電磁気学Ⅰ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電磁気学Ⅰ
科目番号 0028 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「新装版 電気磁気学 その物理像と詳論」,森北書店,小塚 洋司
担当教員 藤田 直幸

到達目標

1.クーロンの法則を理解し,電荷の間に働く力の計算ができるようになる。
2.電界の定義を理解し,点電界の作る電界の計算が出来るようになる。
3.ガウスの法則を理解し,ガウスの法則を使って電界の計算が出来るようになる。
4.理想導体について理解し,電気力線の分布などが描けるようになる。
5.電位の定義を理解し,電位の計算が出来るようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目安(可)
評価項目13つ以上の電荷が1つの電荷におよぼす力の大きさを計算することができる。2点の電荷が1つの電荷におよぼす電荷を力を計算することができる。クーロンの法則を書くことができ、2点の電荷の間に働く力を求めることができる。
評価項目23つ以上の電荷が作る電界の大きさを計算することができる。2点の電荷が作る電界を計算することができる。電界の定義を書くことができる。
評価項目32つ以上の導体に分布する電界を計算することができる。球、円柱、平板の面上に分布する電荷が作る電界を計算することができる。ガウスの法則を書くことができる。
評価項目4 導体が作る電気力線を描くことができる。点電荷が作る電気力線を描くことができる。理想導体の定義を描くことができる。
評価項目5複数の導体が作る電位や、電界と電位の関係を計算することができる。点電荷が作る電位の計算や単純な導体が作る電位が計算できる。電位の定義式を書くことができる。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電磁気学の導入科目であり,静電界を中心とした電磁気現象を学ぶ。電気回路、電気機器、通信、電力、電子デバイス、電子物性等の電気電子工学のすべての分野において、電磁気現象が利用されており、電気電子系技術者にとって、電磁気学を理解することは必須である。本講義では、クーロンの法則、電界、電位について,定義や物理的な意味について身につける。また、例題を解くことで、これらの諸量を求める方法(ガウスの法則など)を身につける。
授業の進め方・方法:
学生は、自らが学ぶ力がある。その力を発揮してこそ、真の実力がつく。この授業では、学生が主体的、能動的に学ぶアクティブラーニング形式で授業を展開する。そのため学生同士の「学びあい」を大切にする。自習プリントを使って、「聞きあう」、「教えあう」という姿勢で学び合いを行う。教員からの解説は、最低限に留め、学生が主体的な学びができるようにサポートすることを教員の役割とする。授業は,自習プリントを使って進行し,教員は簡単な解説を行う.自宅での予習・復習が授業の前提になっており,自宅での自己学習は,アクティビティーノートに記録すること。
注意点:
関連科目 
本科目は、情報ソフト系科目を除く、電気工学科のすべての科目と関連が深い。

学習指針 
電磁気で扱う諸量について,その相互関係なども含め理解すること。数式を使ってもモデルを解いていくので,必要な数学の知識を身につけることが必要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電磁気学Iの位置づけ 講義の概要、電磁気学Iの位置づけについて説明できる。
2週 クーロンの法則(1) クーロンの法則についてどのようなものかを説明できる。
3週 クーロンの法則(2) クーロンの法則で力のベクトルについての計算式を導出することができ,それを使って点電荷の間の力が計算できる。
4週 クーロンの法則(3) 3つ以上の点電荷の間に働く力の合成ついて理解し,計算できる。
5週 電界の計算(1) 電界の定義が説明でき,点電荷が作る電界を計算できる。
6週 電界の計算(2) 2つの点電荷作る電界を計算することができる。電気力線の定義が説明でき,描くことができる。
7週 演習問題 クーロンの法則と電界の計算の演習問題を通じて,複雑な計算問題が計算できるようになる。
8週 ガウスの法則(1) ガウスの法則について説明ができ,それを使って球導体の電界が計算できる。
4thQ
9週 ガウスの法則(2) 円筒導体の電界,平板の電界の計算ができる。
10週 理想導体の性質 理想導体の性質,静電誘導が説明でき,2つ以上の導体の間の電気力線を描くことができる。
11週 ガウスの法則(3) ガウスの法則を使って2つ以上の導体の回りの電界が計算できる。
12週 電位の計算(1) 電位の定義について説明ができ,点電荷の周り電位が計算できる。
13週 電位の計算(2) 導体の周りの電位が計算できる。
14週 電位の計算(3) 電位と電界の関係が計算できる。
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・正答解説 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3後2,後3,後4,後7
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3後5,後6,後7,後12,後14
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3後8,後9,後11
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3後10

評価割合

試験課題合計
総合評価割合85150000100
クーロンの法則、電界の計算400000040
ガウスの法則、電位の計算450000045
主体的に学ぶ力015000015