機械設計工学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機械設計工学
科目番号 0095 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 篠原:SolidWorksによるCAE教室、コロナ社
担当教員 谷口 幸典

到達目標

1.金属材料の降伏に関する基本的な計算ができる.
2.座屈に関する基本的な計算ができる.
3.軸と軸継手,および内外圧を受ける円筒に関する簡単な設計ができるとともに,応力集中に関する基本概念を説明できる.
4.デジタルものづくりの概要を理解し、基礎的な内容を実践できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1弾性構成式および降伏条件式を用いた計算ができる.弾性構成式および降伏条件式について説明できる.弾性構成式および降伏条件式について説明できない.
評価項目2座屈公式を用いた計算を正しくできる.座屈公式について説明できる.座屈公式について説明できない.
評価項目3右記に加えて,応力集中に関する基本概念を説明できる.軸と軸継手,およびキーの設計ができる.軸と軸継手,およびキーの設計ができない.
評価項目4右記に加えて,デジタルものづくりに対応した基本的な設計作業ができる.デジタルものづくり手法について説明できる.デジタルものづくり手法について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-1) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-2 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
材料強度計算に関する基本知識として弾塑性力学および座屈の基本について説明するとともに,基本要素形状の強度や変形の計算方法について学ぶ.また,機械部品の破損発生に深く関わる応力集中の基本知識について説明する.学ぶ事項を通じて,設計ミスが機械や構造物の破壊に直結することを実感し,設計製作作業に責任をもって取り組む素養を身につける.後半はデジタルものづくりについて簡単な実践までを行い基礎素養を身につける。
授業の進め方・方法:
配布資料を用いて講義し,演習問題を出題し,その解法について解説する。後半はデジファブ機器について実物を確認し、簡単な操作~ものづくり実践までを試行する。
注意点:
関連科目
物理(力学),材料学など,固体の力学が関連する科目
学習指針
講義内容はこれまでに学んだ設計製図や材料力学の知識に基づくため,自己学習としてそれら知識の復習を行うこと.
事前学習
あらかじめ授業計画に記載されている事項について配布資料もしくは指示された既存教科書の事項を読み、理解できるところ、理解できないところを明らかにしておく
事後展開学習
授業中に解説された演習問題や、適宜配布される演習課題を解いて提出する。

学修単位の履修上の注意

デジタルものづくりについて修得すべきスキルのルーブリックを配布するので、自己評価、改善のサイクルを実行すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 弾塑性力学の基本(1) 応力とひずみの定義を説明でき,弾性構成式を用いて簡単な計算ができる.
2週 弾塑性力学の基本(2) 真応力,真ひずみ,体積一定則,および変形抵抗曲線が説明できる.
3週 弾塑性力学の基本(3) 相当応力および降伏条件式が説明でき,金属材料の降伏に関する計算ができる.
4週 軸の設計 機械要素としての軸の強度と変形について説明でき,軸の設計ができる.
5週 締結要素 キーの種類について説明でき,キーの強度を計算できる.また,軸継手の種類と用途について説明でき,伝達トルクに基づいた設計ができる.
6週 応力集中 応力集中について説明でき,円孔を有する平板に生ずる最大応力を計算できる.
7週 授業内試験 試験問題に対して,正しい解答を記述できる.
8週 中間試験
4thQ
9週 試験返却・解答 理解が不十分な項目を確認・理解できる.
10週 デジタルものづくり(1)
概要、実機見学
デジファブ機器の概要を理解できる
11週 デジタルものづくり(2)
データ作成方法
デジファブ機器に対する入力データを作成できる
12週 デジタルものづくり(3)
CAE手法
デジファブ機器を用いたものづくりに対するCAE設計手法の概要を理解できる
13週 デジタルものづくり(4)
材料データ取得
デジファブ機器を用いたものづくりに対する基礎的な設計(材料データ取得を含む)を実践できる
14週 デジタルものづくり(5)
加工実践
デジファブ機器を用いたものづくりによる基本的な加工を実践できる
15週 レポート作成 デジタルものづくり実践結果についてレポートを作成できる。
16週 レポート作成返却 理解が不十分な項目を確認・理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4後6
標準規格を機械設計に適用できる。4後4,後5
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。4後4,後5
キーの強度を計算できる。4後4,後5
力学許容応力と安全率を説明できる。4
多軸応力の意味を説明できる。4
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4
工作降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4後1,後2,後3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力603090
分野横断的能力01010