概要:
現在、電気電子材料はエレクトロニクス産業や情報通信分野において大きな役割を担っており、今後もより一層その重要度が増すものと考えられる。本講義では、電気電子材料に関する基礎的な現象を定性的に記述することより、原子オーダーで定量的に取り扱うことに重きを置く。そして、学生が演習等を通して自学自習することで物性値を把握し、電気電子材料の諸特性を本質から理解できるようにする。
※実務との関係
この科目は、企業や研究センター等で表示素子および透明導電性半導体の研究・開発を担当していた教員が、その経験を活かし、電気電子材料の種類、物性、製法、応用例等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
新規材料の開発やシステムの創成のために必要となる基本的な物質 (導体、超伝導体、半導体、誘電体、磁性体) の諸特性に関して、ミクロな観点から講義を行なう。各章の終わりでは、演習やレポートを学生に課し、自学自習を行うことで理解度の向上に繋げる。さらに、目に見えない現象を把握するために動画教材や実験器具を利用し、直感的に電気電子材料の本質が学習できるようにする。
注意点:
関連科目:1~3年の数学、物理、電磁気学、電子工学を基礎として講義を行う。
学習指針:普段の講義は板書と配布したプリントをベースに行い、重要な箇所についてはレポートを提出してもらう。また各章の終わりでは演習を実施して理解の手助けとする。講義中は関連事項に関する発問を多くするので、応答ができるように予習と復習をしっかりとしておくこと。また、ノートを上手にまとめるように各自が工夫すること。
事前学習:予め講義内容に該当する参考書を読み、理解できる部分とそうでない部分を明らかにしておく。
事後発展学習:講義で出された演習課題を自ら解き、次回の講義開始前までに提出する。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,前8,前9,前12,前13,前14,前15,前16 |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前13,前14,前15,前16 |
原子の構造を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16 |
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16 |
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16 |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,前13,前14,前15,前16 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 4 | 前6,前8,前9,前10,前11,前14,前15,前16 |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 4 | 前6,前8,前9,前10,前11,前14,前15,前16 |