半導体工学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 半導体工学
科目番号 0104 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 〔教科書〕適宜、プリントを配布して講義を行う。〔補助教材・参考書〕(1)大山英典, 葉山清輝 ,「半導体デバイス工学-デバイスの基礎から製作技術まで-」, 森北出版, (2)高橋清, 山田陽一, 「半導体工学(第3版)-半導体物性の基礎-」, 森北出版
担当教員 三崎 雅裕

到達目標

1. 量子論の基礎を理解し,シュレディンガーの波動方程式からエネルギー帯理論を導くことができる.また,導体・半導体・金属のエネルギー帯構造を理解し,真性半導体,不純物半導体のフェルミ準位の位置を説明できる.
2. pn接合のエネルギー準位図と電流-電圧特性,逆方向降伏現象,空乏層容量について説明することができる.また,ヘテロ接合および金属-半導体接触についてエネルギー準位図を用いて説明することができる.バイポータトランジスタおよび電界効果型トランジスタの動作原理と電流-電圧特性などについて説明することができる.
3. 半導体の光学的性質とフォトダイオードや太陽電池,LED,レーザなどの光デバイスの動作原理について説明することができる.また,集積回路の基本的な製作プロセスについて説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1量子論の基礎を理解し,シュレディンガーの波動方程式を解いてエネルギー帯理論を導くことができる.また,導体・半導体・金属のエネルギー帯構造,真性半導体,不純物半導体のフェルミ準位の位置について説明することができる.量子論の基礎を理解し,シュレディンガーの波動方程式からエネルギー帯理論を導くことができる.また,導体・半導体・金属のエネルギー帯構造,真性半導体,不純物半導体のフェルミ準位の位置について理解することができる.量子論の基礎を理解し,シュレディンガーの波動方程式からエネルギー帯理論を導くことができない.また,導体・半導体・金属のエネルギー帯構造,真性半導体,不純物半導体のフェルミ準位の位置について説明することができない.
評価項目2pn接合のエネルギー準位図と電流-電圧特性,逆方向降伏現象,空乏層容量について理解し説明することができる.また,ヘテロ接合および金属-半導体接触についてエネルギー準位図を用いて説明することができる.バイポーラトランジスタおよび電界効果型トランジスタの動作原理と電流-電圧特性などについて説明することができる.pn接合のエネルギー準位図と電流-電圧特性,逆方向降伏現象,空乏層容量について理解することができる.また,ヘテロ接合および金属-半導体接触のエネルギー準位図を示すことができる.バイポーラトランジスタおよび電界効果型トランジスタの動作原理と電流-電圧特性などについて説明することができる.pn接合のエネルギー準位図と電流-電圧特性,逆方向降伏現象,空乏層容量について理解することができない.また,ヘテロ接合および金属-半導体接触のエネルギー準位図を示すことができない.バイポーラトランジスタおよび電界効果型トランジスタの動作原理と電流-電圧特性などについて説明することができない.
評価項目3半導体の光学的性質とフォトダイオードや太陽電池,LED,レーザなどの光デバイスの動作原理について説明することができる.また,集積回路の基本的な製作プロセスについて説明することができる.半導体の光学的性質とフォトダイオードや太陽電池,LED,レーザなどの光デバイスの動作原理について理解することができる.また,集積回路の基本的な製作プロセスについて説明することができる.半導体の光学的性質とフォトダイオードや太陽電池,LED,レーザなどの光デバイスの動作原理について理解することができない.また,集積回路の基本的な製作プロセスについて説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義ではまず,半導体の物性を理解する上で必要な量子論の基礎について解説を行う.ついで,pn接合,金属-半導体接触などについて解説した後,各種ダイオードデバイスとトランジスタについて解説する.また,半集積回路の基本的な製作プロセスについても解説する.

※実務との関係
この科目は,企業や研究センター等で半導体デバイスの研究・開発を担当していた教員が,その経験を活かし,半導体の種類,物性,動作原理,製造工程,応用例等について講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.講義の節目には演習課題に取り組み,各自の理解度を確認する.
注意点:
関連科目: 電子工学,電気電子材料,電磁気学,微分積分,応用数学,応用物理,アナログ回路
学習指針: 数学的な取り扱いが多いが,半導体中の電子や正孔の振る舞いを物理的な知識に基づいてイメージできるまで理解を深めることが大切である.
事前学習: 到達目標を達成するためには,上記の参考書等を参照して講義内容の予習をしておくこと.
事後発展学習: 講義で出された演習課題を自ら解き,次回の講義開始前までに提出する.

学修単位の履修上の注意

自学自習時間では演習課題に取り組み,到達目標を達成するために理解を深め,定期試験に臨むこと.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 半導体デバイスの歴史 半導体デバイスの歴史とその役割について説明することができる.
2週 量子論入門 シュレディンガーの波動方程式から量子井戸の固有値と固有関数を求め,そのエネルギー準位図を示すことができる.
3週 固体のバンド理論 シュレディンガーの波動方程式からエネルギー帯理論を導出し、導体・半導体・金属のエネルギー帯構造を理解し,説明することができる.
4週 統計力学の基礎 フェルミ分布について説明することができる.真性半導体,不純物半導体のフェルミ準位の位置を説明できる.
5週 pn接合 pn接合のエネルギー準位図と電流-電圧特性,空乏層容量、可変容量ダイオードについて理解し説明することができる.
6週 逆方向降伏現象 なだれ倍増,トンネル効果,定電圧ダイオードについて理解し説明することができる.
7週 ヘテロ接合と金属-半導体接触 ヘテロ接合および金属-半導体接触についてエネルギー準位図を用いて説明することができる.
8週 後期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
4thQ
9週 バイポーラトランジスタ バイポーラトランジスタ、サイリスタの動作原理と電流-電圧特性などについて説明することができる.
10週 ユニポーラデバイス 電界効果型トランジスタの動作原理と電流-電圧特性などについて説明することができる.
11週 半導体製造(1) 集積回路の基本的な製作プロセスについて説明することができる.
12週 半導体製造(2) 集積回路の基本的な製作プロセスについて説明することができる.
13週 半導体製造(3) 集積回路の基本的な製作プロセスについて説明することができる.
14週 半導体の実用例 半導体レーザ等の光学デバイスについて説明することができる.
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験受講課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力40545
専門的能力301040
分野横断的能力10515