応用数学α

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用数学α
科目番号 0067 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「新版応用数学改訂版」岡本和夫(監修)、実教出版 
演習書:「新版応用数学演習改訂版」岡本和夫(監修)、実教出版
担当教員 安田 智之

到達目標

数学的思考を行う場面で、できるだけ自由にものが考えられる素養を身につけることを目的としています。理解度は、教科書や演習書の問題が自力で解けるかどうかである程度はかることができます。自力で解けるようになるまで繰り返し問題に取り組んでください。教科書の「例題」と「練習」、演習書のA問題が解け,解答が書けることが最低限の到達目標です。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
複素数の四則演算複素数の性質を理解して四則演算の計算ができる。複素数の四則演算の計算ができる。複素数の四則演算の計算ができない。
複素関数実関数の複素関数への拡張の意味が理解でき,関数値が求められる。複素関数の関数値が求められる。複素関数の関数値が求められない。
複素微分複素関数の導関数の意味が理解でき,導関数が求められる。複素関数の導関数が求められる。複素関数の導関数が求められない。
複素積分複素積分の意味が理解でき,その計算ができる。複素積分の計算ができる。複素積分の計算ができない。
コーシーの積分定理コーシーの積分定理を理解し,それを用いて積分計算ができる。コーシーの積分定理を用いて積分計算ができる。コーシーの積分定理を用いて積分計算ができない。
複素関数のべき級数展開複素関数のテイラー展開,ローラン展開,収束半径の計算ができ,孤立特異点の判別ができる。複素関数のテイラー展開,ローラン展開,収束半径が計算できる。複素関数のテイラー展開,ローラン展開,収束半径が計算できない。
留数と複素積分,実積分留数の意味を理解し,その計算が留数の意味が理解でき、それを用いて積分の計算ができる。 留数を用いた積分の計算ができる。留数を用いた積分の計算ができない。
フーリエ級数フーリエ級数の意味を理解し、周期関数のフーリエ級数が求められる。周期関数のフーリエ級数が求められる。周期関数のフーリエ級数が求められない。
フーリエ変換フーリエ変換の意味を理解し,簡単な非周期関数のフーリエ変換が求められる。簡単な非周期関数のフーリエ変換が求められる。簡単な非周期関数のフーリエ変換が求められない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (c) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-1 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半は、実数を変数とする既習の関数について,複素数を変数とする関数への拡張をから始めます。次に,その微分積分を考えます。複素数を変数とする関数の積分の計算に用いられる留数定理が,実数を変数とする積分の計算に応用されることもここで学びます。後半では、フーリエ級数とフーリエ変換を学びます。周期関数を複素指数関数の無限級数の和で表す,また,非周期関数を複素指数関数の広義積分で表す,というこれらの手法は広く応用されるものとなっています。
授業の進め方・方法:
教室での講義形式をとります。新しい内容について説明したあと,演習問題に取り組み,各自の理解度を確認します。また、定期試験返却時にはその解説を行い,試験範囲の総復習をします。
注意点:
関連科目:基礎数学α,基礎数学β,微分積分Ⅰ,微分積分Ⅱ,数学特論α,数学特論β,応用数学β,応用物理Ⅱ,各専門科目
学習指針:応用数学αでの学習内容は物理や専門科目においてもよく使われる基礎的で重要な内容です。よく理解して,容易に計算が出来るようにしておくことが大事です。そのためには授業をよく聴き,そのノートや教科書を参考にしながら,教科書や演習書の演習問題に対し,それらが自力で解けるようになるまで取り組んで下さい。
事前学習:あらかじめ授業内容に該当する部分の教科書を読み,理解できるところ,理解できないところを明らかにしておいてください。
事後展開学習:授業で宿題プリントを配布します。まず自分で解き,分からなければWEB詳解を参考にして考え、答え合わせをしたうえで,次の授業時に提出してください。

学修単位の履修上の注意

上記の事前学習・事後展開学習の内容が自学自習として取り組むべき内容です。提出された宿題プリントを,自学自習の成果として評価します。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 複素数とその演算 複素数を極形式で表現できる。また,複素数の四則演算は複素平面上の点の動きとしてどのように表されるかが理解できる。
2週 複素関数(1) 複素関数によりxy平面の図形がuv平面のどんな図形に写るかを調べられる。また,複素関数の値の計算ができる。
3週 複素関数(2) 複素関数によりxy平面の図形がuv平面のどんな図形に写るかを調べられる。また,複素関数の値の計算ができる。
4週 複素関数の導関数(1) コーシー・リーマンの関係式を用いて関数の正則性を判定できる。正則関数の導関数を求めることができる。
5週 複素関数の導関数(2) 正則関数が調和関数かどうかを調べることができる。また、正則関数の等角性を調べることができる。
6週 複素積分とその性質 複素積分の意味を理解し,簡単な関数の複素積分の計算ができる。
7週 前期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
8週 コーシーの積分定理とコーシーの積分公式 コーシーの積分定理とコーシーの積分公式の意味を理解し,それらを用いた複素積分の計算ができる。
2ndQ
9週 複素関数のべき級数展開 複素関数のべき級数展開を求めることができる。
10週 留数定理 留数定理を用いて複素積分の計算ができる。
11週 留数定理の応用 留数定理を用いて実関数の定積分,広義積分の計算ができる。
12週 2π周期のフーリエ級数,一般周期のフーリエ級数 簡単な周期2πの関数のフーリエ級数,一般周期の関数のフーリエ級数を求めることができる。
13週 複素フーリエ級数,フーリエ変換とフーリエの積分定理 簡単な一般周期の実関数の複素フーリエ級数を求めることができる。また,実関数のフーリエ変換ができそれを用いて積分計算ができる。
14週 フーリエ変換の性質 フーリエ変換の性質と公式を用いて実関数のフーリエ変換ができる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3前1

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000