電気・電子工学実験Ⅲ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電気・電子工学実験Ⅲ
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 補助教材:各実験項目に関する資料等を配付.
担当教員 大谷 真弘,平井 誠,芦原 佑樹,池田 陽紀

到達目標

1. 実験テーマに関する目的や基礎理論,実験方法を理解し,安全に配慮して実験・実習・製作に取り組むことができる.
2. 実験結果について適切に評価・検討・考察を行い,定められた期限内にレポートを作成して提出することができる.
3. 主体的に取り組むとともに,問題解決のために積極的に他のメンバーや担当教職員とコミュニケーションを図ることができる.
4. 自分自身やグループの考えをまとめ,他者にわかりやすく表現し,伝えることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
JABEE基準 (i) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
第2・3学年で実施してきた実験内容を礎にして,より高度な機器の操作方法や測定技術,さらには電子材料やデバイス試作等を習得し,教科内容の理解と同時に「ものづくり」に長けた技術者としての素養を深めることを目的としている.そのため,実験テーマには電気工学科の各分野,すなわち電力エネルギー・高電圧・制御・材料デバイス・情報系の代表的かつ基本的な内容を選定している.また,協調性やコミュニケーション能力,創造性,問題解決能力を養うことを目的として,グループで制作活動に取り組む「創造実験」を行い,成果物を発表する.
授業の進め方・方法:
グループで実験・実習を行い,各自,実験テーマごとにレポートを作成し,期限までに提出すること.また,実験では高電圧,精密計測機器,高温炉,薬品等を取り扱うため,常に各自が安全に十分配慮して行うこと.
注意点:
関連科目: 専門科目全般および電気・電子工学実験Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ,卒業研究
学習指針: 実験を経験するだけで満足するのではなく,レポートの作成をもってその実験が完了することを忘れてはならない.またレポートは,実験に関する理論,方法,結果,検討および考察等が十分に,かつ簡潔に表現されなければならない.
自己学習: 到達目標を達成するためには,実験内容に関連した授業科目を復習するとともに,応用事例などを調べて実験に望むこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 実験時に配慮すべき安全面に関する注意事項を理解し,前期実験内容およびレポート作成・提出に関する事項を理解できる.
2週 実験1-Ⅰ シーケンス制御に関する基本概念や理論を理解し,指導書に従って実験を行うことができる.
3週 実験1-Ⅱ シーケンス制御に関する実験課題に取り組み,設定された仕様を満たす回路を構成し,その動作を検証することができる.
4週 実験2-Ⅰ フィルタ回路に関する基礎理論を理解し,指導書に従ってフィルタ回路を構成し,その特性を評価することができる.
5週 実験2-Ⅱ フィルタ回路に関する基礎理論を理解し,指導書に従ってフィルタ回路を構成し,その特性を評価することができる.
6週 実験3-Ⅰ 超伝導体に関する基礎理論を理解し,指導書に従って超伝導体を作製し,その特性を評価することができる.
7週 実験3-Ⅱ Solar Cellに関する基礎理論を理解し,指導書に従ってSolar Cellを作製し,その特性を評価することができる.
8週 実験4-Ⅰ マイコンに関する基本概念や理論を理解し,指導書に従ってプログラムを作成し,その動作を検証することができる.
2ndQ
9週 実験4-Ⅱ マイコンに関する基本概念や理論を理解し,設定された課題を満たすプログラムを作成し,その動作を検証することができる.
10週 創造実験Ⅰ 創造実験の目的を理解し,提示された題材を基にグループごとにテーマと目標を議論し,決定することができる.
11週 創造実験Ⅱ グループごとに決定したテーマと目標に基づいて,制作物の仕様などを検討し,その結果をわかりやすくプレゼンテーションすることができる.
12週 創造実験Ⅲ グループごとに決定したテーマと目標に基づき,制作物の詳細な仕様と必要物品などを決め,メンバーが互いに協力して制作活動に取り組むことができる.
13週 創造実験Ⅳ グループごとに決定した制作物の制作活動に取り組み,必要に応じて仕様などを見直し,問題点の改善を図ることができる.
14週 創造実験Ⅴ グループごとに決定し,作製した制作物の検証・評価を行い,発表会のためのポスター,スライドならびに報告書の作成に取り組むことができる.
15週 創造実験発表会 グループごとに設定したテーマと目標ならびに制作物について,わかりやすくプレゼンテーションすることができる.
16週 実験予備日
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 実験時に配慮すべき安全面に関する注意事項を理解し,後期実験内容およびレポート作成・提出に関する事項を理解できる.
2週 実験5-Ⅰ 変復調に関する基礎理論を理解し,指導書に従って変復調回路を構成し,その特性を評価することができる.
3週 実験5-Ⅱ 変復調に関する基礎理論を理解し,指導書に従って変復調回路を構成し,その特性を評価することができる.
4週 実験5-Ⅲ 変復調に関する基礎理論を理解し,指導書に従って変復調回路を構成し,その特性を評価することができる.
5週 実験6-Ⅰ 単相変圧器と高電圧に関する基礎理論を理解し,指導書に従って単相変圧器の特性ならびに高電圧における放電現象を測定・評価することができる.
6週 実験6-Ⅱ 単相変圧器と高電圧に関する基礎理論を理解し,指導書に従って単相変圧器の特性ならびに高電圧における放電現象を測定・評価することができる.
7週 実験6-Ⅲ 単相変圧器と高電圧に関する基礎理論を理解し,指導書に従って単相変圧器の特性ならびに高電圧における放電現象を測定・評価することができる.
8週 実験7-Ⅰ 薄膜合成とX線回折評価に関する基礎理論を理解し,指導書に従って薄膜を合成するとともに, X線回折装置を用いて薄膜の特性を評価することができる.
4thQ
9週 実験7-Ⅱ 薄膜合成とX線回折評価に関する基礎理論を理解し,指導書に従って薄膜を合成するとともに, X線回折装置を用いて薄膜の特性を評価することができる.
10週 実験7-Ⅲ 薄膜合成とX線回折評価に関する基礎理論を理解し,指導書に従って薄膜を合成するとともに, X線回折装置を用いて薄膜の特性を評価することができる.
11週 実験8-Ⅰ フォトリソグラフィー技術を用いた簡易の半導体作製プロセスにより,pn接合ダイオードを作製し,その特性を測定・評価することができる.
12週 実験8-Ⅱ フォトリソグラフィー技術を用いた簡易の半導体作製プロセスにより,pn接合ダイオードを作製し,その特性を測定・評価することができる.
13週 実験8-Ⅲ フォトリソグラフィー技術を用いた簡易の半導体作製プロセスにより,pn接合ダイオードを作製し,その特性を測定・評価することができる.
14週 レポート指導Ⅰ レポート指導に基づき,電気・電子工学実験の学習内容を総括することができる.
15週 レポート指導Ⅱ レポート指導に基づき,電気・電子工学実験の学習内容を総括することができる.
16週 実験予備日

