到達目標
1. 電気電子材料の基礎事項を理解すると共に、応用問題が解ける。
2. 材料内における電子の挙動が物性を決めていることについて例を挙げ説明できる。
3. 技術の発展には、新材料の開発とそのデバイスの出現が必要不可欠であることを説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 電気電子材料の基礎事項を理解すると共に、応用問題が解ける。 | 電気電子材料の基礎事項を理解すると共に、基本的な問題が解ける。 | 電気電子材料の基礎事項を理解することができない。 |
評価項目2 | 材料内における電子の挙動が物性を決めていることについて例を挙げ理論的に説明できる。 | 材料内における電子の挙動が物性を決めていることについて例を挙げ説明できる。 | 材料内における電子の挙動が物性を決めていることについて例を挙げ説明することができない。 |
評価項目3 | 技術の発展には、新材料の開発とそのデバイスの出現が必要不可欠であることを具体的な事例を挙げて説明できる。 | 技術の発展には、新材料の開発とそのデバイスの出現が必要不可欠であることを説明できる。 | 技術の発展には、新材料の開発とそのデバイスの出現が必要不可欠であることが説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2)
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JABEE基準 (d-1)
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JABEE基準 (d-2a)
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システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-2
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システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1
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教育方法等
概要:
現在、電気電子材料はエレクトロニクス産業や情報通信分野において大きな役割を担っており、今後もより一層その重要度が増すものと考えられる。本講義では、電気電子材料に関する基礎的な現象を定性的に記述することより、原子オーダーで定量的に取り扱うことに重きを置く。そして、学生が演習等を通して自学自習することで物性値を把握し、電気電子材料の諸特性を本質から理解できるようにする。
授業の進め方・方法:
新規材料の開発やシステムの創成のために必要となる基本的な物質 (導体、超伝導体、半導体、誘電体、磁性体) の諸特性に関して、ミクロな観点から講義を行なう。各章の終わりでは、演習やレポートを学生に課し、自学自習を行うことで理解度の向上に繋げる。さらに、目に見えない現象を把握するために動画教材や実験器具を利用し、直感的に電気電子材料の本質が学習できるようにする。
注意点:
〇関連科目
1~3年の数学、物理、電磁気学、電子工学を基礎として講義を行う。
〇学習指針
普段の講義は板書と配布したプリントをベースに行い、重要な箇所についてはレポートを提出してもらう。また各章の終わりでは演習を実施して理解の手助けとする。講義中は関連事項に関する発問を多くするので、応答ができるように予習と復習をしっかりとしておくこと。また、ノートを上手にまとめるように各自が工夫すること。
〇自己学習
到達目標を達成するために、授業以外でも例題や演習問題を解いて理解を深めることが必要である。また関連する図書も参考にして自学自習を進めること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
電気電子材料とは |
講義の目標、進め方を理解し、電子の挙動が物性を決めることについて説明できる。
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2週 |
物質の構造(1) |
構造理解に向けた量子論導入の必要性を説明できる。
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3週 |
物質の構造(2) |
エネルギー準位と原子内の電子配置について説明できる。
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4週 |
物質の構造(3) |
不確定性原理、化学結合、結晶構造について説明できる。
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5週 |
物質の構造(4) |
σおよびπ結合のエネルギーの違いを説明できる。
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6週 |
演習・レポート |
物質構造に関する課題演習を行い、レポートを提出する。
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7週 |
前期中間試験 |
授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答できる。
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8週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
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2ndQ |
9週 |
金属の性質(1) |
金属中のキャリアの挙動について説明できる。
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10週 |
金属の性質(2) |
電子のドリフト速度、移動度、緩和時間を導出できる。
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11週 |
金属の性質(3) |
抵抗率が種々の衝突原因の和で示せることを説明できる。
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12週 |
超伝導材料(1) |
超伝導体の基本現象と応用について説明できる。
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13週 |
超伝導材料(2) |
クーパー対が超伝導を引き起こす原理の説明ができる。
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14週 |
演習・レポート |
金属と超伝導材料の演習を行い、レポートを提出する。
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15週 |
前期末試験 |
授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答できる。
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
エネルギー帯理論(1) |
帯理論から金属・半導体・絶縁体について説明できる。
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2週 |
エネルギー帯理論(2) |
電子のエネルギー分散曲線とバンド構造を説明できる。
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3週 |
半導体の性質(1) |
直接遷移と間接遷移の違いについて説明できる。
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4週 |
半導体の性質(2) |
半導体のショットキー接触をバンド構造から説明できる。
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5週 |
半導体の性質(3) |
半導体のオーミック接触をバンド構造から説明できる。
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6週 |
演習・レポート |
帯理論に関する課題演習を行い、レポートを提出する。
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7週 |
後期中間試験 |
授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答できる。
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8週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
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4thQ |
9週 |
誘電体の性質(1) |
誘電体材料の基礎特性と応用について説明できる。
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10週 |
誘電体の性質(2) |
強誘電体の分極特性のメモリー利用について説明できる。
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11週 |
誘電体の性質(3) |
複素誘電率からコンデンサの品質係数を導出できる。
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12週 |
磁性体の性質(1) |
各磁性体材料の基礎特性と応用について説明できる。
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13週 |
磁性体の性質(2) |
強磁性体内部の挙動とヒステリシス曲線を説明できる。
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14週 |
演習・レポート |
誘電体・磁性体に関する演習を行い、レポートを提出する。
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15週 |
学年末試験 |
授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答できる。
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 4 | 前2 |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 4 | 前2 |
原子の構造を説明できる。 | 4 | 前3 |
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。 | 4 | 前3 |
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 4 | 前4,後1,後2,後3,後4,後5 |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 4 | 前9,前10,前11,後1 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5 |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5 |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 4 | 後4,後5 |
評価割合
| 試験 | レポート | 態度 | 合計 |
総合評価割合 | 75 | 20 | 5 | 100 |
基礎的能力 | 75 | 20 | 5 | 100 |