地球惑星物理

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 地球惑星物理
科目番号 0005 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 地学基礎 (啓林館)、地学基礎の基本マスター (啓林館)
担当教員 榊原 和彦

到達目標

1. 宇宙の中の惑星として地球があり、その外観と地表の環境がプレート活動や地震,火山活動から作られたことを理解する。
2. 地球表層の大気のシステムと海洋のシステムを理解する

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1宇宙の構造や地球の構造を知り、その特徴が物理的プロセスから説明できることを理解し、さらにそれらを数値的な計算で確認することができる。宇宙の構造や地球の構造を知り、その特徴が物理的プロセスから説明できることを理解する。宇宙の構造や地球の構造を知らず、その特徴が物理的プロセスと関連していることも理解できない。
評価項目2人類の生活環境である地球表面の構成とその変化を知り、その特徴が物理的プロセスから説明できることを理解し、さらにそれらを数値的な計算で確認することができる。人類の生活環境である地球表面の構成とその変化を知り、その特徴が物理的プロセスから説明できることを理解する。人類の生活環境である地球表面の構成とその変化を理解できない。またその特徴が物理的プロセスと関連していることも理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
近年の急激に進歩した技術は、我々の生活の隅々に入り込み個人の能力を飛躍的に増大した。しかしながらその一方で、それらの技術は「ブラックホボックス化」し、その真の姿(原理)が見えにくくなっている。そのため、このような時代・世界においては、技術者が責任ある行動や決断を行うために、背景にある科学的原理を理解する事によって自分自身の理解力、洞察力を高めることが必要となる。「地球惑星物理」は、我々が生存する環境(地球・宇宙)を理解するための基礎となると同時に、科学を理解するための基本的方法を学ぶことを目的としている。具体的には、
(1)自然と環境の性質を知識と数式によって理解すること:数理的理解
(2)物理学を理解することで自然界のいろいろな現象を統一的に説明できること:普遍性の理解
を得ることを目的とする。そのためには、「科学を理解すること」が単なる問題の解答を見つける能力と異なる事を認識し、創発的思考や、自ら間違いを訂正する能力を訓練してもらいたいと考えている。
授業の進め方・方法:
この授業では、実際にものを見ることに重点を置き,普段の生活では実感することが難しい宇宙や地球といった巨大な対象について視聴覚教材を用いて「理解する」することを目的とする。受け身にならないよう授業中にプリントを配布し、また口頭で質問を投げかけるので、それに答えられるように授業の内容を「理解」していくことを重視して欲しい。なお、講義内容は予定であり、学生の理解度を考慮して変更する可能性があることに留意すること。
注意点:
関連科目 数学
事前学習 あらかじめ講義内容に該当する部分の教科書を読み、理解できるところ、理解でき ないところを明らかにしておく。
事後展開学習 進度に合わせ、教科書の問題や問題集を自学・自習で解いておくこと。

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション 講義方法、授業方法、成績評価方法の説明を理解する。また、科学的表記法を理解する。
2週 測定と有効数字 科学の手法と測定の意味が理解でき、有効数字を用いた計算ができる。「変位」と「速度」の概念を理解し、簡単な計算を行う。
3週 太陽系と地球 太陽系を構成する惑星の中に地球型と木製型の惑星があり、また月は地球の衛星であることを理解する。(5,6,9)
4週 地球の誕生と構造 地球の誕生の様子と、そこから導かれる構造を理解・説明できる。(18,19)
5週 地球内部の動き 地球の内部構造の知識から、プレートテクトニクスや火山の仕組みを理解・説明できる。(20,21)
6週 地震のメカニズム1 プレート境界で起こる地震の原因と性質を理解・説明できる。(22,23)
7週 地震のメカニズム2 活断層で起こる地震の原因と性質を理解・説明できる。(24)
8週 前期中間試験 問題を解答することができる。理解が不十分な点を解消する。
2ndQ
9週 大気の構造2 大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。また、大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。 (27,28)
10週 大気の大循環 大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。(29,30,31)
11週 海水とその運動 海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。(32)
12週 地球環境の考え方 地球の炭素循環システムを理解し、その説明ができる。(38)
13週 気象と海 海と気象の関係を理解し、エルニーニョ現象や高潮などを説明できる。(33)
14週 地球と人間 地球温暖化の問題点、原因と対策について理解する。(39)
15週 宇宙の始まりと元素合成 万有引力、ビッグバン宇宙、元素の合成を理解し説明できる。(1)
16週 前期末試験 問題を解答することができる。理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。3前3,前15
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。3前4,前9,前11
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。3前4,前5
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。3前4,前5,前6
マグマの生成と火山活動を説明できる。3前5,前6
地震の発生と断層運動について説明できる。3前5,前7
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。3前5,前6
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。3前6
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3前9
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3前9
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3前10
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3前11,前13
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3前12,前14

評価割合

定期試験課題、レポート、その他合計
総合評価割合5050100
基礎的能力5050100