流体力学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 流体力学
科目番号 0038 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「明解入門 流体力学」、杉山弘編著、松村昌典・河合秀樹・風間俊治共著,森北出版
担当教員 中村 篤人

到達目標

1. 流体の構造と特徴を理解し,流体力学で用いる各種物理量を正しく使用することが出来る.静止流体中の圧力,壁面の及ぼす力,浮力などについて各種値を求めることが出来る.
2. 流線や流管など,流れの様子の表し方を理解し,正しく使用することができる.連続の式,Eulerの運動方程式を理解し,ベルヌーイの定理を用いて各種現象,問題を解くことが出来る.
3. 運動量の法則を理解し,噴流,ジェット推進,二次元流れなどに対して,同法則を適用し,物体に及ぼされる力を求めることができる.粘性流れを理解し,直円管内の流れ,圧力損失を求めることができる.
4. 拡大管,縮小管など管路網における代表的な損失を求めることができる.物体に作用する流体力を理解し,求めることが出来る.境界層流れを理解し,各種値を求めることができる.物体周りの流れを正しくイメージし,問題を解くことが出来る.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学や制御工学の分野においては,流体の性質,基本的な流れ状態,流路内の流れ,物体周りの流れと物体に働く力など,流れの特性を理解して設計や制御を行うことが必要である.本講義では機械や制御機器の設計に応用できる流体力学の基礎知識を身につけることを目的とする.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心となる.講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認する.また,定期試験返却時に開設を行い,理解が不十分な点を解消する.
注意点:
関連科目
3年次までの数学,物理の学習が基本となる.また応用力学,材料力学,熱力学などとの関連が深い.
学習指針
数学的な取扱が多いが,現象を具体的にイメージ出来ることが重要となる.
自己学習
到達目標を達成するために,授業の復習を必ず行い,また教科書の演習問題を解いてみること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 流体の物理的性質(1) 圧力,密度,粘性とせん断応力等,流体力学で用いる各種物理量を正しく使用することが出来る.
2週 流体の物理的性質(2) 流体の性質である圧縮性,また表面張力について説明することが出来る
3週 静止流体の力学(1) 静止流体中の圧力,パスカルの原理,絶対圧力とゲージ圧力,マノメータ等について理解し,各種値を求めることが出来る.
4週 静止流体の力学(2) 壁面に及ぼす流体の力を求めることができる.
5週 静止流体の力学(3) 浮力,浮揚体の安定性,相対的静止状態の流体(慣性力)について求めることができる.
6週 静止流体の力学(4) 運動する容器内の流体の挙動を理解し,各種値を求めることができる.
7週 前期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することが出来る.
8週 流体運動の基礎(1) 流線と流管,一次元流れの連続の式,一次元流れの運動方程式について理解し,各種値を求めることが出来る.
2ndQ
9週 流体運動の基礎(2) 流れの回転と渦を理解し,各種値を求めることができる.
10週 ベルヌーイの定理と応用(1) 流体の位置エネルギーと運動エネルギーを理解し,説明することが出来る.
11週 ベルヌーイの定理と応用(2) ベルヌーイの式を用いて,各種値を求めることができる.
12週 ベルヌーイの定理と応用(3) ピトー管の仕組みを理解し,流速を求めることが出来る.
13週 ベルヌーイの定理と応用(4) ベンチュリ管の仕組みを理解し,流量を求めることができる.
14週 ベルヌーイの定理と応用(5) オリフィスを理解し,流速を求めることができる.
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することが出来る.
16週 試験返却・解説 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.
後期
3rdQ
1週 運動量の法則と応用(1) 運動量の法則を理解し,説明することができる.
2週 運動量の法則と応用(2) 噴流が平板に及ぼす力を理解し,各種値を求めることができる.
3週 運動量の法則と応用(3) 二次元流れへ運動量の法則を適用し,各種値を求めることができる.
4週 粘性流れ(1) 流れの相似則について理解し,説明することができる.
5週 粘性流れ(2) 層流と乱流の違いを理解し,それぞれについて説明することができる.
6週 粘性流れ(3) 円管内の流れと圧力損失を理解し,各種値を求めることができる.
7週 後期中間試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することが出来る.
8週 粘性流れ(4) 一様流中におかれた物体に作用する力について説明することができる.
4thQ
9週 管路内の流れ(1) 円管内の層流における流体の速度分布について理解し,各種値を求めることができる.
10週 管路内の流れ(2) 管摩擦損失について理解し,各種値を説明することができる.
11週 管路内の流れ(3) 拡大管,縮小管における圧力損失を理解し,各種値を求めることができる.
12週 物体まわりの流れ(1) 物体に働く流体力について理解し,説明することができる.
13週 物体まわりの流れ(2) 境界層について理解し,説明することができる.
14週 物体まわりの流れ(3) 円柱,球まわり,翼まわりの流れを理解し,各種値を求めることができる.
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することが出来る.
16週 試験返却・解説 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題質問への回答内容態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702010000100
基礎的能力702010000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000