国語Ⅲ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 国語Ⅲ
科目番号 0017 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 自作のプリントを利用する
担当教員 千葉 幸一郎

到達目標

1. 古典において、既習の文法的知識を基に適宜古語辞書を利用しながら、作品を正確に解釈し鑑賞することができる。
2. 現代文において、一言一句の意味や文章の展開などを正確に読み取りながら、随筆および詩歌では筆者や作者の独自なものの見方・感じ方について、小説では作中人物の心情や思想について、自分なりの捉え方や考え方を持つことができる。なお、小説は授業内で扱わず、長期休暇の課題とする予定である。
3. 百人一首において、五十首のうち十首以上暗唱できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1古典を読解する上で必要となる高度な知識を理解した上で、作品を味読することができる。古典を読解する上で必要となる一般的な知識を習得し、古典に親しむ素地を作ることができる。古典を読解する上で必要となる最低限の知識すら習得することができず、古典に親しむこともできない。
評価項目2評論や随筆を通して筆者の主張を正確に読み取り、それに対する自分の考えを的確に表現することができる。評論や随筆を通して筆者の主張を正確に読み取りることができる。評論や随筆を通して筆者の主張を正確に読み取ることができない。
評価項目3百人一首の前半50首をすべて暗唱し、また歌の調べやその表現している世界を楽しむことができる。百人一首の前半50首のうち半分以上を暗唱し、カルタ取りを楽しむことができる。百人一首の前半50首のうち10首未満しか暗唱できず、カルタ取りを楽しむことができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
奈良は古代より「日本」文化の中心であった。したがって、奈良の地を舞台とした文芸作品が数多く作られている。本授業は、古代より近代に至る奈良の地を舞台とした著名な文芸作品を講読することにより、言葉に親しみ、私たちが学ぶ奈良の地について概観することを主眼とする。
授業の進め方・方法:
基本的にグループ活動を通して本文を講読・解釈・鑑賞する。また、授業の冒頭で1回あたり2首ずつ百人一首の歌を全員で複数回音読し、暗唱できるよう努める。
注意点:
関連科目: 国語I、国語II、歴史I、人文科学特論
学習指針: 授業の前にテキストを一読し、分からない語句等があれば事前に調べておくこと。また、テキストを通して触れた筆者や作者に関心が湧いたら、他の著書に当たり積極的に読書範囲を広げるよう努めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 神武東征(古事記)(1) 本文を流暢に読み、話し合いでグループとしての口語訳を作成できる。
2週  〃 (2) グループで口語訳を発表し合い、正確な解釈を理解できる。
3週 万葉集の中の奈良(1) 歌を閊えることなく音読し、気に入ったものを選択することができる。
4週  〃 (2) 選択した歌を正確に解釈し、クラスメイトに示すことができる。
5週 筒井筒(伊勢物語)(1) 本文を流暢に読み、話し合いでグループとしての口語訳を作成できる。
6週  〃 (2) グループで口語訳を発表し合い、正確な解釈を理解できる。
7週 前期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
8週 試験返却・解説 試験問題を見直し、正しい解答を理解できる。
2ndQ
9週 猿沢池(大和物語と宇治拾遺物語)(1) 本文を流暢に読み、話し合いでグループとしての口語訳を作成できる。
10週  〃 (2) グループで口語訳を発表し合い、正確な解釈を理解できる。
11週 南都炎上(平家物語)(1) 本文を流暢に読み、話し合いでグループとしての口語訳を作成できる。
12週  〃 (2) グループで口語訳を発表し合い、正確な解釈を理解できる。
13週 歌の中の奈良[古典編](1) 和歌を閊えることなく音読し、気に入ったものを選択することができる。
14週  〃 (2) 選択したものを正確に解釈し、クラスメイトに示すことができる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解説 試験問題を見直し、正しい解答を理解できる。
後期
3rdQ
1週 近代詩の中の奈良(1) 詩を閊えることなく音読し、気に入ったものを選択することができる。
2週  〃 (2) 選択した詩を正確に解釈し、クラスメイトに示すことができる。
3週 和辻哲郎『古寺巡礼』(1) 文章の大意を掴み、各段落のつながりや展開を理解できる。
4週  〃 (2) 段落ごとに文脈を理解し、文意を正しく捉えることができる。
5週 亀井勝一郎『大和古寺風物誌』(1) 文章全体の大意を掴み、各段落のつながりや展開を理解できる。
6週  〃 (2) 段落ごとに文脈を理解し、文意を正しく捉えることができる。
7週 後期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
8週 試験返却・解説 試験問題を見直し、正しい解答を理解できる。
4thQ
9週 堀辰雄『大和路』(1) 文章全体の大意を掴み、各段落のつながりや展開を理解できる。
10週  〃 (2) 段落ごとに文脈を理解し、文意を正しく捉えることができる。
11週 百人一首大会/歌の中の奈良[近代編](1) 少なくとも1枚は取り札を取ることができる。また、短歌・俳句を閊えることなく音読し、気に入ったものを選択することができる。
12週  〃 (2) 選択したものを正確に解釈し、クラスメイトに示すことができる。
13週 志賀直哉「奈良」(1) 文章の大意を掴み、各段落のつながりや展開を理解できる。
14週 〃(2)/落語の中の奈良 段落ごとに文脈を理解し、文意を正しく捉えることができる。また、桂米朝「鹿政談」を視聴し、内容およびオチを理解することができる。
15週 学年末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解説 試験問題を見直し、正しい解答を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。3
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。3
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。3
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。3
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。3
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。3
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。3
代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。3
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。2
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。3
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。2
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。3
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。3
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。3
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000