概要:
グローバル化・情報化など、私たちの生活が便利になる一方で社会構造や雇用環境も大きく変化してきている。その中で、自己を社会の中でどのように位置付け、どう生きていくのかを見つめ直す必要がある。本講義では、現代社会に関する倫理・政治・経済・国際関係などの基本的事項を確認していく。また、現代の諸課題について、技術者・研究者がどのように携わっていくべきかを考察することを目指す。なお、前期は倫理と国際関係を中心に授業を実施する。
授業の進め方・方法:
公共の学習で重要になるのは、現代の出来事と結びつけて考察できる能力である。政治・経済・法律・国際関係などの基礎を学ぶとともに、ニュースなどで世界各地の情報に触れることで現代社会の成り立ちを考察する。そのため、必要に応じてプリントを配布する。また、思考力を高めるために、グループワークや視聴覚教材を活用する。
注意点:
関連科目
地理・歴史・政治経済・現代社会と法・人間環境学・地域学
学習指針
現代社会を理解するためには講義だけでなく、ニュースなどを通じて世界情勢にも目を向ける必要がある。
自己学習
到達目標を達成するためには、授業以外にも教科書を読むなど、授業内容について理解を深める必要がある。特に、授業後の復習を欠かさないようにすること。以下の点に注意すること
・事前学習:あらかじめ講義内容に該当する部分の教科書を読み、用語などの分からないものは調べておく。
・事後発展学習:配布プリントと教科書をもとに、授業後の復習を欠かさないようにすること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 18歳成人で何が変わるのか?
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授業の内容と達成目標等、その概要を理解している。
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2週 |
倫理① 青年期の意義と自己形成の課題 |
人生における青年期の意義を理解し、自己形成の課題について考察できる。
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3週 |
倫理② 古代の哲学と宗教の教え |
古代の思想や宗教の教えを理解し、人間としてよく生きるとは何かを考察できる。
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4週 |
倫理③ 近代哲学と人間の自由・尊厳 |
近代ヨーロッパにおいて、自由に基づいて人間の生き方が探求された背景を考察できる。
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5週 |
倫理④ 他者の尊重と公正な社会 |
現代の思想家たちが唱える他者の尊重、社会の公正なあり方について理解できる。
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6週 |
国際① 第一次世界大戦と大衆社会 |
第一次世界大戦の展開と大衆社会の時代について理解できる。
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7週 |
国際② ソヴィエト連邦の成立と社会主義 |
ロシア革命と社会主義運動の拡大について理解できる。
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8週 |
世界の諸問題① 地球環境問題とその対策 |
人間の経済活動と環境問題の関係を理解し、持続可能な開発について考察できる。
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2ndQ |
9週 |
国際③ アメリカ合衆国の台頭と世界恐慌 |
大量生産・大量消費社会の到来から世界恐慌の発生までの流れを理解できる。
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10週 |
国際④ 第二次世界大戦とIMF・GATT体制 |
第二次世界大戦の勃発と国際経済体制の変化を結びつけて理解できる。
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11週 |
国際⑤ 冷戦と国際連合 |
東西冷戦と国際連合の集団安全保障体制について理解できる。
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12週 |
国際⑥ 冷戦下の代理戦争(朝鮮戦争) |
朝鮮半島における分断国家と代理戦争について理解できる。
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13週 |
国際⑥ 冷戦下の代理戦争(ベトナム戦争) |
アメリカが東南アジアに介入した背景とベトナム反戦運動の広がりを理解できる。
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14週 |
国際⑦ キューバ危機と核兵器 |
冷戦下における核兵器の存在と核なき世界にむけての動きを理解できる。
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15週 |
前期末試験 |
これまでの授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消できる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 3 | 前3,前4,前15,前16 |
公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前15,前16 |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 3 | 前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16 |
工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | 前8,前15,前16 |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | 前8,前15,前16 |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 前8,前15,前16 |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 前1,前8,前15,前16 |
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。 | 3 | 前1,前8,前15,前16 |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | 前1,前8,前15,前16 |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | 前1,前8,前15,前16 |