工業数学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 工業数学
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 科学技術者のための 基礎数学(新版):矢野健太郎,石原繁 共著(裳華房)/工学基礎演習シリーズ1 フーリエ解析:H.P.Hsu 原著,佐藤平八 訳(森北出版)
担当教員 橋爪 進

到達目標

1. 微分,偏微分,全微分,積分,重積分の意味を理解し,与えられた課題を解くことができる.
2. ベクトル解析の基礎を理解し,与えられた課題を解くことができる.
3. フーリエ級数の意味を理解し,与えられた課題を解くことができる.
4. フーリエ変換の意味を理解し,与えられた課題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微分,偏微分,全微分,積分,重積分の意味を理解し,説明することができるとともに,利用することができる.微分,偏微分,全微分,積分,重積分の意味を理解し,与えられた課題を解くことができる.微分,偏微分,全微分,積分,重積分の意味を理解し,与えられた課題を解くことができない.
評価項目2ベクトル解析の基礎を理解し,説明することができるとともに,利用することができる.ベクトル解析の基礎を理解し,与えられた課題を解くことができる.ベクトル解析の基礎を理解し,与えられた課題を解くことができない.
評価項目3フーリエ級数の意味を理解し,説明することができるとともに,利用することができる.フーリエ級数の意味を理解し,与えられた課題を解くことができる.フーリエ級数の意味を理解し,与えられた課題を解くことができない.
評価項目4フーリエ変換の意味を理解し,説明することができるとともに,利用することができる.フーリエ変換の意味を理解し,与えられた課題を解くことができる.フーリエ変換の意味を理解し,与えられた課題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
工学の分野でよく用いられる数学の道具の中に,ベクトル解析,フーリエ変換がある.本講義では,微分,積分,ベクトル解析,フーリエ級数,フーリエ変換についての基礎を学習し,工学的問題の解決のために利用できる素養を身につける.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.小テストおよび演習を通して理解度を深める.また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する.
注意点:
関連科目:
 数学は専門科目に共通する知識であり,ほとんどの専門科目に関連がある.
学習指針:
 数学を使いこなすためには,計算手法を習得するだけでなく,その意味を理解することが重要である.そのためには,授業での説明を聴講し,不明な点は質問するとともに復習を十分に行うことが肝要である.
自己学習:
 理解度を深めるためには,授業中の演習だけでなく,授業以外でも練習問題を解き,予習復習を怠らないこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 極限と微分係数 微分係数の意味を説明でき,問題を解くことができる
2週 導関数と微分 導関数と微分の意味を説明でき,問題を解くことができる
3週 偏微分 偏微分の意味を説明でき,問題を解くことができる
4週 全微分 小テスト.全微分の意味を説明でき,問題を解くことができる
5週 定積分 積分・定積分の意味を説明でき,問題を解くことができる.
6週 三角関数の積分 三角関数の概念が理解でき,三角関数の積分に関する問題を解くことができる.
7週 重積分(1) 重積分の意味を説明でき,問題を解くことができる.
8週 重積分(2) 重積分に関する課題を解くことができる.
2ndQ
9週 空間のベクトル 小テスト.ベクトルの内積と外積の意味を説明でき,問題を解くことができる.
10週 ベクトルの微分・積分 ベクトルの微分と積分の意味を説明でき,問題を解くことができる.
11週 ベクトル解析の基礎(1) 勾配(grad)の意味を説明でき,問題を解くことができる.
12週 ベクトル解析の基礎(2) 発散(div)の意味を説明でき,問題を解くことができる.
13週 ベクトル解析の基礎(3) 回転(rot)の意味を説明でき,問題を解くことができる.
14週 線積分・面積分 線積分と面積分の意味を説明でき,問題を解くことができる.
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.
後期
3rdQ
1週 級数展開 級数展開の意味が説明でき,三角関数の級数展開ができる.
2週 複素数 複素数の演算,極形式を説明でき,問題を解くことができる.
3週 フーリエ級数(1) 小テスト.周期と周期関数,偶関数と奇関数を理解し,説明することができる.
4週 フーリエ級数(2) フーリエ級数の考え方を理解し,説明することができる.
5週 フーリエ級数(3) 与えられた課題を解くことができる.
6週 複素フーリエ級数 複素フーリエ級数を理解し,導出することができる.
7週 フーリエ変換(1) 小テスト.フーリエ変換の意味を理解し,説明することができる.
8週 フーリエ変換(2) フーリエ変換の性質を理解し,利用することができる.
4thQ
9週 フーリエ変換(3) 与えられた課題を解くことができる.
10週 特殊関数のフーリエ変換(1) 小テスト.デルタ関数のフーリエ変換を導出することができる.
11週 特殊関数のフーリエ変換(2) 定数,三角関数のフーリエ変換を導出することができる.
12週 特殊関数のフーリエ変換(3) ヘビサイド関数,シグナム関数のフーリエ変換を導出することができる.
13週 フーリエ変換の応用(1) 小テスト.周期関数のフーリエ変換を導出することができる.
14週 フーリエ変換の応用(2) フーリエ変換を用いて微分方程式を解くことができる.
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3前9,前10,前11,前12,前13,前14
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3前1,前2
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前1,前2
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3前1,前2
合成関数の導関数を求めることができる。3前1,前2
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前1,前2
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3前1,前2
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3前5,前6
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3前5,前6
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3前5,前6
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3前5,前6
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3前3,前4
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3前3,前4
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3前3,前4
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3前3,前4
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3前7,前8,前14
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3前7,前8,前14
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3前7,前8,前14

評価割合

試験小テスト・演習合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000