電磁気学演習

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電磁気学演習
科目番号 0049 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 〔教科書〕  プリントを配布して講義を行う。 〔補助教材・参考書〕  田原真人: 『電磁気学がわかる』、技術評論社 (2011). 西巻正郎、関口利男 編集:『電気磁気学』、森北出版 (2002).
担当教員 關 成之

到達目標

1. 電磁気学の基礎事項を理解すると共に、応用問題が解ける。
2. 電界と磁界がその源としての電荷と電流からどのように導かれるのかを説明できる。
3. 電界や磁界中に他の電荷または電流が存在する時、これらには力が働くことを説明できる。
4. 電界や磁界が独立ではなく、それらがどのように結びついているのかについて説明できる。
5. 誘電体と磁性体の物性的な電磁気現象について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電磁気学の基礎事項を理解し、応用問題を解くことができる。電磁気学の基礎事項を理解することができる。電磁気学の基礎事項を理解することができない。
評価項目2電界と磁界がその源としての電荷と電流からどのように導かれるのかを説明し、応用問題を解くことができる。電界と磁界がその源としての電荷と電流からどのように導かれるのかを説明できる。電界と磁界がその源としての電荷と電流からどのように導かれるのかを説明できない。
評価項目3電界や磁界中に他の電荷または電流が存在する時、これらには力が働くことを説明し、応用問題を解くことができる。電界や磁界中に他の電荷または電流が存在する時、これらには力が働くことを説明できる。電界や磁界中に他の電荷または電流が存在する時、これらには力が働くことを説明できない。
評価項目4電界や磁界が独立ではなく、それらがどのように結びついているのかについて説明し、応用問題を解くことができる。電界や磁界が独立ではなく、それらがどのように結びついているのかについて説明できる。電界や磁界が独立ではなく、それらがどのように結びついているのかについて説明できない。
評価項目5誘電体と磁性体の物性的な電磁気現象について理解し、応用問題を解くことができる。誘電体と磁性体の物性的な電磁気現象について理解することができる。誘電体と磁性体の物性的な電磁気現象について理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電磁気学ⅠおよびⅡで学んだ内容を演習により理解し、身に付けることを目的とする。
授業の進め方・方法:
電磁気学の代表的な基礎事項について簡単な講義および演習を行う。演習は少人数のグループで行うので、多くの問題を解くだけでなく、自分の得た答えを他者に説明することにも取り組むこと。自分の考えを正確に伝え、他の学生と質疑応答することを通して、電磁気学に対する理解を深めるのと同時に、教員にも積極的な質問をすることで問題解決能力を養う。
注意点:
〇関連科目
電磁気学Ⅰ、電磁気学Ⅱ、数学 (微分、積分、三角関数、四則演算)
〇学習指針
プリントの復習を欠かさずに行うこと。またわからないことがあれば、簡単に投げ出さずに解決すること。レポート提出期限を必ず守ること。
〇自己学習
到達目標を達成するために、授業以外でも例題や演習問題を解いて理解を深めることが必要である。また関連する図書も参考にして自学自習を進めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 クーロンの法則 講義の目標、進め方、グループワークの重要性を理解し、電荷による静電力について説明できる。
2週 真空中の静電界 電界・電気力線の性質、電位差の概念について説明できる。
3週 導体系と静電容量 帯電導体の電荷分布、エネルギー、力について説明できる。また誘電体の分極と静電容量の関連を理解できる。
4週 電流による磁界 ビオ・サバールの法則を用い、任意の電流による磁界を導出できる。
5週 電流による磁界 アンペア周回積分の法則から、対称性のある電流分布による磁界を導出できる。
6週 電磁誘導 電磁誘導によって生じる起電力を導出できる。
7週 後期中間試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
4thQ
9週 磁気回路 (1) 磁束の通る磁気回路の基本概念を説明できる。
10週 磁気回路 (2) 磁気回路と電気回路の相違点について説明でき、実際の磁気回路の計算では漏れ磁束が問題になることを理解できる。
11週 磁性体の磁化曲線 (1) 強磁性体の磁化の強さは、磁化の経歴に依存することを説明できる。
12週 磁性体の磁化曲線 (2) ヒステリシス曲線を用い、磁気回路内の強磁性体の磁束密度を導出できる。
13週 インダクタンス (1) 簡単な磁気回路において、自己および相互インダクタンスを導出できる。
14週 インダクタンス (2) 複雑な磁気回路において、自己および相互インダクタンスを導出できる。
15週 学年末試験 授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4後1,後7
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4後2,後7
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4後2,後7
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4後3,後7
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4後3,後7
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4後3,後7
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4後3,後7
静電エネルギーを説明できる。4後3,後7
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4後11,後12
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4後4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4後5
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4後6,後7
自己誘導と相互誘導を説明できる。4後9,後13
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4後13,後14

評価割合

試験課題レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100