応用制御工学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用制御工学
科目番号 0093 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「制御工学 技術者のための,理論・設計から実装まで」,実教出版, 豊橋技術科学大学・高等専門学校制御工学教育連携プロジェクト 編/プリントを適宜配布
担当教員 酒井 史敏

到達目標

1. システムの状態方程式を導出することができる.状態方程式と伝達関数との関係を理解し,相互に変換することができる.システムの可制御性と可観測性を判別することができる.システムの時間応答を求めることができ,システムが安定であるための必要十分条件を説明することができる.

2. 状態フィードバックの構成を理解し,状態フィードバックゲインを設計することができる.最適制御に用いる評価関数の意味を説明することができる.状態オブザーバの必要性について理解し,オブザーバゲインの設計することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1システムの運動方程式を状態方程式で表現することができる.状態方程式と伝達関数との関係を理解し,相互に変換することができる.可制御性と可観測性の概念を理解し,可制御性と可観測性を判別することができる.システムの時間応答が零入力応答と零状態応答の和で表されることを導出することができ,システムが安定であるための必要十分条件との関係について説明することができる.システムの運動方程式を状態方程式で表現することができる.状態方程式と伝達関数を相互に変換することができる.システムの可制御性と可観測性を判別することができる.システムの時間応答を求めることができる.システムの安定性を判別することができる.システムの運動方程式を状態方程式で表現することができない.
評価項目2状態フィードバックの構成を理解し,状態フィードバックゲインを設計することができる.最適制御に用いる評価関数の意味を説明することができる.状態オブザーバの必要性について理解し,オブザーバゲインの設計することができる.状態フィードバックゲインを設計することができる.オブザーバゲインの設計することができる.状態フィードバックゲインおよびオブザーバゲインの設計ができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-1) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-2 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
制御工学で学ぶ古典制御ではシステムの伝達関数表現を用いるのに対し,現代制御では,システムの内部状態を記述する状態方程式を用いる.本講義では状態方程式に基づく制御系解析・設計論について学習する.物理法則から状態空間表現を導くことから始め,安定性や可制御・可観測性の判別法などの解析論,極配置問題,最適制御問題,状態オブザーバなどの設計論を簡単な具体例を通じて学ぶ.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認する.また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する.
注意点:
関連科目
 制御工学,振動工学などとの関連が深い.
学習指針
 数学的な取り扱いが多いが,各自の様々な経験や身近な体験を通して説明できるまで理解することが重要である.
事前学習
 あらかじめ教科書で授業内容に該当する箇所を予習し,理解できるところ,理解できないところを明らかにしておくこと.
事後展開学習
 授業で配布した演習問題を解き,教科書の章末問題にも取り組むこと.

学修単位の履修上の注意

到達目標を達成するためには,授業以外にも教科書の例題や演習問題を解き理解を深める必要がある.関連する図書も参考にして自学・自習をすること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 現代制御理論の概要 古典制御理論と現代制御理論の違い,制御目的について説明することができる.
2週 状態方程式の導出 物理法則から導出した運動方程式を状態方程式で表現することができる.
3週 状態方程式と伝達関数 状態方程式と伝達関数との関係を理解し,相互に変換することができる.
4週 可制御性と可観測性 可制御性および可観測性の意味を理解し,可制御性および可観測性を判別することができる.
5週 システムの時間応答 状態方程式の解および遷移行列を求めることができる.
6週 システムの安定性 状態方程式で記述されるシステムが安定であるための必要十分条件を理解し,システムの安定性を調べることができる.
7週 状態フィードバック(1) 状態フィードバックの構成について説明することができる.
8週 後期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
4thQ
9週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.
10週 状態フィードバック(2) 極配置を用いて状態フィードバックゲインを求めることができる.
11週 最適制御(1) 評価関数に基づく状態フィードバックゲインの設計方法について説明することができる.
12週 最適制御(2) 評価関数を最小化する状態フィードバックゲインを設計することができる.
13週 同一次元オブザーバ 同一次元オブザーバの構成を理解し,オブザーバゲインを設計することができる.
14週 オブザーバベースコントローラ 状態オブザーバで推定された状態変数を用いた状態フィードバック制御について説明することができる.
15週 制御系設計演習 状態方程式を用いた制御系を設計することができる.
16週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4後1

評価割合

試験演習・レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100