科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 公共
科目番号 0036 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 『詳述 公共』実教出版/『歴史総合図説 シンフォニア』帝国書院/配布プリント
担当教員 上島 智史

到達目標

1.人生における青年期の意義を理解し、社会の中で自立した自己形成を考察できる。
2.哲学者たちが追求した人間の幸福な生き方を理解し、現代社会における人間としてのあり方・生き方を考察できる。
3.二度の世界大戦が国際法と国際政治に与えた影響を理解し、世界で起こる諸問題について多角的・多面的に考察できる。
4.経済のグローバル化と国際関係について理解し、国家の枠組みを超えた連携・協力の必要性を考察できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1人生における青年期の意義を理解し、社会の中で自立した自己形成を考察できる。人生における青年期の意義を理解できる。人生における青年期の意義を理解できていない。
評価項目2哲学者たちが追求した人間の幸福な生き方を理解し、現代社会における人間としてのあり方・生き方を考察できる。哲学者たちが追求した人間の幸福な生き方を理解できる。哲学者たちが追求した人間の幸福な生き方を理解できていない。
評価項目3二度の世界大戦が国際法と国際政治に与えた影響を理解し、世界で起こる諸問題について多角的・多面的に考察できる。二度の世界大戦が国際法と国際政治に与えた影響を理解できる。二度の世界大戦が国際法と国際政治に与えた影響を理解できていない。
評価項目4経済のグローバル化と国際関係について理解し、国家の枠組みを超えた連携・協力の必要性を考察できる。経済のグローバル化と国際関係について理解できる。経済のグローバル化と国際関係について理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
グローバル化・情報化など、私たちの生活が便利になる一方で社会構造や雇用環境も大きく変化してきている。その中で、自己を社会の中でどのように位置付け、どう生きていくのかを見つめ直す必要がある。本講義では、現代社会に関する倫理・政治・経済・国際関係などの基本的事項を確認していく。また、現代の諸課題について、技術者・研究者がどのように携わっていくべきかを考察することを目指す。なお、前期は倫理と国際関係を中心に授業を実施する。
授業の進め方・方法:
公共の学習で重要になるのは、現代の出来事と結びつけて考察できる能力である。政治・経済・法律・国際関係などの基礎を学ぶとともに、ニュースなどで世界各地の情報に触れることで現代社会の成り立ちを考察する。そのため、必要に応じてプリントを配布する。また、思考力を高めるために、グループワークや視聴覚教材を活用する。
注意点:
関連科目
地理・歴史・政治経済・現代社会と法・人間環境学・地域学
学習指針
現代社会を理解するためには講義だけでなく、ニュースなどを通じて世界情勢にも目を向ける必要がある。
自己学習
到達目標を達成するためには、授業以外にも教科書を読むなど、授業内容について理解を深める必要がある。特に、授業後の復習を欠かさないようにすること。以下の点に注意すること
 ・事前学習:あらかじめ講義内容に該当する部分の教科書を読み、用語などの分からないものは調べておく。
 ・事後発展学習:配布プリントと教科書をもとに、授業後の復習を欠かさないようにすること。

学修単位の履修上の注意

到達目標を達成するために事前学習・事後学習を自学自習として取り組むこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
 18歳成人で何が変わるのか?
授業の内容と達成目標等、その概要を理解できる。
2週 倫理①
 青年期の意義
人生における青年期の意義を理解することができる。
3週 倫理②
 青年期の課題
青年期の位置づけを理解し、自己形成の課題について考察できる。
4週 倫理③
 ギリシアの思想
ソクラテス・プラトン・アリストテレスの思想を理解し、よく生きることとは何かを考察できる。
5週 倫理④
 人間の尊重
ルネサンス以降の人間観を理解し、ベーコンやデカルトが求めた新たな学問について考察できる。
6週 倫理⑤
 人間の自由・尊厳
カント・ベンサム・ミルの思想を理解し、義務論と帰結主義の対立について、具体例をもとに自身の考えを述べることができる。
7週 倫理⑥
 主体性の確立と他者の尊重
思想家たちが主体性の確立、他者と尊重をどうとらえたかを理解することができる。
8週 世界の諸問題①
 地球環境問題とその対策
人間の経済活動と環境問題の関係を理解し、持続可能な開発について考察できる。
2ndQ
9週 国際①
 東西冷戦とベルリンの壁
ドイツの分断から統一までの過程を理解し、冷戦の影響について考察できる。
10週 国際②
 国際連合と朝鮮戦争
国連の集団安全保障体制を理解し、朝鮮戦争での国連の動向を考察できる。
11週 国際③
 キューバ危機と核軍縮
冷戦下における核兵器の存在と核なき世界にむけた様々な取り組みを理解できる。
12週 国際④
 中国と台湾
中国と台湾の歴史を理解し、今後の東アジア情勢について考察できる。
13週 国際⑤
 ベトナム戦争と国際政治の変化
アメリカが東南アジアに介入した背景とベトナム反戦運動の広がりを理解できる。
14週 国際⑥
 アラブの春と主導力なき世界
冷戦終結後のアメリカ、ロシア、中国の動向を理解し、現代の世界情勢を考察できる。
15週 前期末試験 これまでの授業内容を理解し、試験問題に対して正しく解答することができる。
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し、理解が不十分な点を解消できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3前3,前4,前15,前16
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前15,前16
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3前8,前15,前16
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3前8,前15,前16
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前8,前15,前16
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前1,前8,前15,前16
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3前1,前8,前15,前16
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前1,前8,前15,前16
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3前1,前8,前15,前16

評価割合

定期試験授業への取り組み(ワークシートの完成度・レポート課題)合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100