機械工作法Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械工作法Ⅱ
科目番号 0051 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎塑性加工学第3版 川並高雄、関口秀夫、斎藤正美ほか、森北出版
担当教員 谷口 幸典

到達目標

塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。
さらに、
材料試験法の概要と得られる知見を理解し、塑性加工を理論的に説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
塑性加工の各加工法の特徴右記に加え、簡単な例の圧延荷重の計算ができる。各種加工法について概要と特長を説明できる。各種加工法について概要と特長を説明できない。
塑性力学の基本概念右記に加え、簡単な例の相当応力の計算ができる。降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則について説明できる。降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則について説明できない。
初等解析法右記に加え、摩擦の影響を説明できる。平行平板の平面ひずみ圧縮、軸対称問題について解くことができる。平行平板の平面ひずみ圧縮、軸対称問題について解くことができない。
材料試験法右記に加え、解析結果をプレゼンできる。材料試験法の概要と得られる知見を理解し、塑性加工を理論的に説明できる。材料試験法の概要と得られる知見を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
各種工作法及び工作機械の基礎理論を理解し、工作物に対する最適の合理的工作法の選択能力及び研究能力を習得し、設計のための基礎的知識を養うことにある。ここでは、一般的な塑性加工法と塑性力学の基礎について講義するとともに、後期は塑性加工を理論的に扱うための材料試験方法について講義し、試験データを解析して結論を導く素養を身につけさせる。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.適宜、演習問題に取り組み,各自の理解度を確認する.試験や演習の解答説明において、理解が不十分な点を解消する.前期中間は定期試験により、前期末は演習問題のレポート提出により達成度を評価する。後期は定期試験を実施せず、中間は材料試験レポート、学年末はプレゼンで達成度を評価する。
注意点:
関連科目
第1、2学年 機械工作実習Ⅰ、Ⅱとの関連も深い。

学習指針
講義内容を記憶するのではなく、理解することが大切である。話しを聞きながらノートを取り理解する習慣を身に付けること。

事前学習と事後展開学習
事前学習・・・あらかじめ講義内容に該当する部分の教科書を読み、理解できるところ、理解できないところを明らかにしておく。
事後展開学習・・・適宜、演習問題に取組む。レポートでは結論を導く考察を行うため参考文献を調査しておく。

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 塑性加工の働き
塑性加工法の位置づけと特徴を説明できる。
2週 圧延① 圧延加工のプロセスと板圧延について説明できる。
3週 圧延② 形鋼などさまざまな圧延方法について説明できる。
4週 板材成形① せん断加工と曲げ加工の種類を説明できる。
5週 板材成形② 絞り加工と張出成形について説明できる。
6週 その他素形材成形 引抜き加工と押出し加工について説明できる。
7週 前期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
8週 試験返却・解答
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.
2ndQ
9週 塑性加工のトライボロジー 塑性加工における摩擦・摩耗・潤滑の問題について説明できる。
10週 塑性力学の基礎 材料力学の知識を拡張して3次元応力状態の定義を説明できる。
11週 塑性力学の基礎 降伏条件式について説明できる。
12週 塑性力学の基礎 真応力および真ひずみの定義と体積一定則について説明できる。
13週 塑性力学の基礎 フックの法則の一般化と全ひずみ理論を説明できる。
14週 塑性力学の基礎 初等解析法により問題を解くことができる。
15週 期末演習(レポート) 塑性力学の基礎について演習し、レポートを作成することができる。
16週 期末演習(レポート) 塑性力学の基礎について演習し、レポートを提出することができる。
後期
3rdQ
1週 様々な材料試験法 材料試験法の概略を説明できる。
2週 引張試験 装置の構造と実験方法を説明できる。
3週 データ解析 データを解析し、特性を説明できる。
4週 圧縮試験 装置の構造と実験方法を説明できる。
5週 データ解析 データを解析し、特性を説明できる。
6週 リング圧縮試験 試験方法を説明できる。
7週 データ解析 データを解析し、特性を説明できる。
8週 材料試験レポート提出 試験結果を総括して結論を導くことができる。
4thQ
9週 CAEによる仮想試験 CAE解析の基本事項を説明できる。
10週 CAEによる仮想試験 簡単な解析モデルを作成できる。
11週 CAEによる仮想試験 解析を実施し、結果を説明できる。
12週 CAEによる仮想試験 解析を実施し、結果を説明できる。
13週 プレゼン 発表会にて自身の解析結果を説明できる。また、他者の解析結果を理解できる。
14週 プレゼン 発表会にて自身の解析結果を説明できる。また、他者の解析結果を理解できる。
15週 プレゼン 発表会にて自身の解析結果を説明できる。また、他者の解析結果を理解できる。
16週 プレゼン 発表会にて自身の解析結果を説明できる。また、他者の解析結果を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前1,前10,前12,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
応力とひずみを説明できる。4前1,前10,前11,前12,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4前1,前10,前13,後2,後3,後4,後5,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4前1,前14,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
多軸応力の意味を説明できる。4前10,前11,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4前10,前11,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3前11,後2,後3,後4,後5,後8,後9,後10,後12,後13,後14,後15,後16
工作塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4前14,前15,前16,後4,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4前14,前15,前16,後4,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

試験・演習レポート・プレゼン合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000