概要:
自然が示す様々な現象には一定の規則性があります。多彩な現象の背後にある法則を探求するのが自然科学で、その基礎となっているのが物理学です。物理を学習する目的は、様々な現象を貫く基本法則や物理概念を記述する数理公式を見いだし、自然の仕組みを系統的に理解することといえます。また科学技術の進展は私たちに多くの恩恵をもたらしている反面、人類の生存に関わる負の遺産も作り出していることにも着目し、科学的なものの見方・考え方を基にした「自然との共生」という視点も重視して講義します。
授業の進め方・方法:
中学理科と違い、物理は暗記科目ではなく、自然現象を論理的に考察して基本法則を見出し、その法則を数理的手法で表現する、すなわち“考える”学問です。物理現象を記述する概念や公式は多くの工学専門分野で使われる「共通語」になります。適宜皆さんに発問しながら授業を進めますので、「よく聞いてよく考え」ながら授業に臨んでください。また、授業のあった日は必ず復習を欠かさないようにし、疑問点は早めに解決してください。実験室は常に皆さんに開放して可能な限り質問に応えるようにしています。物理は自然の背後に隠された謎を解き明かしていくロマンに溢れた学問です。常に「なぜ」と問う気持ちを大切にして謎解きの楽しさを味わってください
注意点:
関連科目
数学は必修です。物理で学ぶ原理・法則は殆どの工学系の専門科目で応用されていきます。
学習指針
授業進度に合わせて教科書の問題や問題集を利用して自学・自習すること。
講義内容は予定であり、学生の理解度を考慮して多少の変更をする可能性があります。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | |
運動の法則について説明できる。 | 3 | |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |