工業数学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 工業数学
科目番号 0028 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 自作のテキスト,(補助教材)科学技術者のための基礎数学(矢野健太郎,石原繁共著)
担当教員 西田 茂生

到達目標

(1)極限,微分,偏微分,全微分の意味を理解し,与えたれた課題をこなすことができる.
(2)積分,重積分,複素変数の関数,ベクトル解析(grad,div,rot),直交関数系の意味を理解し,与えられた課題をこなすことができる.
(3)フーリエ級数の意味を理解し,与えられた課題をこなすことができる.
(4)フーリエ変換の意味を理解し,与えられた課題をこなすことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
工学の分野で頻繁に用いられる微分・積分,ベクトル解析,複素変数の関数について基礎と応用を学ぶ.また,後半部では直交関数系の概念を確立する.教材としては,工学分野に頻出するフーリエ変換を採り上げ,十分な演習を行う.
授業の進め方・方法:
自作のテキストを用いて説明を行い,演習によって理解を深める.定期的にそれまでの内容に関する小テストを行い,理解度をチェックする.
注意点:
関連科目
 数学は専門科目に共通する基礎科目であり,ほとんどの専門科目と関連している.
学習指針
 数学は計算手法だけではなく,その意味を理解することが重要である.そのためには復習を十分行うことが肝要である.また,理解度を深めるためには授業中の演習だけではなく,家庭での演習量を増やす必要がある.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 極限と微分係数 微分係数の意味を説明でき,問題が解ける.
2週 導関数と微分 導関数と微分の相違を説明でき,問題が解ける.
3週 偏微分(1) 偏微分の意味を説明でき,問題が解ける.
4週 偏微分(2) 偏微分に関する課題を解くことができる.
5週 全微分 全微分の意味を説明でき,問題が解ける.
6週 積分 積分の意味を説明できる.
7週 三角関数の積分 三角関数の概念と諸定理,三角関数の積分ができる.
8週 直交関数系 直交関数系の概念を理解し,説明ができる.
2ndQ
9週 重積分(1) 重積分の概念を理解し,説明ができる.
10週 重積分(2) 重積分に関する課題を解くことができる.
11週 複素数の演算法 複素数の四則演算と複素数の図的考察ができる.
12週 ベクトル解析の基礎(1) 勾配(grad)の意味が説明でき,問題が解ける.
13週 ベクトル解析の基礎(2) 発散(div)の意味が説明でき,問題が解ける.
14週 ベクトル解析の基礎(3) 回転(rot)の意味が説明でき,問題が解ける.
15週 前期末試験 授業内容を理解し,問題を適切に解くことができる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解不十分な点を解消する.
後期
3rdQ
1週 級数展開 級数展開の意味が説明でき,三角関数の級数展開ができる.
2週 フーリエ級数(1) 周期と周期関数,偶関数と奇関数が説明できる.
3週 フーリエ級数(2) フーリエ級数の考え方が説明でき,公式が導出できる.
4週 フーリエ級数(3) 与えられた課題を解くことができる.
5週 複素フーリエ級数 複素フーリエ級数が導出できる.
6週 フーリエ変換(1) フーリエ変換の意味が説明できる.
7週 フーリエ変換(2) フーリエ変換の諸定理の証明ができる.
8週 フーリエ変換(3) 与えられた課題を解くことができる.
4thQ
9週 特殊関数のフーリエ変換(1) δ関数の概念が説明できる.
10週 特殊関数のフーリエ変換(2) 定数、三角関数のフーリエ変換が導出できる.
11週 特殊関数のフーリエ変換(3) ヘビサイド関数、シグナム関数のフーリエ変換が導出できる.
12週 フーリエ変換の応用(1) 周期関数のフーリエ変換が導出できる.
13週 フーリエ変換の応用(2) フーリエ変換を用いて,微分方程式を解くことができる.
14週 周波数スペクトラム 周波数スペクトラムの意味が説明できる.
15週 学年末試験 授業内容を理解し,問題を適切に解くことができる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解不十分な点を解消する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3前7
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前12,前13,前14
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前12,前13,前14
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前12,前13,前14
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3前12,前13,前14
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3前12,前13,前14
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3前1
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前1
導関数の定義を理解している。3前2
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3前2
合成関数の導関数を求めることができる。3前2
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前2
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3前2
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3前2
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3前2
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3前2
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3前6
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3前6
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3前6
微積分の基本定理を理解している。3前6
定積分の基本的な計算ができる。3前6
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。3前6
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3前6,前7
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3前6
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3前6
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3前6
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3前3
いろいろな関数の偏導関数を求めることができる。3前4
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3前3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3前3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3前9
2重積分を累次積分になおして計算することができる。3前9,前10
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3前9,前10
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3前9,前10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他小テスト合計
総合評価割合700000030100
基礎的能力00000000
専門的能力700000030100
分野横断的能力00000000