熱工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 熱工学Ⅱ
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 〔教科書〕 「工業熱力学」,コロナ社,丸茂栄佑・木元恭司 共著 〔補助教材・参考書〕 「例題で学ぶ工業熱力学」,森北出版,著者 牧野州秀・芹澤昭示
担当教員 矢尾 匡永

到達目標

1. 各種サイクルの熱効率,出力等を求めることができる.
2. 蒸気を用いたサイクルの熱効率,成績係数等の計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1サイクルの意味を理解して熱機関の熱効率を計算でき、各サイクルの性能を比較できる.サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる.サイクルの意味が理解できない.
評価項目2蒸気の状態量の変化を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる.蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる.蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱工学の基礎となる理想気体および蒸気の性質について解説する.その利用として,各種サイクルの理論熱効率および実際の装置について説明する.これを通して,基礎の理解に基づいた実際の装置の把握を目的とする.
授業の進め方・方法:
座学による講義および課題を用いた演習を組み合わせて授業を行う.
注意点:
関連科目
物理,化学,エネルギ基礎力学(3年次)

  学習指針
適宜,提供する演習問題を自ら解くことが,この教科の理解を助ける.また,そのことを通して,知識に偏るのではなく,常識的な素養を身に付けることが本教科の学習上重要である.

  自己学習
教科書の章末問題を継続的に解くことが重要である.また,自分に合った演習問題集を購入し,問題を解くことで理解を深めるように工夫する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 理想気体のサイクル(1) 各種理論サイクルと実際の内燃機関との関連について説明できる.
2週 理想気体のサイクル(2) オットーサイクル(定容サイクル)の問題を解ける.
3週 理想気体のサイクル(3) ディーゼルサイクル(定圧サイクル)の問題を解ける.
4週 理想気体のサイクル(4) サバテサイクル(複合サイクル)の問題を解ける.
5週 理想気体のサイクル(5) ジュール・ブレイトンサイクルの問題を解ける.
6週 理想気体のサイクル(6) スターリングサイクルとエリクソンサイクルの問題を解ける.
7週 後期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.
4thQ
9週 蒸気のサイクル(1) 蒸気の性質の解説と飽和蒸気表,過熱蒸気表,モリエ線図の活用できる.
10週 蒸気のサイクル(2) 飽和蒸気表,過熱蒸気表,モリエ線図の活用し,問題が解ける.
11週 蒸気のサイクル(3) ランキンサイクルの問題を解ける.
12週 蒸気のサイクル(4) 再熱サイクルの問題を解ける.
13週 蒸気のサイクル(5) 再生サイクルの問題を解ける.
14週 蒸気のサイクル(6) 冷凍サイクルの問題を解ける.
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4
パスカルの原理を説明できる。4
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4
物体に作用する浮力を計算できる。4
定常流と非定常流の違いを説明できる。4
流線と流管の定義を説明できる。4
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4
オイラーの運動方程式を説明できる。4
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4
層流と乱流の違いを説明できる。4
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4
熱力学の第二法則を説明できる。4
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4
サイクルをT-s線図で表現できる。4

評価割合

試験演習課題学習記録合計
総合評価割合10000100
基礎的能力10000100
専門的能力0000
分野横断的能力0000