環境工学概論

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 環境工学概論
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 花木啓祐・ほか14名「環境工学基礎」(実教出版) / 適宜プリントを配布
担当教員 土井 淳

到達目標

 本科目は電気工学科の環境系科目の一環として、1年で学んだ「環境リテラシ」を受け、5年で学ぶ「環境エネルギー工学」、「環境エレクトロニクス」へとつなげていくための基礎知識を教授するものである。現在の私たちの豊かな生活は、エネルギー・資源の大量の消費によってもたらされて来たが、一方で環境の劣化を招き、地球規模の環境問題が深刻化している。このような状況を克服し、将来的に人類が持続可能な低炭素社会を構築して行かねばならない。そこには電気工学の役割貢献が期待されており、それに応えていくための基礎知識を教授する。
・こんにちの環境問題の本質を把握できること
・地球温暖化のメカニズムとエネルギーの利用技術を理解できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 こんにちの環境問題の背景として、「資源循環」「地球環境」「気候変動」の基礎について俯瞰的に学習する。次いで、最も重要な地球規模の環境問題とされている地球温暖化と、これと密接にかかわるエネルギーの利用について学習する。さらに、地球温暖化対策として求められている省エネルギーの取り組みについて学習する。
 学習した知識を身近な環境問題として実際に活用・体験するための実習を設け、報告書の作成および発表を行う。
授業の進め方・方法:
 講義は教科書および配布プリント(補足資料および演習問題)により行う。
 また、5・9・12・14週の4回は班実習および学生発表による授業を行う。定められた期日までに、割り当てられたテーマの報告書を作成し、提出しなければならない。
注意点:
関連科目
 1年 環境リテラシ  5年 環境エネルギー工学、環境エレクトロニクス
学習指針
 かつての公害対策から持続可能な社会の構築へと技術者の役割が拡大し、あらゆる技術分野において環境工学の基礎が必要とされている。日頃から環境問題のニュースや情報に関心を持って、授業に臨んで欲しい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境工学の基礎を学ぶにあたって・講義 環境工学の範囲は広く、工業のすべての分野がかかわりを持つことや技術者の使命が大きいことを理解する。
2週 地球の成り立ち(資源循環)・講義 地球や大気、生命の誕生過程を知り、地球の構造や物質が地球上を循環するしくみを理解する。
3週 地球上の資源(資源循環)・講義 エネルギー資源や鉱物資源、生物資源、水資源について、それぞれが有する特徴と現状について理解する。(第5週の実習課題の説明)
4週 社会と環境の歴史(地球環境)・講義 世界や日本の社会が経験してきた公害や環境問題の歴史と、その解決に向けた国際的な取り組みや条約について理解する。
5週 調べてみよう①「地球の資源と世界の国々」・課題発表 資源や環境に関する指標について調べ、これらを国際比較することで世界の資源と環境問題について考えてみる。
6週 地球温暖化とその影響(気候変動)・講義 地球温暖化のメカニズムや温室効果ガスの種類と発生源についての知識を身につけ、温室効果ガスの増加と地球の平均温度の推移との関係のほか、温暖化の将来予測と適応策についても理解する。(第9週の実習課題の説明)
7週 エネルギーの利用技術と地球温暖化対策(省エネ)・講義 一次エネルギーと二次エネルギーの定義を理解し、各エネルギー資源の特徴や利用技術についての知識を有し、低炭素社会に向けての取り組みについて理解する。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 調べてみよう②「エネルギー消費と二酸化炭素排出量」・実習及び発表 生活でのエネルギーの使われ方について調べ、エネルギー消費にともなう二酸化炭素の排出量を求め、エネルギーや資源の節約と二酸化炭素排出量の削減について考えてみる。
10週 廃棄物の処理技術と管理(資源循環・省エネ)・講義 廃棄物の収集・運搬から処理および処分までの一連の流れと具体的な方法を知り、製品のライフサイクルと3Rとの関係について理解する。(第12週の実習課題の説明)
11週 大気汚染の現状と対策(地球環境)・講義 大気汚染物質の種類と特徴および環境基準を理解し、排出ガスから汚染物質を除去する技術や排出ガスの規制についての知識を身につける。
12週 調べてみよう③「廃棄物の処理とリサイクル」・課題発表 清掃工場やリサイクル工場などの廃棄物の処理や資源化のしくみを調べ、ごみとリサイクルの問題について考えてみる。(第15 週の実習課題の説明)
13週 省エネルギーの取り組み(省エネ)・講義 省エネ法やトップランナー基準と省エネルギーラベリング制度による製品の省エネルギー推進の内容を理解する。住宅におけるエネルギーや資源の消費について理解する。
14週 調べてみよう④「家電製品の電力測定」・実習及び発表 家庭で使用している家電製品の消費電力を測定して、消費電力を減らす方法を考えてみる。
15週 都市システムと環境(省エネ)・講義 部門別エネルギー消費やヒートアイランド現象、水処理、交通システムについて,各々の現状や環境対策技術を理解する。
16週 環境保全に向けたさまざま取り組み・講義 地域の環境保全を推進するに当たって,まちづくりや地域づくりの重要性を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000