電気回路演習

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 電気回路演習
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜プリントを配布する。
担当教員 池田 陽紀,關 成之

到達目標

 1.合成抵抗の計算,Δ-Y変換を利用して、回路を自在に置き換えることができる。

 2.キルヒホッフの法則、重ねの理を利用して、複雑な回路網の計算ができる。

 3.鳳-テブナンの等価回路、ノートンの等価回路を求め、これを利用して回路の計算ができる。

 4.直流回路での電力計算ができる。

 5.交流を三角関数とベクトルで表現し、複数の交流電圧(電流)を合成することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (回路の置き換え)合成抵抗の計算やΔ-Y,Y-Δ変換等を用いてあらゆる回路を簡単な回路に自在に置き換えることができる。合成抵抗の計算やΔ-Y,Y-Δ変換等を用いて基本的な回路を置き換えることができる。合成抵抗の計算やΔ-Y,Y-Δ変換による回路の置き換えができない。
評価項目2 (回路網の計算)あらゆる回路において,自らループ等を定め,キルヒホッフの法則や重ねの理を用いて回路網の計算が正確におこなえる。基本的な回路において,自らループ等を定め,キルヒホッフの法則や重ねの理を用いて回路網の計算が正確におこなえる。キルヒホッフの法則や重ねの理を用いて回路網の計算ができない。
評価項目3 (等価回路の利用)複雑な回路において鳳-テブナンの等価回路,ノートンの等価回路を求めることができ,回路を簡単化して回路網の計算を正確におこなうことができる。鳳-テブナンの等価回路,ノートンの等価回路を求めることができ,これを利用して回路網の計算を正確におこなうことができる。鳳-テブナンの等価回路,ノートンの等価回路を求めることができない。
評価項目4 (電力・電力量)電力・電力量の定義が説明でき,直流回路における電力・電力量の計算がでる。熱などへのエネルギーの変換が自在にできる。電力・電力量の定義が説明でき,直流回路における電力計算ができる。電力・電力量の定義が説明できず,直流回路における電力計算ができない。
評価項目5 (交流の基礎)波形から交流電圧・電流の要素(振幅,実効値,周波数など)を読み取り,式やベクトルで表現することができ,その逆もできる。さらに,ベクトルを用いて複数の電流・電圧の合成ができる。波形から交流電圧・電流の要素(振幅,実効値,周波数など)を読み取り,式やベクトルで表現することができる。また,複数の電流・電圧の合成ができる。波形から交流電圧・電流の要素(振幅,実効値,周波数など)を読み取ることができない。
評価項目6 (自学自習の姿勢)与えられた課題に対して,積極的に取り組み,期日までに確実に仕上げることができる。さらに,自ら問題を見つけ,その解き方を積極的に学び,自らの知識として定着させることができる。与えられた課題に対して,積極的に取り組み,期日までに確実に仕上げることができる。与えられた課題をこなすことができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
演習を通して、1年次科目「基礎電気回路」と2年次科目「電気回路I」のうち特に重要な部分の基礎的学力を確実に身に付けることを目的とする。
授業の進め方・方法:
授業は基本的にアクティブラーニング形式とし、学生の自主的な取り組みをもとに進める。適宜教員による講義を実施する。また、毎週の学習内容を確実に身に着けられるように、毎回の講義の最初に小試験を実施する。
注意点:
関連科目
基礎電気回路(1年)、電気回路I(2年)、電気回路Ⅱ(3年)、電気回路Ⅲ(4年)

学習指針
既習の単元を定着させるために、多種多様な問題に自主的に取り組むこと。
十分な演習量を確保するため、家庭学習を怠らないこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 講義の進め方と成績の付け方についての説明。
基礎学力の確認
2週 直流回路の復習Ⅰ Δ-Y(Y-Δ)変換などによる合成抵抗の計算ができる。
分圧比、分流比から直並列回路の電圧・電流が計算できる。
3週 直流回路の復習Ⅱ-(1) キルヒホッフの法則にもとづく回路網の計算ができる。
4週 直流回路の復習Ⅱ-(2) 同上
5週 直流回路の復習Ⅲ-(1) 重ねの理を用いた回路網の計算ができる。
6週 直流回路の復習Ⅲ-(2) 同上
7週 直流回路の復習Ⅳ 鳳-テブナンの等価回路を求めることができる。
8週 直流回路の復習Ⅴ 直流回路における電力の計算ができる。
2ndQ
9週 正弦波交流の基礎 交流の周波数・位相差・実効値について理解し、各値を式や波形から正しく求めることができる。
10週 正弦波交流の表現 正弦波交流を三角関数やベクトルにより表現できる。
11週 正弦波交流Ⅰ-(1) ベクトル表現を用いた正弦波交流の合成
12週 正弦波交流Ⅰ-(2) 同上
13週 正弦波交流Ⅱ 正弦波交流回路におけるR,L,C素子の特性について理解し、インピーダンスZのベクトル表現ができる。
14週 総合演習 授業で学習した内容について復習し、理解不十分な点について、復習する。
15週 期末試験 授業内容を理解し、試験問題に正しく解答できる。
16週 期末試験返却 理解不十分な点について学力補充をおこなう。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3

評価割合

家庭学習小テスト定期試験合計
総合評価割合202060100
基礎的能力15155080
専門的能力551020