音読することができる。初見の文章について、句としてのまとまりを意識しながら音読することができる。初見の文章について、句のまとまりを意識しながら読むことができない。
評価項目4言葉に関心を持ち、疑問に感じた言葉を即座に調べ、習得することができる。 高校卒業程度の語彙力(漢検準2級~2級程度)を有しており、適切に運用することができる。言葉に関心を持ち、疑問に感じた言葉を自主的に調べることができる。 高校在学程度の語彙力(漢検準2級程度)を有しており、適切に運用することができる。言葉に関心がなく、意味のわからない語句について調べることがない。 中学校卒業程度の語彙力(漢検3級程度)を有しており、高校在学程度の語彙を誤って運用することがある。
評価項目5日本の伝統的な言語文化について興味・関心を持ち、その価値に気づくことができる。日本の伝統的な言語文化について、興味・関心を持つことができる。日本の伝統的な言語文化について興味・関心を持ったり、その価値に気づくことができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
国語で培いたい力として大きく二つある。一つは、文章を読み、その登場人物の気持ちに共感できる力、あるいは書かれた内容を理解する力である。学修者一人一人が自身の経験にひきつけて文章を読み解くことが大切である。もう一つは、読みとった筆者の意見や主人公の気持ち、また自分の意見や感想を表現する力である。書かれた内容を真に理解していることによって、はじめて自分の言葉で表現し、説明することができる。この二つの力を養うために、「読む」「書く」「聞く」「話す」を方法的に実践する。
授業の進め方・方法:
高等学校第3学年に相当する国語の力を身につけるため、高等学校用の教科書を使用し、いろいろな文章を読んで様々な角度から物事を考える。グループ内やグループ間で話し合うこともふまえ、読みとったり考えたりした内容を言葉でまとめ、プリントやノートに文章として残していくようにする。教員の発問に口頭による回答をしたり、課題プリントに記述による回答をするだけでなく、授業時間内に要約や主題についての作文課題も適宜行う。
注意点:
関連科目
国語は、人文科学や社会科学系だけでなく、自然科学系科目の論理的思考やノートやレポートの作成とも関連する、全ての科目の基礎である。
学習指針
講義を聞いて板書内容を写すだけではなく、自身の経験にひきつけながら主体的にノートを取り、発問の答えなどを自分の言葉で表現し、書き留めることが重要である。
自己学習
まず授業を「聞く」こと、「書く」こと。授業中の発問を自分で考え、その過程を残した「わかる」ノートを作る。グループ学習でなくとも、人の発言を聞き、自分も発言することが重要である。
予習として、教科書の本文をあらかじめ読んでおき、わからない語句をチェックしておく。その上で授業を聞くようにするとよく理解できる。各単元に入る前に課題として、漢字や語句、内容の大まかな把握についての予習プリントを配付するので必ず提出すること。

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス /聞く・話す・読む・書く
評論1-①「おまえはどこに立っている」
本講義の概要・目的を、自分自身の理解力や表現力を向上させる方法に結びつけて理解することができる。
文章の構成に注意しながら評論文を読むことができる。
2週 評論1-②「おまえはどこに立っている」 評論文の論旨を的確にとらえ、実例に即して考えることができる。
3週 評論1-③「おまえはどこに立っている」 筆者の考えを自分の考えと比較しながら理解することができる。
文章を決められた字数以内で要約できる。
4週 小説1-①「マスク」 作者についての基礎知識を得ている。
小説について、受験という社会的背景を意識して読むことができる。
5週 小説1-②「マスク」 表現に注意しながら、主人公の心情を読み取ることができる。
6週 小説1-③「マスク」 小説全体の構成を確かめ、主題について考えることができる。
7週 小説1-④「マスク」
これまでの復習(語彙を中心に)
小説の主題について決められた字数以内にまとめることができる。
単元教材にある漢字が読み書きでき、語彙が理解できる。
8週 前期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
2ndQ
9週 試験返却・解説
評論2-①「あるいは『風』について」
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
評論のキーワードについて理解し、筆者の考えを読み取ることができる。
10週 評論2-②「あるいは『風』について」 筆者の芸術鑑賞体験に共感できる。
11週 評論2-③「あるいは『風』について」 筆者の個性的な論理と感性を読み取ることができる。
文章を決められた字数以内で要約できる。
12週 小説2-①「オデュッセイア」 作者についての基礎知識を得ている。
小説世界を巨視的な視点から捉えることができる。
13週 小説2-②「オデュッセイア」 人間にとっての都市の役割や住まうことの意味について考えることができる。
14週 小説2-③「オデュッセイア」
これまでの復習(語彙を中心に)
小説の主題について決められた字数以内にまとめることができる。
単元教材にある漢字が読み書きでき、語彙が理解できる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解説
評論3-①「物の見えたる光」
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
評論文を身近な問題に引き付けて考えることができる。
後期
3rdQ
1週 評論3-②「物の見えたる光」
評論文の表現に注意して読むことで、文章の全体構成を把握することができる。
2週 評論3-③「物の見えたる光」 個性的な文章を味わい、自分の美的体験について考えることができる。
3週 評論3-④「物の見えたる光」 文章を決められた字数以内で要約できる。
4週 小説3-①「怖れ」
作者についての基礎知識を得ている。
5週 小説3-②「怖れ」
小説の文体の特色をとらえることができる。
6週 小説3-③「怖れ」 小説の登場人物たちの心情を的確にとらえることができる。
7週 小説3-④「怖れ」
これまでの復習(語彙を中心に)
小説の主題について決められた字数で作文ができる。
単元教材にある漢字が読み書きでき、語彙が理解できる。
8週 後期中間試験
授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
4thQ
9週 試験返却・解説
評論4-①「『世間』とは何か」
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
評論文を身近な問題に引き付けて考えることができる。
10週 評論4-②「『世間』とは何か」 筆者の考えを自分の考えと比較しながら理解することができる。
11週 評論4-③「『世間』とは何か」
文章を決められた字数以内で要約できる。
12週 小説4-①「舞踏会」 豊かな表現を支える表現や技法について理解することができる。
13週 小説4-②「舞踏会」 小説の主題について、自分なりに考えることができる。
14週 小説4-③「舞踏会」
これまでの復習(語彙を中心に)
小説の主題について決められた字数以内にまとめることができる。
単元教材にある漢字が読み書きでき、語彙が理解できる。
15週 学年末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解説 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前2,前3,前4,前8,前10,前11,前12,前15,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後15
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前3,前4,前11,前12,前15,後5,後6,後9,後10,後11,後15
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3前5,前6,前7,後1,後2,後3,後4,後12,後13,後14,後15
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3前2,前3,前4,前8,前10,前11,前12,前15,後4,後5,後6,後7,後15
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3前5,前6,前7,前8,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後7,後12,後13,後14,後15
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前1,前4,前12,前16,後6,後11
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。2前16,後8
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前1,前4,前12,後6,後11
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前1,前4,前12,後6,後11,後15
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3前1,前4,前12,後6,後11,後15
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3前4,前12,前16,後6,後8,後11,後14
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3前3,前4,前6,前7,前11,前12,後2,後3,後5,後10
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3前4,前12,後3,後4,後11
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3前1,前4,前12,前15,前16,後4,後6,後8,後12,後14,後15

評価割合

試験提出物態度・小テスト合計
総合評価割合652510100
基礎的能力652510100
専門的能力0000
分野横断的能力0000