交流理論Ⅰ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 交流理論Ⅰ
科目番号 0027 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『電気回路 (1) 直流・交流回路編』(出版社:コロナ社,著者:早川 義晴)
担当教員 山口 和也

到達目標

下記の内容を習得することを本講義の到達目標とする.

前期中間試験:(1)正弦波交流の性質,(2)位相差・平均値・実効値,(3)三角比・三角関数の諸計算,(4)コイル・コンデンサの電圧と電流
前期期末試験:(1)RLC直列・並列回路における電圧・電流の計算,(2)交流電力の計算
後期中間試験:(1)複素数の計算,(2) 交流回路の記号法表示
学年末試験 :(1)複素インピーダンス・アドミタンスの計算,(2) 記号法による電力の計算

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
正弦波交流の基本的な性質を正しく理解し,位相差・平均値・実効値の意味を説明でき,計算できる.正弦波交流の基本的な性質を正しく理解し,位相差・平均値・実効値の計算ができる.正弦波交流の最大値(振幅)・周波数・周期・位相差・平均値・実効値の計算を行うことができない.
R・L・Cで組まれる電気回路内の電圧・電流の大きさと位相差を導出でき,それらおよび電力を計算できる.R・L・Cで組まれる電気回路内の電圧・電流・電力を計算できる.R・L・Cで組まれる電気回路内の電圧・電流・電力を計算することができない.
ベクトルの積・商計算におけるベクトルの大きさ・位相を証明でき,オイラーの公式より複素リアクタンスを導出でき,各回路内の電圧・電流を複素数を用い計算できる.複素数の性質・計算を理解し,各回路内の電圧・電流を複素数を用い計算できる.複素数を用いた計算を行うことができない.
ブリッジ回路の平衡条件,および複素電力の式を導出でき,それぞれの複素数計算ができる.複素数を用いて,ブリッジ回路の平衡条件や複素電力を計算できる.ブリッジの平衡条件,複素電力・皮相電力・有効電力・無効電力を,複素数を用いて計算することができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
正弦波入力を用いた回路計算のために,正弦波交流の性質,平均値・実効値,RLC回路,複素数計算,記号法表示,インピーダンス,アドミタンス,複素電力計算等を解説する.また,中間・期末試験前に上記内容の定着のための演習を行う.
授業の進め方・方法:
基本的に,前半の45分を講義形式,後半の45分を演習形式で授業を行う.具体的には,前半でその日習得すべき内容を教員が伝え,その内容に関する類題を後半の時間で学生が解く.後半の演習の時間には,教員が学生を指名し解答を板書させる予定のため,各自講義内容をよく聞くようにすること.
注意点:
-関連科目
 電気回路,数学(微分積分・代数・幾何)を基礎とする.また,交流理論Ⅱ,電子回路,電子工学,制御工学の基礎となる.

-学習指針
 本講義を理解するために,1年次の『電気回路』,『数学α』,『数学β』の内容については正しく理解しておくこと.それらを踏まえ,より専門的な内容を含む本講義との関連を意識すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 交流の基礎 交流とは何か,特に直流との違いについて理解できる.
2週 正弦波交流の性質 最大値や周波数などの,正弦波の基礎項目について理解できる.
3週 位相差・平均値と実効値 位相差の意味と,平均値・実効値の計算方法について理解できる.
4週 正弦波交流の合成 正弦波を合成する方法について理解できる.
5週 ベクトルによる合成 正弦波の合成を,ベクトルを用いて表現する方法について理解できる.
6週 LとCの電圧と電流 コイルを流れる電流・コンデンサの両端の電圧を求められる.
7週 復習 これまでの内容の確認をし,試験に備える.
8週 前期中間試験 前期1週~7週までの範囲の試験問題を解く.
2ndQ
9週 解答・解説 前期中間試験の答案を返却後,復習を行う.
10週 RL・RC直列回路 RL・RCから成る直列回路について,電圧・電流を求められる.
11週 RLC直列回路 R・L・Cから成る直列回路について,電圧・電流を求められる.
12週 RL・RC並列回路 RL・RCから成る並列回路について,電圧・電流を求められる.
13週 RLC並列回路 R・L・Cから成る並列回路について,電圧・電流を求められる.
14週 交流電力(1) コイル・コンデンサを含む回路の電力を求められる.
15週 交流電力(2) 有効電力,無効電力,皮相電力について理解できる.
16週 前期期末試験 前期10週~15週までの範囲の試験問題を解く.
後期
3rdQ
1週 解答・解説 前期期末試験の答案を返却後,復習を行う.
2週 複素数 複素数の基礎項目と簡単な計算について理解できる.
3週 複素数の計算(1) 複素数の乗法・除法とベクトルの大きさ・偏角について理解できる.
4週 複素数の計算(2) 複素数の回転や共役複素数について理解できる.
5週 交流回路の複素数表示 複素数を用いた,電圧・電流表記,オームの法則について理解できる.
6週 RL・RC回路の複素数表示 コイル・コンデンサから成る回路の複素数計算について理解できる.
7週 RLC回路の複素数表示 R・L・Cから成る回路の複素数計算について理解できる.
8週 復習 これまでの内容の確認をし,試験に備える.
4thQ
9週 後期中間試験 後期2週~8週までの範囲の試験問題を解く.
10週 解答・解説 後期中間試験の答案を返却後,復習を行う.
11週 複素インピーダンス インピーダンスの複素数による回路計算について理解できる.
12週 複素アドミタンス アドミタンスの複素数による回路計算について理解できる.
13週 交流ブリッジ回路 ブリッジ回路に関する回路計算について理解できる.
14週 複素数による電力の計算(1) 複素数を用いた電力計算について理解できる.
15週 複素数による電力の計算(2) 複素電力について理解できる.
16週 学年末試験 後期11週~15週までの範囲の試験問題を解く.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力6000002080
専門的能力200000020
分野横断的能力0000000