機械設計工学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 機械設計工学
科目番号 0078 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 授業用配布資料
担当教員 寺田 耕輔

到達目標

1.機械設計で必要となる弾塑性力学の基本(応力テンソル,主応力,相当応力)を説明できる。
2.塑性加工機(鍛造,圧延,プレス)設計において,弾塑性力学に関する基本仕様を設定できる。
3.電動モビリティにおける運動学の基本(走る,曲がる,止まる)を説明できる。
4.電動モビリティの構造(シャシ,パワートレイン,ボディ)を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1機械設計で必要となる弾塑性力学の基本(応力テンソル,主応力,相当応力)を説明できる。理想的な到達レベルの目安 (優)の内, いずれか2項目について 説明できる.理想的な到達レベルの目安 (優)の内, いずれか1項目以下について 説明できる.
評価項目2塑性加工機(鍛造,圧延,プレス)設計において,弾塑性力学に関する基本仕様を設定できる。 理想的な到達レベルの目安 (優)の内, いずれか3項目について 説明できる.理想的な到達レベルの目安 (優)の内, いずれか2項目以下について 説明できる.
評価項目3電動モビリティにおける運動学の基本(走る,曲がる,止まる)を説明できる。理想的な到達レベルの目安 (優)の内, いずれか2項目について 説明できる.理想的な到達レベルの目安 (優)の内, いずれか1項目以下について 説明できる.
評価項目4電動モビリティの構造(シャシ,パワートレイン,ボディ)を説明できる。理想的な到達レベルの目安 (優)の内, いずれか2項目について 説明できる.理想的な到達レベルの目安 (優)の内, いずれか1項目以下について 説明できる.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-1) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-2 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前年度の設計工学における講義内容をもとに,本講義ではより実践的な機械設計における具体例として,塑性加工機と電動モビリティを挙げて力学的見地から基本仕様の設計方法を説明する。

※実務との関係
 この科目は企業で自動車の車体の開発業務を担当していた教員が,その経験を活かし,車体製造のための塑性加工および自動車の運動特性等に関連した基本仕様の設計アイテムについて講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
配布資料を用いて講義し,基本仕様の設計に関する演習問題を出題し,その解法について解説する。
注意点:
授業で学んだことをもとに理解をさらに深めることが大切である。
設計に必要な知識であると認識し基本原理およびメカニズムについては,深く理解するように心がけること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 弾塑性力学の基本(1) 応力ベクトル、応力テンソル、モールの応力円等を説明できる.
2週 弾塑性力学の基本(2) 降伏条件(トレスカとミーゼス)を説明できる.
3週 弾塑性力学の基本(3) 弾塑性体における応力とひずみとの関係(構成式)を説明できる.
4週 塑性加工機の基本仕様(1)
~鍛造~
鍛造加工の原理とメカニズムを理解し,弾塑性力学の観点から基本仕様を設定できる.
5週 塑性加工機の基本仕様(2)
~圧延~
圧延加工の原理とメカニズムを理解し,弾塑性力学の観点から基本仕様を設定できる.
6週 塑性加工機の基本仕様(3)
~プレス~
プレス加工の原理とメカニズムを理解し,弾塑性力学の観点から基本仕様を設定できる.
7週 前期中間試験 試験問題に対して,正しい解答を記述できる.
8週 試験返却・解答 試験結果を確認し,解説により理解不十分な箇所を充足できる.
2ndQ
9週 電動モビリティの運動学(1)
~駆動と制動~
車両の駆動と制動を理解し,加速性能,登坂性能,前輪と後輪の制動配分等を説明できる.
10週 電動モビリティの運動学(2)
~旋回運動~
車両の旋回運動を理解し,アッカーマンジオメトリ,車体スリップ角等を説明できる.
11週 電動モビリティの運動学(3)
~車両運動特性~
車両のステア特性,スタビリティファクター,スタティックマージン等を説明できる.
12週 電動モビリティの構造(1)
~シャシ~
サスペンション,タイヤ,ブレーキ等について説明できる.
13週 電動モビリティの構造(2)
~パワートレイン~
バッテリー,モータ,電装品等について説明できる.
14週 電動モビリティの構造(3)
~ボディ~
モノコック構造,フレーム,ボディ,艤装等について説明できる.
15週 前期末試験 試験問題に対して,正しい解答を記述できる.
16週 試験返却・解答 試験結果を確認し,解説により理解不十分な箇所を充足できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格の意義を説明できる。4
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4
標準規格を機械設計に適用できる。4
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。4
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。4
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。4
軸の種類と用途を理解し、適用できる。4
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。4
キーの強度を計算できる。4
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。4
滑り軸受の構造と種類を説明できる。4
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。4
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。4
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。4
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。4
歯車列の速度伝達比を計算できる。4
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度小テストその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000