熱工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 熱工学Ⅱ
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「伝熱工学」,出版社 コロナ社,著者 丸茂栄佑,矢尾匡永,牧野州秀
担当教員 矢尾 匡永

到達目標

1.基本的な伝熱現象(熱伝導,対流,熱放射)を分類することができる.分類に基づいて,問題を解くことができる.
2.熱交換器の計算ができる.相変化を伴う熱伝達および熱放射を分類することができる.分類に基づいて,問題を解くことができる.
3.第4学年で学習した熱工学Ⅰの基礎理論および燃焼理論を基に,現代の内燃機関を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱移動現象を観察した時,そこに生じている現象を熱伝導,対流および熱放射に正しく分類できる.熱移動現象を観察した時,そこに生じている現象を熱伝導,対流および熱放射に概ね正しく分類できる.熱移動現象を観察した時,そこに生じている現象を熱伝導,対流および熱放射に分類できない.
評価項目2分類した現象をどのように解くべきか正しく計画できる.分類した現象をどのように解くべきか概ね正しく計画できる.分類した現象をどのように解くべきか計画できない.
評価項目3計画に従って、計算を実行し正しい解答を得ることができる.計画に従って、計算を実行し概ね正しい解答を得ることができる.計画に従って、計算を実行し解答を得ることができない.
評価項目4燃焼理論と熱工学に基づいて,現代の内燃機関を理解し,説明できる.燃焼理論と熱工学に基づいて,現代の内燃機関を概ね理解し,説明できる.燃焼理論と熱工学に基づいて,現代の内燃機関を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では,熱移動現象を学習する.熱移動現象や流体現象は目に見えない.目に見えないことが現象の理解を妨げている.生じている現象を客観的に観察し,的確に分類したうえで対応することが必要である.本科目では,客観的に観察し分類することを目的に,自然現象の一つである熱移動を理解する.併せて的確に対応する目的に,自然現象の支配方程式である偏微分方程式を取扱う方法を学習する.また,本科目では内燃機関の基本構造ならびに燃焼理論に基づいて,現代の内燃機関を学習する.
授業の進め方・方法:
ノート講義を基本とする.適宜,提供する演習問題を自ら解くことが,この教科の理解を助ける.また,そのことを通して,知識に偏るのではなく,常識的な素養を身に付けることが本教科の学習上重要である.
注意点:
関連科目:物理,化学,エネルギ基礎力学(3年次)
学習指針:教科書および適宜提供する演習問題を通して,理解を深めるようにして欲しい.
自己学習:教科書の章末問題を継続的に解くことが重要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱の移動形態について 熱の移動形態を分類することができる.
2週 熱伝導1 定常1次元熱伝導問題の式を導くことができる.
3週 熱伝導2 演習を通して,定常1次元熱伝導問題を解くことができる.
4週 熱伝導3 熱伝導率が理解できる.熱伝導方程式を導くことができる.
5週 熱伝導4 定常2次元熱伝導問題を,数値解析手法で解くことができる.
6週 熱伝導5 非定常1次元熱伝導問題を,数値解析手法で解くことができる.
7週 対流1 熱伝達率が理解できる.対流熱伝達が分類できる.
8週 対流2 対流熱伝達現象の支配方程式を導くことができる.
2ndQ
9週 対流3 強制対流熱伝達(境界層流れと熱伝達)問題を解くことができる.
10週 対流4 強制対流熱伝達(内部流れと熱伝達)問題を解くことができる.
11週 対流5 強制対流熱伝達(物体周りの流れと熱伝達)問題を解くことができる.
12週 対流6 演習を通して,強制対流熱伝達問題を正確に解くことができる.
13週 対流7 自然対流熱伝達問題を解くことができる.
14週 対流8 演習を通して,自然対流熱伝達問題を正確に解くことができる.
15週 前期末試験
16週 試験返却・解答 試験を見直し,理解が不十分な点を解消する.
後期
3rdQ
1週 熱交換器1 熱通過率が理解できる.簡単な熱交換器の計算ができる.
2週 熱交換器2 対数平均温度差が理解できる,標準的な熱交換器の計算ができる.
3週 相変化を伴う熱伝達1 沸騰熱伝達(プール沸騰)が説明できる.
4週 相変化を伴う熱伝達2 沸騰熱伝達(流動沸騰)が説明できる.
5週 相変化を伴う熱伝達3 凝縮熱伝達が説明できる.
6週 相変化を伴う熱伝達4 演習を通して,相変化を伴う熱伝達問題を解くことができる.
7週 熱放射1 黒体の熱放射問題が解ける.
8週 熱放射2 灰色体の熱放射問題が解ける.
4thQ
9週 熱放射3 気体の熱放射現象が説明できる.
10週 後期中間試験
11週 試験返却・解答 試験を見直し,理解が不十分な点を解消する.
12週 内燃機関1 燃焼理論の基礎と燃料について説明できる.
13週 内燃機関2 内燃機関における空燃比について説明できる.
14週 内燃機関3 ガソリン機関では,キャブレターを中心に構造を説明できる.
15週 内燃機関4 ディーゼル機関では,燃焼と燃焼室形状について説明できる.
16週 内燃機関5 最近の内燃機関の動向について説明できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる。3
フーリエの法則および熱伝導率を説明できる。3
平板および多層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。3
対流を伴う平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱通過率を計算できる。3
ニュートンの冷却法則および熱伝達率を説明できる。3
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。3
平板に沿う流れ、円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。3
黒体の定義を説明できる。3
プランクの法則、ステファン・ボルツマンの法則、ウィーンの変位則を説明できる。3
単色ふく射率および全ふく射率を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000