生体工学

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 生体工学
科目番号 0045 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「はじめての生体工学」,講談社,山口昌樹・石川拓司・大橋俊朗・中島 求 共著
担当教員 矢野 順彦

到達目標

1.人体の構造と機能に関する基礎事項を理解できる.
2.生体組織における材料力学に関する基礎事項を理解できる.
3.生体の筋骨格系における機械力学に関する基礎事項を理解できる.
4.生体内における流れ現象に関する基礎事項を理解できる.
5.生体内の熱輸送現象に関する基礎事項を理解できる.
6.生体量を工学的に表現する電気等価回路の手法を理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
人体の構造と機能に関する応用事項を理解できる.人体の構造と機能の概要を理解できる.人体の構造と機能を正しく理解できない.
生体組織における材料力学に関する応用事項を理解できる.生体組織における材料力学の概要を理解できる.生体組織における材料力学を正しく理解できない.
生体の筋骨格系における機械力学に関する応用事項を理解できる.生体の筋骨格系における機械力学の概要を理解できる.生体の筋骨格系における機械力学を正しく理解できない.
生体内における流れ現象と輸送現象に関する応用事項を理解できる.生体内における流れ現象と輸送現象の概要を理解できる.生体内における流れ現象と輸送現象を正しく理解できない.
生体量を工学的に表現する電気等価回路に関する応用事項を理解できる.生体量を工学的に表現する電気等価回路の概要を理解できる.生体量を工学的に表現する電気等価回路を正しく理解できない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2a) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-2b) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生体の機能と構造を理解するとともに,これまでに学んだ工学(機械工学,電気電子工学,材料工学など)と融合させることで,バイオニクス,バイオメカニクス,生体医工学,バイオミメティクスへの応用を目指す学問分野の基礎事項を説明する.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認する.積極的な授業参加や成績不振者の学力補充レポートの提出があった場合は加点評価とし,課題レポートの未提出・提出遅れ,講義中の他の学生への迷惑行為(私語など)が認められた場合は減点評価とする.
注意点:
関連科目:数学,応用物理,化学(特に有機化学の分野),機械工学と電気工学の各科目,ロボティクス.
学習指針:数学的取り扱いが含まれるため,各自の経験や身近な体験を通じて説明できるまで理解することが重要である.
自己学習:到達目標を達成するためには,授業以外にも教科書の例題や演習問題を解き理解を深める必要がある.関連する図書も参考にして自学・自習をすること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 生体工学の概要 生体工学とは何かを理解できる.(教科書 第1章)
2週 人体の構造と機能(1) 人体の筋骨格系と循環器系を理解できる.(教科書 第2,8章)
3週 人体の構造と機能(2) 人体の神経系と受容器を理解できる.(教科書 第2,8章)
4週 生体の材料力学(1) 生体硬組織の材料力学特性を理解できる.(教科書 第3,9章)
5週 生体の材料力学(2) 生体軟組織と細胞の材料力学特性を理解できる.(教科書 第3,9章)
6週 生体の機械力学(1) 人体の筋骨格系におけるモーメントの関係と人体セグメントモデルを理解できる.(教科書 第4,10章)
7週 生体の機械力学(2) 生体運動の逆動力学解析,順動力学解析および筋力推定の手法を理解できる.(教科書 第4,10章)
8週 後期中間試験・解答 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.試験内容を理解し,理解が不十分な点を解消する.
4thQ
9週 生体の流体力学(1) 人体の循環器系における血液の流れ現象を理解できる.(教科書 第5,11章)
10週 生体の流体力学(2) 人体の呼吸器系,消化器系における流れ現象を理解できる.(教科書 第5,11章)
11週 生体の移動現象論(1) 輸送現象論の基礎を理解できる.(教科書 第6章)
12週 生体の移動現象論(2) 人体内の熱輸送と物質輸送の概要を理解できる.(教科書 第6章)
13週 電気系と機械系とのアナロジー(1) 生体量と機械量との対応を理解できる.(教科書 第7章)
14週 電気系と機械系とのアナロジー(2) 生体系へ電気等価回路を導入する手法を理解できる.(教科書 第7章)
15週 まとめ これまでに学習した内容全般を理解できる.
16週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス地球上の生物の多様性について説明できる。3後1,後2,後3
生物に共通する性質について説明できる。3後1,後2,後3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3後6,後7
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3後4,後5
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3後4,後5
振動の種類および調和振動を説明できる。3後13,後14
熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。3後9,後10
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。3後9,後10
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。3後9,後10
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。3後9,後10
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3後11,後12
材料金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。3後4,後5
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3後4,後5
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。3後4,後5
電気・電子系分野電気回路R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3後13,後14
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート課題ノート作成合計
総合評価割合7000002010100
基礎的能力00000000
専門的能力7000002010100
分野横断的能力00000000