現代制御理論

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 現代制御理論
科目番号 0037 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「現代制御の基礎」,森北出版,田中幹也,石川昌明,浪花智英共著
担当教員 飯田 賢一

到達目標

1.古典制御理論と現代制御制御理論の位置づけを説明できる.制御システムを状態方程式・出力方程式で記述することができ,状態変数線図を描くことができる.システムの可制御性,可観測性,安定性を判別することができる.

2.極配置問題を状態フィードバック制御,直接フィードバック制御,オブザーバを用いて解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
制御工学(4年,5年)において習得しつつある古典制御理論をベースとして,現代制御理論の基礎を習得することを目標とする.特に,制御系解析・設計基礎を十分に押さえるとともに,応用能力が必要であることを認識させる.具体的には,古典制御理論に対する現代制御理論の位置づけを理解し,現代制御理論における制御システムの記述法や制御システムの特性を理解し,説明できる能力を身につける.さらに,理解した内容を基に,状態方程式・出力方程式などの導出,可制御性・可観測性,安定性の判別を行える能力を身につけ,制御系の設計を自らできる能力を身につける.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認する.講義中に演習を行うため,電卓やグラフ用紙を忘れないこと.講義中の演習が,時間不足で未完成の場合は宿題とし,必ず次回の講義までに終えておくこと.理解を深めるために,レポートを課すので,提出期限に遅れないように提出すること.
注意点:
関連科目:制御工学Ⅰ,制御工学Ⅱ,数学などと関連が深い.
学習指針:数学的な要素が中心であるが,各自の身の回りにあるものにも着目し,学習することが重要である.
自己学習:到達目標を達成するために,授業時間以外にも自学・自習を怠らないこと.小テスト,宿題,課題レポート,予習復習状況を自己学習の成果とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 現代制御理論の概要 古典制御と現代制御理論の位置づけを説明できる.
2週 行列演算の基礎 座標変換行列,対角座標変換行列など,固有値,固有ベクトルを求めることができる.
3週 状態方程式(1) 制御システムの状態方程式と出力方程式を導出し,状態変数線図を描くことができる.
4週 状態方程式(2) 伝達関数と状態変数表示を理解し,相互変換ができる.
5週 状態方程式(3) 状態方程式の解法を理解し,解くことができる.
6週 可制御性 可制御性を理解し,可制御性を判別することができる.
7週 可観測性 可観測性を理解し,可観測性を判別することができる.
8週 可制御・可観測正準形 可制御・可観測正準形を求めることができる.
4thQ
9週 安定性 安定性と平衡点について理解し,状態方程式から安定性を判別することができる.
10週 漸近安定 安定と漸近安定について理解し,説明できる.
11週 安定性解析 リアプノフの安定判別法を用いて,非線形システムの安定判別ができる.
12週 極配置(1) 極配置について理解し,状態フィードバック制御の制御則を求めることができる.
13週 極配置(2) 直接フィードバック制御を理解し,制御則を求めることができる.
14週 極配置(3) オブザーバを理解し,オブザーバを用いた状態フィードバック制御の制御則を求めることができる.
15週 まとめ 現代制御理論の概要を理解し,説明できる.
16週 期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく回答できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。3
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。3
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。3
伝達関数を説明できる。3
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。3
制御系の過渡特性について説明できる。3
制御系の定常特性について説明できる。3
制御系の周波数特性について説明できる。3
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。3

評価割合

定期試験自己学習成果相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
0000000