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3前4,前5,前6,前7,後2,後3,後4,後8,後9,後10
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3前4,前5,後2,後3,後4
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3前1,前2,前4,前6,後1,後2,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11
交流回路論における諸現象について実験を通して理解する。3後5,後6,後7
半導体素子の電気的特性の測定法を習得し、実験を通して理解する。3後11,後12,後13
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3後2,後3,後4
専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。3前10,前11,前12,前13,前14
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。3前10,前11,前12,前13,前14
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。3前10,前11,前12,前13,前14
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。3前10,前11,前12,前13,前14
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。3前10,前11,前12,前13,前14
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。3前10,前11,前12,前13,前14
共同教育共同教育クライアント(企業及び社会)の要求に適合するシステムやプロセスを開発することができる。3前3,前10,前11,前12,前13,前14
企画立案から実行するまでのプロセスを持続可能性の実現性を配慮して実行することができる。3前10,前11,前12,前13,前14
品質、コスト、効率、スピード、納期などに対する視点を持つことができる。3前10,前11,前12,前13,前14
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。3前10,前11,前12,前13,前14,前15
集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。3前10,前11,前12,前13,前14
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。3前10,前11,前12,前13,前14
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。3前10,前11,前12,前13,前14
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。3前10,前11,前12,前13,前14
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。3前10,前11,前12,前13,前14,前15
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 3前10,前11,前12,前13,前14
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。3前10,前11,前12,前13,前14
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。3前10,前11,前12,前13,前14
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。3前10,前11,前12,前13,前14
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。3前10,前11,前12,前13,前14
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。3前10,前11,前12,前13,前14
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前10,前11,前12,前13,前14
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前10,前11,前12,前13,前14
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。3前10,前11,前12,前13,前14
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。3前10,前11,前12,前13,前14

評価割合

実験およびレポートへの取組創造実験への取組レポートの体裁発展的学習合計
総合評価割合50251015100
基礎的能力20105540
専門的能力30105550
分野横断的能力050510