到達目標
電気回路Ⅰに引き続き,電気工学の基礎をなす交流回路について学ぶ。
3年次では特に,以下の項目を目標とする。
・交流電力が扱えること
・三相回路が理解できること
・ひずみ波の基本的な取り扱いができること
・微分方程式が解けること
・過渡回路の解析ができること
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 交流電力を計算し,力率改善方法等を考えることができる。 | 交流電力の計算ができる。 | 交流電力の計算ができない。 |
評価項目2 | 三相回路の結線を自由に変換して,所望の電圧・電流・電力を得ることができる。 | 三相回路を単相回路に落とし込んで考えることができる。 | 三相回路を単相回路に落とし込んで考えることができない。 |
評価項目3 | インダクタが含まれる回路を記号法,時間関数の両方で表現し,回路現象を説明できる。 | リアクタンス回路の計算ができる。 | リアクタンス回路の基礎的な振る舞いが理解できない。 |
評価項目4 | 結合回路を使って,所望の電圧・電流・電力を得る回路に変換できる。 | 結合回路を等価回路で表現して電圧・電流を計算できる。 | 結合回路の基礎的な振る舞いが理解できない。 |
評価項目5 | ベクトル軌跡について他者に教えることができる。 | ベクトル軌跡を用いて各種回路動作を求めることができる。 | ベクトル軌跡を描くことができない。 |
評価項目6 | 歪波交流・フーリェ級数について他者に教えることができる。 | 歪波交流・フーリェ級数について計算問題を解くことができる。 | 歪波交流・フーリェ級数の基本を理解できない。 |
評価項目7 | 線形常微分方程式について他者に教えることができる。 | 線形常微分方程式を解くことができる。 | 線形常微分方程式を解けない。 |
評価項目8 | 過渡回路現象について他者に教えることができる。 | 過渡回路を計算することができる。 | 過渡現象の基本を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2)
説明
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教育方法等
概要:
家電,モータや発電技術を扱うとき,交流電力,三相回路,結合回路,ベクトル奇跡,歪み波回路や過渡回路の考え方が必須となる。
4年生になると家電,モータや発電技術の授業が始まるため,この科目でしっかり基礎を身につける。
2年生の交流理論を進化させて,身近な機器に近づけていく大事なポイントなので,しっかり身につけてほしい。
授業の進め方・方法:
時間関数と記号法を行き来しながら,実際の現象がわかるように授業を進めていく。
時間関数で回路現象を表現するのに微分を使う。このため,基礎数学をしっかり復習した上で授業に取り組んでほしい。
注意点:
2年次の「電気回路Ⅰ」を理解していることが前提である。また,微分やベクトルをはじめとする基礎数学が必須となる。とにかく,毎回の授業で疑問点を残さないように,どんどん質問してほしい。
事前学習:予め次回の講義内容に該当する部分の教科書を見ておく。また基礎数学を常に復習しておくこと。
事後学習:授業でわからなかったところを明確にして早期に解消する。十分理解できていれば,この先(家電等の回路)に駒を進めてもよい。そのときはサポートするので声をかけてほしい。
学修単位の履修上の注意
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
イントロダクション 「電気回路Ⅰ」の総復習(jωを使う場合,使わない場合) |
2年生の交流理論を俯瞰的に理解する。
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2週 |
「電気回路Ⅰ」の総復習(記号法と時間関数の関係) |
2年生の交流理論を俯瞰的に理解する。
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3週 |
交流電力(瞬時電力,有効電力,無効電力,皮相電力)と力率 |
左記の内容を修得する。
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4週 |
電力(瞬時電力,有効電力,無効電力,皮相電力)のベクトル表示 最大電力供給の定理,力率改善 |
左記の内容を修得する。
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5週 |
三相交流(Y結線とΔ結線,単相回路への落とし方) 平衡三相回路の相電圧,線間電圧,相電流,線電流の関係 |
左記の内容を修得する。
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6週 |
Y-Δ回路 と Δ-Y回路,V結線 |
左記の内容を修得する。
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7週 |
平衡三相回路の電力,三相電力の測定 |
左記の内容を修得する。
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8週 |
三相回路の総合演習問題 これまでの確認(→定期テスト) |
演習を通して学んできた技術を定着させる。
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2ndQ |
9週 |
インダクタンスの基本式(微分表示を使って,後で記号法を使って,正と負) ・・・ファラデー・ノイマンの法則を簡単に |
左記の内容を修得する。
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10週 |
相互インダクタンスの基本式(微分表示を使って,後で記号法を使って,正と負) ・・・ファラデー・ノイマンの法則を簡単に |
左記の内容を修得する。
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11週 |
トランスの基礎,巻向きと「・」の付け方 トランスの基本式(微分表示を使って,後で記号法を使って,正と負) |
左記の内容を修得する。
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12週 |
トランスのT形等価回路とL形等価回路 |
左記の内容を修得する。
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13週 |
トランスの等価回路を使った問題演習Ⅰ |
演習を通して学んできた技術を定着させる。
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14週 |
トランスの等価回路を使った問題演習Ⅱ |
演習を通して学んできた技術を定着させる。
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15週 |
これまでの確認(質問を受け付ける形で疑問を解消していく) |
理解できていないところを修復する。
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16週 |
前期期末試験 |
前期期末試験
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後期 |
3rdQ |
1週 |
後期のイントロダクション ひずみ波とフーリエ級数展開 |
左記の内容を修得する。
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2週 |
ひずみ波交流の電圧と電流 フーリエ級数展開の演習 |
左記の内容を修得する。
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3週 |
L, R, C の性質を確認 フィルタ回路の基礎 |
左記の内容を修得する。
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4週 |
定数係数をもつ常微分方程式(演算子法で) |
左記の内容を修得する。
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5週 |
定数係数をもつ常微分方程式(演算子法で) |
左記の内容を修得する。
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6週 |
交流理論から過渡現象へ 回路の状態方程式 |
左記の内容を修得する。
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7週 |
微分方程式を用いた過渡回路演習 |
演習を通して学んできた技術を定着させる。
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8週 |
これまでの確認(→定期テスト) |
後期中間テスト
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4thQ |
9週 |
瞬時等価回路を使った単発過渡回路解析Ⅰ(キャパシタ回路) |
演習を通して学んできた技術を定着させる。
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10週 |
瞬時等価回路を使った単発過渡回路解析Ⅱ(インダクタ回路) |
演習を通して学んできた技術を定着させる。
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11週 |
瞬時等価回路を使った単発過渡回路解析Ⅲ(危険な回路,テブナンの等価回路と過渡現象) |
左記の内容を修得する。
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12週 |
瞬時等価回路を使った単発過渡回路の演習 |
演習を通して学んできた技術を定着させる。
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13週 |
ベクトル奇跡の必要性と求め方 |
左記の内容を修得する。
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14週 |
ベクトル奇跡の演習 |
演習を通して学んできた技術を定着させる。
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15週 |
これまでの確認と演習 |
演習を通して学んできた技術を定着させる。
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16週 |
学年末試験 |
学年末試験
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。 | 4 | |
理想変成器を説明できる。 | 4 | |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 4 | |
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。 | 4 | |
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題・レポート | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 20 | 70 |
専門的能力 | 20 | 10 | 30 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |