微分積分Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 微分積分Ⅱ
科目番号 0034 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 「新版 微分積分Ⅱ」実教出版 岡本 和夫 監修,「新版 微分積分Ⅱ 演習」実教出版 岡本 和夫 監修
担当教員 飯間 圭一郎

到達目標

何となくわかったのでは不十分で,自力で問題が解けなければ意味がありません。
教科書の「例題」と「練習」,問題集の「A 問題」が自力で解けるようになることを最低目標とします。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1いろいろな関数表示の微分法,平均値の定理,テイラーの定理を理解し,計算や応用ができる。いろいろな関数表示の微分計算,平均値の定理やテイラーの定理を用いた計算ができる。いろいろな関数表示の微分計算,平均値の定理やテイラーの定理を用いた計算ができない。
評価項目2定積分や不定積分の意味を理解した上で計算ができ,定積分の応用として図形の面積,曲線の長さ,立体の体積の求め方を理解したうえで計算や応用ができる。定積分,不定積分が計算でき,定積分の応用として図形の面積,曲線の長さ,立体の体積の計算ができる。定積分,不定積分が計算できず,定積分を応用した図形の面積,曲線の長さ,立体の体積の計算ができない。
評価項目32変数関数のグラフとその偏微分の意味,性質を理解したうえで計算ができ,基礎となる定理を理解した上で,偏微分を用いて基本的な関数の基本的な性質を調べ応用することができる。2変数関数のグラフとその偏微分の基礎を理解したうえで計算でき,偏微分を用いて基本的な関数の基本的な性質を調べることができる。2変数関数のグラフとその偏微分を理解して計算することができず,偏微分を用いて基本的な関数の基本的な性質を調べることができない。
評価項目4重積分が計算でき,重積分の応用として立体の体積や表面積の計算,応用ができる。重積分が計算でき,重積分の応用として立体の体積や表面積の計算ができる。重積分が計算できず,重積分を応用して立体の体積や表面積を計算できない。
評価項目5微分方程式とその解について理解し,1階微分方程式や2階微分方程式の基礎問題や発展問題が解ける。微分方程式とその解について理解し,1階微分方程式や2階微分方程式の基礎問題が解ける。微分方程式とその解について理解できず,1階微分方程式や2階微分方程式が解けない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
円運動を表示するのによく使われる表示方法を 3 種類学びます。それぞれ長所短所を持ち,微分法 を用いて問題解決のために解析を行うとき,多くの手段を持つのが有効となります。このときの微分の方法さらに面積を求める積分法をそれぞれの表示法に応じてまとめてゆきます。そのあとに,2変数の微積分を学びますが,工学で使われる微積分の入門となりますのでしっかり理解しましょう。最後に微分方程式を学び,複雑な式表現を単純な式表現で多くの関数を分類して,造り出すことができます。
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心です。講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認します。
また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消します。
注意点:
[関連科目] 微分積分I,代数幾何I,代数幾何II
[学習指針] 微分・積分法は物理や専門科目においても使われる重要な内容ですので,よく理解して計算ができるようにしておくことが肝心です。基本的な内容は,2年次の「微分積分I」で学習したものを復習しながら,複数の新しい計算方法を身につけます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 いろいろな関数表示 関数の媒介変数表示,極座標表示で微分できる。
2週 平均値の定理,その応用 連続関数の性質,不定形の極限値を求めることができる。
3週 テイラーの定理 いろいろな関数を多項式で近似することができる。
4週 テイラーの定理の応用 関数の極値を,増減表を用いないで求めることができる。
5週 リーマン積分 面積を微小な面積の和の極限値として求めることができる。
6週 微分積分法の基本定理
定積分とリーマン積分が同じ値をもたらすことがわかる。
7週 不定積分 さらに複雑な関数の不定積分の計算ができる。
8週 定積分の応用 いろいろな関数表示で表された図形の面積を計算できる。
2ndQ
9週 曲線の長さ いろいろな関数表示で表された曲線の長さを計算できる。
10週 立体の体積 立体の体積の求め,広義積分を計算できる。
11週 2 変数関数,そのグラフ 2つの変数の関数の偏導関数を計算できる。
12週 極限値と偏導関数 2変数関数の極限値,偏導関数を計算できる。
13週 合成関数の偏導関数 2変数関数の合成関数について偏導関数を計算できる。
14週 全微分と接平面 2変数関数の近似について学ぶ。2次近似とその誤差を出せる。
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。
後期
3rdQ
1週 極値問題 2変数関数の極値の求めることができる。
2週 陰関数の微分法 陰関数定理を学び,陰関数の極値を求めることができる。
3週 条件付き極値問題 ある条件のもとでの2変数関数の極値を求めることができる。
4週 2 重積分の定義 重積分の値を計算できる。
5週 累次積分と順序交換 積分領域を図示して,積分の順序を変更して計算できる。
6週 2 重積分と座標変換 極座標など,座標系を変えて積分値を計算できる。
7週 体積,ガウス型積分 立体の体積を重積分法で計算できる。
8週 重心とモーメント ものの重心の求め方,慣性モーメント計算できる。
4thQ
9週 微分方程式とその解 自然現象は導関数を式の中に含んだ方程式で表現できる。
10週 変数分離形 変数分離型の微分方程式を解ける。
11週 同次形 同次形の微分方程式を解ける。
12週 線形微分方程式 線型微分方程式を解くことができる。
13週 2 階微分方程式(1) 1階微分方程式に直して2階微分方程式を解ける。
14週 2 階微分方程式(2)
係数が定数である2階線形微分方程式を解ける。
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に正しく解答することかできる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3

評価割合

試験課題発表相互評価態度ポートフォリオ合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力60400000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000