交流理論Ⅱ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 交流理論Ⅱ
科目番号 0047 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『電気回路 (1) 直流・交流回路編』(出版社:コロナ社,著者:早川 義晴)
担当教員 山口 和也

到達目標

下記の内容を習得することを本講義の到達目標とする.

前期中間試験:(1)キルヒホッフの法則,(2)重ね合わせの理,(3)テブナン・ノートンの定理による等価回路
前期期末試験:(1) 三相交流の基礎,(2) Y・Δ・V結線での電圧・電流計算,(3)三相交流の電力
後期中間試験:(1)共振・インピーダンス整合,(2) 1階微分方程式の解法,(3) 直流電源を用いたRL・RC回路の過渡現象
学年末試験 :(1) パルス回路,(2) 交流電源と過渡現象,(3) RLC回路の過渡現象

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
回路方程式と等価回路キルヒホッフの法則を用いた回路計算ができ,理想電圧源・理想電流源の説明ができ,テブナン・ノートンの定理を用いて電圧・電流の計算ができる.キルヒホッフの法則を用いて回路計算ができ,テブナン・ノートンの定理を用いて電圧・電流の計算ができる.キルヒホッフの法則,テブナン・ノートンの定理を理解していない.
三相交流の電圧・電流・電力三相交流の基本的な性質を理解し,各結線において線間電圧・線電流・電力を導出し,正しく計算できる.三相交流の基本的な性質を理解し,各結線において線間電圧・線電流・電力を正しく計算できる.三相交流の基本性質,各結線における電圧・電流・電力の計算ができない.
共振,過渡現象の基礎共振条件・最大電力条件を導出でき,過渡状態・定常状態を具体例と共に説明でき,それぞれの計算ができる.共振・最大電力を実現するための周波数・インピーダンスの計算ができ,簡単な回路での過渡現象を求められる.共振・インピーダンス整合の意味を理解しておらず,微分方程式を解き電圧・電流を求めることができない.
過渡現象の応用正弦波・矩形波電源を用いた際の各素子の電圧・電流の挙動を説明・計算でき,RLC回路における電圧・電流を,各素子の値により場合分けして求められる.正弦波・矩形波電源を用いた際の各素子の電圧・電流を計算でき,RLC回路における電圧・電流を,各素子の値により場合分けして求められる.交流電源を用いた際の電圧・電流を導出できず,RLC回路における電圧・電流の挙動変化の条件を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
キルヒホッフの法則,重ね合わせの理,各種等価回路,三相交流,共振,インピーダンス整合,過渡現象について解説する.また,中間・期末試験前に上記内容の定着のための演習を行う.
授業の進め方・方法:
基本的に,前半の45分を講義形式,後半の45分を演習形式で授業を行う.具体的には,前半でその日習得すべき内容を教員が伝え,その内容に関する類題を後半の時間で学生が解く.
注意点:
-関連科目
 電気回路,数学(微分積分・代数・幾何)を基礎とする.また,電子回路,電子工学,制御工学の基礎となる.

-学習指針
 本講義を理解するために,1年次の『電気回路』,『数学α』,『数学β』,および2年次の『交流理論Ⅰ』,『微分積分Ⅰ』,『代数・幾何Ⅰ』の内容については正しく理解しておくこと.それらを踏まえ,より専門的な内容を含む本講義との関連を意識すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 キルヒホッフの法則(1) 節点電圧法を用いたキルヒホッフの法則を理解できる.
2週 キルヒホッフの法則(2) 網目電流法を用いたキルヒホッフの法則を理解できる.
3週 等価電源 各種回路で,等価電源による回路計算について理解できる.
4週 重ね合わせの理 重ね合わせの理を用いた回路計算について理解できる.
5週 テブナンの定理 テブナンの定理とそれを用いた回路計算について理解できる.
6週 ノートンの定理 ノートンの定理とそれを用いた回路計算について理解できる.
7週 復習 これまでの内容の確認をし,試験に備える.
8週 前期中間試験 前期1週~7週までの範囲の試験問題を解く.
2ndQ
9週 解答・解説 前期中間試験の答案を返却後,復習を行う.
10週 三相交流の基礎 三相交流の発生や性質について理解できる.
11週 三相交流の構成 相電圧・相電流・線間電圧・線電流について理解できる.
12週 スター結線の三相交流 スター結線で構築される三相交流回路内の各電圧・電流を求められる.
13週 デルタ結線の三相交流 デルタ結線で構築される三相交流回路内の各電圧・電流を求められる.
14週 三相交流の電力 各結線で組まれる三相交流回路内の電力を計算できる.
15週 V結線三相交流回路 V結線回路内の電圧・電流・電力を求められる.
16週 前期期末試験 前期10週~15週までの範囲の試験問題を解く.
後期
3rdQ
1週 解答・解説 前期期末試験の答案を返却後,復習を行う.
2週 共振現象 各回路での共振周波数やQ値の求め方を理解できる.
3週 最大電力定理 最大電力条件,インピーダンス整合について理解できる.
4週 電気回路と過渡現象 具体的な例を用いて,過渡現象とは何かを理解できる.
5週 1階線形微分方程式の解法 1階の線形微分方程式の解を求める方法を理解できる.
6週 直流電源を用いたRL回路 直流電源を用いたRL回路の各電圧・電流を求められる.
7週 直流電源を用いたRC回路 直流電源を用いたRC回路の各電圧・電流を求められる.
8週 復習 これまでの内容の確認をし,試験に備える.
4thQ
9週 後期中間試験 後期2週~8週までの範囲の試験問題を解く.
10週 解答・解説 後期中間試験の答案を返却後,復習を行う.
11週 矩形波電源と過渡現象 回路に矩形波入力を与えた際の各電圧・電流を求められる.
12週 交流電源と過渡現象 正弦波交流電源を用いたRL・RC回路の各電圧・電流を求められる.
13週 2階線形微分方程式の解法 2階の線形微分方程式の解を求める方法を理解できる.
14週 RLC回路の過渡現象(1) 直流電源を用いたRLC回路の各電圧・電流の過渡応答を理解できる.
15週 RLC回路の過渡現象(2) 直流電源を用いたRLC回路の各電圧・電流の過渡応答を計算できる.
16週 学年末試験 後期11週~15週までの範囲の試験問題を解く.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3
節点電位法を用いて回路の計算ができる。3
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。3
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力6000002080
専門的能力200000020
分野横断的能力0000000