1.機械構造物の設計者として、工学系知識以外に経営分析、信頼性工学や統計的分析法を学び、企業における設計者の役割および設計プロセスを具体的に表すことができる。
2.工学系設計者として習得しておく主要な機械要素として、ボルト締結理論および軸受、歯車の設計法、また加工技術として溶接法、鋼の表面処理法、腐食現象を理解する。
3.交通関係機械部品に適用される、疲労限度設計法と損傷許容設計法、および疲労安全率、線形累積被害則を適用した寿命評価、破壊力学を用いたき裂の進展挙動を求める手法を具体的に説明することができる。
4.自動車用車輪の現在の設計の仕組みとその評価方法を説明できる。
概要:
現在の設計工学は、工学系の学問のみならず経営工学、信頼性工学および統計的分析法を駆使して要求された仕様に合った製品を作り出す総合技術である。本講義では企業が取り入れている種々の合理的な設計全般を学習し、具体的な事例として自動車用車輪の設計業務を通しその設計手法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
前期は企業が取り入れている経営分析、信頼性工学および統計的分析法について学ぶと共に、機械構造物に主に用いられる機械要素部品の設計法と鋼の疲労および破壊力学について学ぶ。
後期は交通関係部品として、鉄道用輪軸と自動車用車輪を取り上げ、企業が実際に行っている疲労限度設計法、線形累積被害則による寿命評価法および破壊力学を応用した評価の事例を学ぶ。
注意点:
関連科目:
応用数学、材料力学、金属材料学などとの関連が深い。
学習指針:
今まで学んできた工学系学問以外に、経営分析、信頼性工学、統計的分析法、機械構造物の設計にとって重要な主要な機械要素部品の設計方法、疲労限度設計法、線形累積被害則を適用した寿命評価法、および破壊力学を学び総合的な設計力を理解する。
自己学習:
設計工学で学ぶ総合的な知識は物を生産するあらゆる業界で広く応用できるので、日常生活の中から具体的なテーマと解決手法を自習する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
設計の概念 |
広義の設計における担うべき役割について説明できる。
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2週 |
企業における設計 |
企業で行われている設計とは何かを説明できる。
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3週 |
設計のプロセス |
企業で行われている設計の手順と仕組みを説明できる。
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4週 |
設計で決定する事項 |
設計で何を決めるのか、どう評価するのかを説明できる。
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5週 |
法律と規格 |
設計上考慮しなければならない法律と規格を説明できる。
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6週 |
工学系以外の知識 |
設計品の品質を評価する品質工学および統計的分析手法を説明できる。
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7週 |
前期中間試験 |
授業内容を理解し試験問題に対して正しく解答することができる。
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8週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
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2ndQ |
9週 |
工学系知識Ⅰ(材料) |
機械構造物に用いられる主要な材料とその特長を説明できる。
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10週 |
工学系知識Ⅱ(表面処理等) |
鋼製品の表面硬化法、表面処理法、溶接法を説明できる。
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11週 |
機械要素設計Ⅰ(ボルト) |
ボルト締結理論について説明できる。
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12週 |
機械要素設計Ⅱ(歯車、バネ) |
歯車およびバネの設計方法について説明できる。
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13週 |
機械要素設計Ⅲ(軸受等) |
軸受、継ぎ手の設計方法について説明できる。
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14週 |
疲れ強さ |
疲労、残留応力について説明できる。
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15週 |
前期末試験 |
授業内容を理解し試験問題に対して正しく解答することができる。
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
破壊力学 |
き裂がある時のき裂の進展挙動と破壊現象を説明することができる。
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2週 |
鉄道台車の運動 |
鉄道台車の運動を説明できる。
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3週 |
鉄道用車輪、車軸の設計 |
鉄道用車輪、車軸の設計方法を説明できる。
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4週 |
自動車用車輪の運動 |
自動車用車輪の運動を説明できる。
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5週 |
自動車用車輪の設計 |
自動車用車輪の設計手順を説明できる。
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6週 |
自動車用車輪の法規と規格 |
自動車用車輪の設計において適用される法規と規格を説明できる。
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7週 |
後期中間試験 |
授業内容を理解し試験問題に対して正しく解答することができる。
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8週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
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4thQ |
9週 |
自動車用車輪の強度評価 |
自動車用車輪の強度評価方法を説明できる。
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10週 |
自動車用車輪の走行試験 |
自動車用車輪の走行試験方法を説明できる。
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11週 |
自動車用車輪の寿命 |
自動車用車輪の寿命評価方法を説明できる。
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12週 |
自動車用車輪の問題点 |
自動車用車輪の市場トラブルとは何かを説明できる。
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13週 |
自動車用車輪の対策 |
市場トラブルに対処する主要な対策を説明できる。
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14週 |
設計工学の今後 |
今後の設計工学で学ぶ知識の展望を説明できる。
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15週 |
学年末試験 |
授業内容を理解し試験問題に対して正しく解答することができる。
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 3 | |
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。 | 3 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | |
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。 | 3 | |
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 機械設計 | 標準規格の意義を説明できる。 | 4 | 前5,後6 |
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。 | 4 | 前14 |
標準規格を機械設計に適用できる。 | 4 | |
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。 | 4 | 前11 |
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。 | 4 | 前11 |
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。 | 4 | 前11 |
軸の種類と用途を理解し、適用できる。 | 4 | 前13 |
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。 | 4 | 前13 |
キーの強度を計算できる。 | 4 | |
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。 | 4 | 前13 |
滑り軸受の構造と種類を説明できる。 | 4 | 前13 |
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。 | 4 | 前13 |
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。 | 4 | 前12 |
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。 | 4 | 前12 |
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。 | 4 | 前12 |
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。 | 4 | 前12 |
歯車列の速度伝達比を計算できる。 | 4 | 前12 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。 | 3 | |
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。 | 3 | |
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。 | 3 | |
企業には社会的責任があることを認識している。 | 3 | |
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。 | 3 | |
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。 | 3 | |
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。 | 3 | |
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。 | 3 | |
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。 | 3 | |
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。 | 3 | |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。 | 3 | |
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。 | 3 | |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | |