材料力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 材料力学Ⅱ
科目番号 0038 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 JSMEテキストシリーズ 材料力学,日本機械学会
担当教員 平 俊男

到達目標

1. 様々な断面形状を持つはり構造に対して,断面二次モーメント,断面係数を計算し,曲げ応力を求められるようになる.
2. 集中荷重,分布荷重が作用する両端支持はり,片持ちはりなどの静定はりについて,はりのたわみ曲線を求められるようになる.
3. 比較的簡単な不静定はりの問題について,重複積分法,重ね合わせ法を理解し,支点反力やたわみを求められるようになる.
4. ひずみエネルギーの概念を理解し,衝撃応力の問題を解けるようになる.また,カスチリアノの定理を理解し,不静定はりの問題などを解けるようになる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-1) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-2 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年次「材料力学I」の後半で学習したはり構造の基礎的事項について復習をした後,各種の静定はりのたわみについて学習する.後半は不静定はりおよび複雑なはりの解法とともに変形エネルギーに関する基本的事項について学習する.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.講義項目ごとに演習問題に取組み,各自の理解度を確認する.また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する.
注意点:
関連科目: 材料力学I,エネルギー基礎力学,材料学I,材料学IIなどとの関連が深い.
学習指針: 機械設計の基本となる科目であるので,確実に到達目標を習得していくこと.また,演習問題は解法を見ただけで分かった気分にならずに,自らの手を動かして理解すること.
自己学習: 到達目標を達成するためには,授業以外にも教科書の例題や演習問題を解き理解を深める必要がある.補助教材,参考書も参考にして自学・自習をすること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 はりに作用するせん断力と曲げモーメント(1) 集中荷重が作用する両端支持はり,片持ちはりのせん断力図,曲げモーメント図が描ける.
2週 はりに作用するせん断力と曲げモーメント(2) 分布荷重が作用する両端支持はり,片持ちはりのせん断力図,曲げモーメント図が描ける.
3週 断面二次モーメント(1) 円断面,矩形断面について断面二次モーメントを求められる.
4週 断面二次モーメント(2) 平行軸の定理を用いてH型断面,T型断面など,種々の断面形状について断面二次モーメントを求められる.
5週 曲げ応力 第4週までの内容を用いてはり断面に生じる曲げ応力を求められる.
6週 断面係数 曲げ応力を求める際の断面係数を求められる.
7週 前期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
8週 試験返却・補充 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.
2ndQ
9週 はりのたわみ曲線 曲げモーメントによるはりのたわみ曲線を求めるための基礎方程式を理解する.
10週 たわみの基礎方程式(1) 両端支持はり(等分布荷重)のたわみ曲線を求められる.
11週 たわみの基礎方程式(2) 両端支持はり(集中荷重)のたわみ曲線を求められる.
12週 たわみの基礎方程式(3) 両端支持はり(分布荷重)のたわみ曲線を求められる.
13週 たわみの基礎方程式(4) 片持ちはり(等分布荷重,集中荷重)のたわみ曲線を求められる.
14週 たわみの基礎方程式(5) 片持ちはり(分布荷重)のたわみ曲線を求められる.
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
16週 試験返却・補充 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.
後期
3rdQ
1週 様々なはりのたわみ曲線 集中モーメントなどが加わるはりのたわみ曲線が求められる.
2週 重複積分法による不静定はりの解(1) 重複積分法によって等分布荷重が加わる不静定はりの支点反力を求められる.
3週 重複積分法による不静定はりの解(2) 重複積分法によって集中荷重が加わる不静定はりの支点反力を求められる.
4週 重ね合わせ法(1) 重ね合わせ法によって様々な静定はりのたわみを求められる.
5週 重ね合わせ法(2) 重ね合わせ法によって簡単な不静定はりの支点反力を求められる.
6週 断面が不均一なはり 断面が不均一なはりに対してたわみ曲線,たわみを求められる.
7週 後期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
8週 試験返却・補充 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.
4thQ
9週 エネルギー法(1) 垂直応力・垂直ひずみによるひずみエネルギーを求められる.
10週 エネルギー法(2) せん断・ねじり・はりの曲げによるひずみエネルギーを求められる.
11週 エネルギー法(3) エネルギー法に基づき衝撃荷重と衝撃応力を求められる.
12週 カスチリアノ法(1) カスチリアノ法によってトラスの節点変位を求められる.
13週 カスチリアノ法(2) カスチリアノ法によってはりのたわみを求められる.
14週 カスチリアノ法(3) 曲がりはりなどのたわみをカスチリアノ法によって求められる.
15週 後期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
16週 試験返却・補充 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。3
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。3
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。3
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。3
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。3

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050