アナログ回路

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 アナログ回路
科目番号 0034 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 末松安晴, 藤井 信生, 「基礎シリーズ 電子回路入門」, 実教出版
担当教員 髙橋 明

到達目標

1. 1) 電子回路に使用される各種基本素子の動作原理の理解
 2) 増幅回路に関する基礎知識の習得
 3) 各種バイアス回路の回路構成と特徴の理解
2. 1) トランス結合増幅回路と電力増幅回路の理解
 2) 各種トランジスタ増幅回路の基本動作と特徴の理解
3. 1) オペアンプの基礎と等価回路の理解
 2) オペアンプを用いた各種回路の理解
 3) アクティブフィルタ回路の理解
 4) 発振回路の動作原理の理解
4.1) 各種変調・復調回路の理解
 2) パルス回路の理解
 3) 論理回路の基礎
 4) アナログ/ディジタル変換の動作原理の理解

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1仕様に合わせてトランジスタの基本的増幅回路の変更ができる。トランジスタの基本的増幅回路が設計できる。トランジスタの基本的増幅回路の回路定数が設計できない。
評価項目2仕様にあわせてオペアンプによる基本的な演算回路の変更が設計できる。オペアンプによる基本的な演算回路が設計できる。オペアンプによる基本的な演算回路定数が設計できない。
評価項目3仕様にあわせたパルス回路の設計ができる。パルス回路の動作原理が理解でき、基本的回路の設計ができる。パルス回路の動作原理が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-1) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-2 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子回路に用いられる基本素子の特性を理解するとともに各種トランジスタ増幅回路について,その回路構成と動作原理を解説する.次にオペアンプに基づく各種アナログ電子回路の回路構成とその動作原理を解説した後,各種発振回路や変・復調回路ならびにAD変換回路の動作原理を解説する.
完成された回路構成が選ばれた理由を理解し、回路設計の基本的な考え方を習得する。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心となる。適宜、演習問題を課す。
注意点:
関連科目:基礎電気回路,電気回路Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,ディジタル回路,電子工学,信号通信理論,電気電子材料
学習指針:自己学習は、講義に臨むにあたり、教科書や参考書等による予習と復習を行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入 概要説明と各種基本素子が説明できる。
2週 トランジスタの基礎1 トランジスタの静特性と増幅の原理を理解する。
3週 トランジスタの基礎2 小信号等価回路をhパラメータで解析できる。
4週 増幅回路の基礎 入出力抵抗,デシベルと利得が計算できる。
5週 直流バイアス回路1 トランジスタの各種直流バイアス回路を設計できる。
6週 直流バイアス回路2 バイアス回路の安定指数を計算できる。
7週 小信号増幅回路1 CR結合増幅回路の基礎と電圧増幅度が計算できる。
8週 小信号増幅回路2 直接結合増幅回路と差動増幅回路を理解する。
2ndQ
9週 小信号増幅回路3 周波数特性とミラー効果の関係が説明できる。
10週 大信号増幅回路1 トランス結合増幅回路と電力増幅回路の計算ができる。
11週 大信号増幅回路2 A級増幅とB級プッシュプル増幅の比較ができる。
12週 帰還増幅回路1 帰還回路の基礎を理解する。
13週 帰還増幅回路2 負帰還増幅回路の計算ができる。
14週 高周波増幅回路1 高周波等価回路と共振回路の設計ができる。
15週 高周波増幅回路2 同調型増幅回路の回路を構成することができる。
16週 前期末テスト返却 理解が不十分な点を補充する
後期
3rdQ
1週 オペアンプ1 オペアンプの内部回路構成を理解する。
2週 オペアンプ2 オペアンプによる増幅・加算・減算回路が設計できる。
3週 オペアンプ3 オペアンプによる微分回路、積分回路が設計できる。
4週 オペアンプ4 オペアンプによる整流回路、乗算回路を理解する。
5週 オペアンプ5 オペアンプを用いたフィルタ定数の計算ができる。
6週 オペアンプ6 オペアンプを用いたコンパレータと発振回路を理解する。
7週 発振回路1 発振現象の基礎とLC・CR発振回路の動作を理解する。
8週 発振回路2 水晶発振回路とVCO・PLLを理解する。
4thQ
9週 変復調回路1 AM変調・復調調回路の動作を説明できる。
10週 変復調回路2 FM変調・復調回路の動作を説明で切る。
11週 パルス回路1 非安定マルチバイブレータを理解する。
12週 パルス回路2 双安定、単安定マルチバイブレータを理解する。
13週 論理回路の基礎 TTL論理ゲートIC,CMOS論理ゲートICを説明できる。
14週 A/D変換回路 アナログ/ディジタル変換回路の計算ができる。
15週 D/A変換回路 ディジタル/アナログ変換回路の計算ができる。
16週 学年末テスト返却 理解が不十分な点を補充する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
1元連立1次不等式を解くことができる。3
基本的な2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000