材料・加工学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 材料・加工学
科目番号 0028 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「加工材料の知識がやさしくわかる本」,日本能率協会マネジメントセンター,西村 仁 著
担当教員 島岡 三義

到達目標

1.材料,特に金属材料に関する知識(材料の特徴,熱処理,品質とばらつき,コスト,加工のし
やすさ,JIS規格と実際の乖離)の全体像を説明できる。さらに,材料の強さ,具体的には剛
性と強度の違い,硬さの意味,軟らかさと粘り強さの違いが説明できる。
 2.材料の物理的性質,特に,密度,導電率,熱伝導率,磁性,熱膨張に関する,各種材料の特徴
   や程度の差が説明できる。また,さびの発生メカニズム,防食など,化学的性質に関しても説
明できる。さらに,工業材料として最も多く使用されている鉄鋼材料の主要な鋼種,それらの
主立った性質を説明できる。
 3. 鉄鋼材料の主要材料,特に,ステンレス鋼,合金鋼について,それらの特性をさらに詳しく
説明できる。また,非鉄金属材料として重要なアルミニウムとその合金,銅とその合金,チタ
ン,マグネシウムなどの特性を説明できる。
 4.非金属材料として重要なプラスチックとセラミックスについて,それらの主要な特性を説明で
   きる。また,鉄鋼材料等で重要な熱処理の意味を理解し,手法の概略を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物を作る場合,強度や形状および大きさに関する設計能力を有する必要があるが,適切な材料を選択し,最適な加工法を理解しておくことも重要である。本講義では,工業材料としてどのような材料が存在して,どのような用途に使用されているか,また,工業材料はどのような加工プロセスを経て成形,加工されているかを学習して,材料および加工法選択能力を高める。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である。講義項目とは特に連動はしないが,本講義に関連する専門用語の英単語テストを実施する。英単語は覚えるものであるが,名詞形,形容詞形などの規則性の理解を深められるようにする。定期試験返却時に解説し,理解が不十分な点を解消する。
注意点:
関連科目
化学Ⅰ・Ⅱ,機械工学実習などとの関連がある。
  学習指針
現存する工業材料の特徴,用途などの解説が主になる。身の回りにある道具,機器を構成する材料が何であるか?,なぜその材料が使用されているのか? という注視が重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 材料知識の全体像 材料と熱処理の全体像と主な材料の特徴を説明できる
2週 材料選定のキーポイント 材料の選定において大切な要素を説明できる
3週 材料知識の理解(1) 材料の理解を妨げる事項,材料の種類の多さを説明できる
4週 材料知識の理解(2) 材料の結晶構造,JIS規格と実物とのズレ等を説明できる
5週 材料の性質と機械的性質(1) 材料に求められること,機械的性質を説明できる
6週 材料の性質と機械的性質(2) 材料の弾性・塑性・破断,剛性と強度を説明できる
7週 前期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する
2ndQ
9週 物理的性質と化学的性質(1) 材料の重さ・導電率・熱伝導率,磁性,熱による材料の変形を説明できる
10週 物理的性質と化学的性質(2) 化学的性質(さびの発生メカニズム)を説明できる
11週 鉄鋼材料(1) 鉄鉱石からの鉄鋼材料の製造プロセスの概略を説明できる
12週 鉄鋼材料(2) 鉄鋼材料の成形(圧延,鋳造等)の概略を説明できる
13週 鉄鋼材料(3) 鉄鋼材料の基本的性質を説明できる
14週 鉄鋼材料(4) 鉄鋼材料の分類,主な材料の材料記号を説明できる
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する
後期
3rdQ
1週 鉄鋼材料(5) 炭素鋼の全体像と主要炭素鋼品を説明できる
2週 鉄鋼材料(6) ステンレス鋼の概略を説明できる
3週 鉄鋼材料(7) 各種合金鋼と鋳鉄の概略を説明できる
4週 非鉄・非金属材料(1) アルミニウムとアルミニウム合金の概略を説明できる
5週 非鉄・非金属材料(2) 銅と銅合金,他の主要な非鉄金属材料の概略を説明できる
6週 非鉄・非金属材料(3) プラスチックとセラミックの概略を説明できる
7週 後期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる
8週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する
4thQ
9週 熱処理(1) 熱処理の目的と焼入れの概略を説明できる
10週 熱処理(2) 焼戻し,焼なまし,焼ならし,表面硬化の概略を説明できる
11週 材料の選定 鉄鋼・非鉄・プラスチック材料等の選定法を説明できる
12週 塑性加工 主要な塑性加工法の概略を説明できる
13週 切削加工 切削工具に作用する力,切りくず処理の概略を説明できる
14週 表面処理 メッキの原理,役割等の概略を説明できる
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力500000050
専門的能力1000002030
分野横断的能力1000001020