ロボティクス

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 ロボティクス
科目番号 0038 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「ロボット工学」,コロナ社,早川恭弘・櫟 弘明・矢野 順彦
担当教員 早川 恭弘

到達目標

前期中間試験:1)ロボットの定義及び歴史の理解、2)サーボ機構の定義、3)アクチュエータ概論、
       4)自由度の理解、5)ベクトル,行列の復習,6)同次変換行列の計算
        各項目に関して,説明及び計算ができる.
前期末試験: 1)座標変換、2)回転・並進変換、3)変換行列の計算,4)運動学
       5)DH記法とは,6)リンクパラメータ
        各項目に関して,説明及び計算ができる.
後期中間試験:1)DH記法の基礎、2)DH記法演習、3)順運動学方程式,4)逆運動学方程式,
       5)ラグランジュの運動方程式
        各項目に関して,説明,式の導出及び計算ができる.
学年末試験: 1)ラグランジュの運動方程式、2)ロボット制御、3)直流・交流アクチュエータ,
4)ステッピングモータ,5)ニューアクチュエータ
         各項目に関して,説明及び計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ロボットの定義及び歴史を完全に理解し、サーボ機構の定義を述べることができる.また、自由度を理解し、同次変換行列の計算が完全にできる.ロボットの定義及び歴史を一部理解し、サーボ機構の定義を不完全だが述べることができる.また、自由度を一部理解し、同次変換行列の計算が一部できる.ロボットの定義及び歴史を理解しておらず、サーボ機構の定義を述べることができない.また、自由度を理解していない.さらに、同次変換行列の計算ができない.
評価項目2座標変換として,回転・並進変換を完全に理解し、変換行列の計算が全て解ける.また,運動学を完全に理解し,DH記法の解き方を完全に把握している.さらに,リンクパラメータ表の作成が完全にできる.座標変換として,回転・並進変換を一部理解し、変換行列の計算が一部解ける.また,運動学を理解し,DH記法の解き方を把握している.さらに,リンクパラメータ表の作成が一部できる.座標変換として,回転・並進変換を理解していない.また、変換行列の計算ができない.さらに,運動学を理解しておらず,DH記法の解き方も把握していない.また,リンクパラメータ表の作成ができない.
評価項目3順運動学方程式及び,逆運動学方程式を完全に理解し,導出することができる.また,ラグランジュの運動方程式の簡略方式を完全に解ける.順運動学方程式及び,逆運動学方程式を一部理解し,導出することが一部できない.また,ラグランジュの運動方程式の簡略方式を不完全だが解ける.順運動学方程式及び,逆運動学方程式を理解しておらず,導出することができない.また,ラグランジュの運動方程式の簡略方式が解けない.
評価項目4ラグランジュの運動方程式の厳密解が完全に解ける.また,ロボット制御について完全に説明できる.ラグランジュの運動方程式の厳密解が一部解ける.また,ロボット制御について一部説明できる.ラグランジュの運動方程式の厳密解が解けない.また,ロボット制御について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
基礎知識として,物理,数学,制御について復習し,ロボットの機構解析に必要不可欠な座標変換,運動方程式について学ぶ.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認する.また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する.
注意点:
 関連科目
 応用数学,応用物理,制御工学などを十分に復習しておくこと.
  学習指針
    ロボットの機構,制御方法及びロボットの運動を解析するために必要なDH記法について
 理解することを目的とする.
  自己学習
    目標を達成するためには,授業以外にも練習問題を解き,予習復習を怠らないこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ロボット概論 ロボティクスを学ぶのに必要な基礎知識を理解し,説明できる.
2週 定義,歴史,用語 ロボットの定義と歴史及び,ロボティクスで使用する用語について説明できる.
3週 サーボ機構及びアクチュエータ概論 サーボ機構の仕組みとアクチュエータの種類,構造を説明できる.
4週 アクチュエータ概論 アクチュエータの種類,構造を説明できる.
5週 自由度,ロボットの記号化 自由度の意味を理解し,記号によるロボット図示ができる.
6週 同次変換 同次変換の計算ができる.
7週 回転・並進変換の基礎 座標変換(基準座標系,関節座標系)及び回転・並進変換ができる.
8週 回転・並進変換の演習1 回転・並進変換の解き方理解し,演習問題ができる.
2ndQ
9週 回転・並進変換の演習2 回転・並進変換の演習問題が解ける.
10週 変換行列の演習 物体の回転・並進変換が解ける.
11週 物体の変換 3次元空間における物体の変換方法を理解し,その問題が解ける.
12週 運動学について 順運動学方程式,逆運動学方程式を解ける.
13週 DH記法について ロボットの運動学方程式を導出するための基礎としてDH記法の概要を理解し,問題が解ける.
14週 リンクパラメータの基礎 リンクパラメータ作成のための語句及び作成方法を理解している.
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答できる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.
後期
3rdQ
1週 リンクパラメータの演習 各種ロボットに対するリンクパラメータ作成と演習問題が解ける.
2週 DH記法の復習 リンクパラメータ作成方法,DH記法についての理解し,問題が解ける.
3週 DH記法による順運動・逆運動学の導出の基礎 DH記法による運動学方程式導出方法を理解し,問題が解ける.
4週 DH記法による順運動・逆運動学導出の演習 DH記法による運動学方程式導出方法を理解し,問題が解ける.
5週 DH記法による順運動・逆運動学導出の演習 各種ロボットに関して,DH記法による運動学方程式が導出できる.
6週 ロボットのモデル化 モデル化の重要さを理解する.
7週 解析力学について 運動力学からラグランジュの運動方程式までを理解し,説明できる.
8週 ラグランジュ運動方程式
基礎
ラグランジュ運動方程式の意味を理解する.
4thQ
9週 ラグランジュ運動方程式
演習
ラグランジュ運動方程式の導出方法を理解し,問題が解ける.
10週 ラグランジュ運動方程式
応用
ラグランジュ運動方程式の厳密解導出方法を理解し,問題が解ける.
11週 運動方程式の導出 ラグランジュ運動方程式の厳密解導出方法と一般解導出ができる.
12週 各種制御手法の理解 ハイブリッド制御,学習制御及びトルク制御方法などを理解できる.
13週 DCサーボモータの理解 DCサーボモータの構造,駆動原理を説明できる.
14週 ACサーボモータの理解 ACサーボモータの構造,駆動原理を理解する.
15週 ニューアクチュエータ解説 圧電セラミックス,超音波モータ,形状記憶合金の構造を理解する.
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオ合計
総合評価割合80100100100
基礎的能力600010070
専門的能力201000030