概要:
窓から小石を握った手を差し出し,手のひらを開くと小石はだんだん速度を増しながら落下していきます。このとき,たとえば「2 秒後の速度」はどうやって計算すればよいのでしょうか。講義の前半では,その計算法を考え,それを一般化した微分法の考え方を学び,応用を考えます。また講義の後半では,図形の面積や体積の計算法を考え,それを一般化した積分法の考え方を学び,応用を考えます。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心です。講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認します。また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消します。
注意点:
関連科目:数学α,数学β,微分積分Ⅱ
学習指針:微分・積分法は物理や専門科目においても使われる重要な内容ですので,よく理解して計算ができるようにしておくことが肝心です。さらに詳しい内容は,3 年次の「微分積分Ⅱ」で学習します。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
数列,等差数列 |
等差数列の一般項と和を求めることができる。
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2週 |
等比数列 |
等比数列の一般項と和を求めることができる。
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3週 |
いろいろな数列 |
数列の和をΣの記号で表し,公式を利用して和を求められる。
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4週 |
漸化式と数学的帰納法 |
簡単な漸化式の解法と数学的帰納法による証明を習得する。
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5週 |
無限数列の極限 |
等比数列を含む無限数列の極限を考えて収束と発散を調べることができる。
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6週 |
無限等比級数 |
無限級数(特に無限等比級数)の収束と発散を調べることができる。
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7週 |
前期中間試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
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8週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
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2ndQ |
9週 |
関数の極限値と連続性 |
いろいろな関数の極限を求め,関数の連続性を判定できる。
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10週 |
平均変化率と微分係数、導関数 |
平均変化率の極限として微分係数を定義し,導関数を理解することができる。
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11週 |
関数の積・商の微分法 |
積と商の微分の公式を証明し,微分の計算に利用することができる。
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12週 |
合成関数と逆関数の微分法 |
合成関数と逆関数の微分を利用して,複雑な関数を微分することができる。
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13週 |
三角・指数・対数関数の導関数,高次導関数 |
三角関数・逆三角関数,指数関数や対数関数の導関数を導くことができる。第2 次以上の高次導関数を計算することができる。
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14週 |
関数の導関数と増減 |
微分を利用して曲線の接線の方程式や増減,極値を調べられる。
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15週 |
前期末試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
微分の応用 (1) |
グラフや増減表を使って関数の最大・最小を求めることができる。
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2週 |
微分の応用 (2) |
近似値を計算する。速度や加速度等いろいろな変化率を求められる。
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3週 |
不定積分 |
基本的な不定積分の計算ができる。
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4週 |
置換積分法 |
置換積分法により不定積分を計算することができる。
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5週 |
部分積分法 |
部分積分法により不定積分を計算することができる。
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6週 |
いろいろな関数の不定積分 |
分数関数や三角関数の不定積分を計算することができる。
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7週 |
後期中間試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
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8週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
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4thQ |
9週 |
定積分での置換積分法 |
置換積分法により定積分を計算することができる。
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10週 |
定積分での部分積分法 |
部分積分法により定積分を計算することができる。
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11週 |
面積と定積分 |
定積分を使って曲線や直線で囲まれた図形の面積を計算できる。
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12週 |
いろいろな図形の面積 |
いろいろな図形の面積や,曲線を計算することができる。
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13週 |
体積と定積分 |
立体の体積を,定積分を用いて求めることができる。
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14週 |
回転体の体積 |
定積分を使って回転体などの体積を計算することができる。
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15週 |
学年末試験 |
授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる。
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16週 |
試験返却・解答 |
試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。 | 3 | |
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。 | 3 | |
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。 | 3 | |
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。 | 3 | |
与えられた基本的な問題を解くための適切なアルゴリズムを構築することができる。 | 3 | |
任意のプログラミング言語を用いて、構築したアルゴリズムを実装できる。 | 3 | |
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。 | 3 | |
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。 | 3 | |
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している | 3 | |
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 3 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 3 | |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 3 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 3 | |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 3 | |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 3 | |
電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 3 | |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 | 3 | |
FETの特徴と等価回路を説明できる。 | 3 | |
計測 | SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 3 | |
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。 | 3 | |
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 3 | |
オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 3 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 機械系分野【実験・実習能力】 | 機械系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。 | 3 | |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。 | 3 | |
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。 | 3 | |
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。 | 3 | |
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。 | 3 | |
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。 | 3 | |
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。 | 3 | |
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。 | 3 | |
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。 | 3 | |
電気・電子系分野【実験・実習能力】 | 電気・電子系【実験実習】 | 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。 | 3 | |
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。 | 3 | |
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。 | 3 | |
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | |