1. 光の波としての性質と分散および偏光現象を理解し、干渉について計算ができること。静電界関する基本公式を理解するとともに、そこから各種計算ができること。
2. 静電界と静磁界および電流の作る磁界の基本公式の証明などが理解でき、計算問題ができること。
3. 電磁誘導,ローレンツ力の基本公式の証明が理解でき、各種計算問題ができること。運動の三法則を相互関係まで含め理解し、ベクトル・微積分の概念で理解できること。落下運動などの簡単な運動方程式の立式と解析ができること。
4. 抵抗下での運動、単振動,減衰振動,強制振動の運動方程式を立式でき,解析できること。抵抗下での落下運動とオームの法則の関係が、また振動に関しては等価な電気回路を同じ微分方程式で記述できること。
概要:
急激に進歩している近年の科学技術は、我々の生活の隅々に入り込む一方であらゆる装置の「ブラックボックス化」を招き、個人の無知やミス、悪意と言ったものによって社会に対して重大な悪影響を与える事が可能となっている。このような時代・世界において、特に技術者が責任ある行動や決断を行うためには、背景にある科学的原理を理解する事により、自分自身の理解力、洞察力を高める他に方法はない。
このような状況を受け、3年次の物理では、あらゆる専門科目の基礎となる事項を学ぶと同時に、科学の基本的方法(原理)を学ぶことを目的とする。具体的には、いわゆる「高校の物理」の内容を完結して「大学の物理」への入口を開き、また、科学の理解とは単なる問題の解答を見つける能力とは異なる事を認識し、創発的思考や論理的考察、自ら間違いを訂正する能力を訓練していきたい。
授業の進め方・方法:
応用物理Iは専門科目の基礎に当たるので、「理解する」ということがどういうことかを理解していくことが重要となる。したがって、授業中にこちらから質問を投げかけるので、それらに答えられるように授業の内容を「理解」していくこと。また、講義時間は限られたものであるので、各自演習問題を解くなどの復習を必ず行い、各週の講義の「理解」を確認すること。
注意点:
関連科目 物理Ⅰ、Ⅱ、数学
事前学習 あらかじめ講義内容に該当する部分の教科書を読み、理解できるところ、理解でき ないところを明らかにしておく。 また1、2年次の物理分野と数学の最低限の知識が必要となる。複雑な数学的取扱いに関しては可能な限り講義中に補完していく予定であるが、できる限る復習をしてから授業を受けること。
事後展開学習 進度に合わせ、教科書の問題や問題集を自学・自習で解いておくこと。確認のためそれらを課題として課すことがあるので、決められた期限までに提出すること。
なお、講義内容は予定であり、学生の理解度を考慮して多少の変更をする可能性があります。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
導入 |
応用物理Ⅰの導入
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2週 |
波動現象の復習 |
ホイヘンスの原理から、回折、反射、屈折、干渉の法則が導かれたことを思いだす。光波の基本と回折・反射ついて理解する。
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3週 |
光波1 |
光波の偏光・分散(分光)について理解する。
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4週 |
光の屈折の実験 |
ガラスの屈折について、各自実験を行う。また水中のガラス、オイルの中のガラスを見て、屈折率の違いを認識する。
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5週 |
光波2 |
光の干渉について理解し、その計算ができる。
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6週 |
光波3 |
光が電磁波の一種であることを理解する。
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7週 |
電気現象 |
電荷間の基本法則(引力・斥力)について理解できる。クーロンの法則を使える。
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8週 |
前期中間試験 |
問題を解答することができる。理解が不十分な点を解消する。
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2ndQ |
9週 |
クーロンの法則 |
クーロンの法則を理解し、色々な設定で、力の大きさを計算できる。
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10週 |
静電場 |
電場,ガウスの法則,電位に関わる公式の説明とそれを使った計算ができる。
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11週 |
電流と電圧 |
電流,電圧,オームの法則,抵抗に関わる公式の説明とそれを使った計算ができる。
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12週 |
コンデンサー |
コンデンサーの公式の説明とそれを使った計算ができる。
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13週 |
エネルギーと電力 |
ジュール熱と電力の公式の説明とそれを使った計算ができる
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14週 |
磁場① |
磁石による磁場,電流の作る磁界に関わる公式の説明とそれを使った計算ができる。
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15週 |
磁場② |
電流が磁場から受ける力,ローレンツ力に関わる公式の説明とそれを使った計算ができる。
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16週 |
前期末試験 |
問題を解答することができる。理解が不十分な点を解消する
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後期 |
3rdQ |
1週 |
電磁誘導① |
電磁誘導に関わる公式の説明とそれを使った計算ができる。
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2週 |
電磁誘導② |
電磁誘導の法則の応用に関わる公式の説明とそれを使った計算ができる。
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3週 |
運動の法則① |
ニュートンの三法則の意味を学ぶ。
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4週 |
運動の法則② |
重心の定義を理解し,その導出ができる。
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5週 |
運動の法則③ |
位置,速度,加速度に関わる公式の導出ができる。
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6週 |
落下運動 |
落体の運動,水平投射,斜方投射に関わる公式の導出ができる。
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7週 |
抵抗力を受ける運動 |
抵抗のある運動(特に空気抵抗を受けた落下・投げ上げ)について解析できる。
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8週 |
後期中間試験 |
問題を解答することができる。理解が不十分な点を解消する。
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4thQ |
9週 |
導体中の電子の運動 |
導体中の電子の運動からオームの法則を導出できる。
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10週 |
単振動① |
単振動の方程式と解析のための数学的な準備を行う。
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11週 |
単振動② |
単振動の運動方程式を解くことができる。
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12週 |
減衰振動① |
減衰振動の運動方程式をたてることができる。
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13週 |
減衰振動② |
運動方程式の解と運動の解析を行うことができる。
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14週 |
強制振動 |
強制振動の運動方程式をたて,解を求める。
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15週 |
LCR回路 |
LCR回路を振動の運動方程式との対応から理解する。
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16週 |
学年末試験 |
問題を解答することができる。理解が不十分な点を解消する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | 後5 |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | 後5 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | 後5 |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | 後5 |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 後6 |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | 後6 |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | 後10 |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | 後3 |
運動の法則について説明できる。 | 3 | 後3 |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | 後3,後9 |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | 後6,後7,後11,後12,後14,後15 |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | 後10 |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | 後10,後11 |
重心に関する計算ができる。 | 3 | 後4 |
波動 | 2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | 前2,前5 |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | 前2 |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | 前3 |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | 前4 |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | 前3 |
電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 3 | 前7 |
クーロンの法則が説明できる。 | 3 | 前9 |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 3 | 前9 |
電場・電位について説明できる。 | 3 | 前10 |
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | 前11,後9 |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | 前11 |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 3 | 前13 |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | 前4 |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | 前4 |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | 前4 |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | 前4 |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 前4 |