計算機アーキテクチャ

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 計算機アーキテクチャ
科目番号 0050 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 コンピュータアーキテクチャ入門,出版社:森北出版
担当教員 櫟 弘明

到達目標

1)コンピュータの基本構造の説明ができる.
2)情報の表現方法について理解している.
3)記憶方式について説明ができる.
4)アドレス方式を知っている.
5)命令形式について説明ができる.
6)マイクロプロセッサの基本を理解している.
7)高速化の手法について説明ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
計算機の基本構造メモリ,レジスタ,ALUの間の関係を十分理解しているメモリ,レジスタ,ALU,それぞれについて理解している計算機の主要装置の説明できない.
命令命令の形式,アドレス指定方法を十分理解している命令の形式,アドレシングの簡単な説明ができる命令形式について全く説明できない
高速化手法キャッシュ,パイプライン処理について十分な説明ができるキャッシュメモリ,パイプラインの簡単な説明ができる高速化手法について全く知らない

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータはサーバやパソコンだけでなく,スマートフォン,エアコン,自動車,テレビなど情報を伝達したり,機器を制御したり,画像を表示したりする,あらゆるものに使われている.コンピュータの仕組みを理解することは,情報処理の技術者・研究者だけでなく理系のほとんどの人にとって必要な知識である.本講義では,計算機のアーキテクチャの基本を学習し基礎知識を身につける.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.講義項目ごとに演習問題に取り組み,各自の理解度を確認する.また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する.
注意点:
関連科目
情報数学,プログラミング,アルゴリズムとデータ構造,数値解析との関係が深い.
  学習指針
類似した専門用語が多数でてくる.講義内容をノートに上手にまとめるとともに教科書の演習問題を利用して計算機の仕組みの理解に努めてもらいたい.

事前学習:受講前に教科書の授業範囲を事前に読んでおくこと
事後展開学習:授業に関連する教科書の章末問題を課題として設定するので,自分で解き,授業時に提出する

学修単位の履修上の注意

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 コンピュータの概要 コンピュータの基礎概念について説明ができる.
2週 計算モデルとプログラムモデル 計算モデルとプログラムモデルの説明ができる.
3週 プログラムの基礎 プログラムの基本について説明ができる.
4週 命令セットアーキテクチャ 命令形式の説明ができる
5週 命令のメモリアドレス指定方法 命令のアドレス指定方式について説明ができる.
6週 基本構造と基本動作 計算機の基本構造と動作の説明ができる.
7週 プロセッサの全体構造 プロセッサの構造について説明ができる.
8週 パイプライン処理の原理 パイプライン処理について説明ができる.
4thQ
9週 パイプラインプロセッサの構造 プロセッサの構造について説明ができる
10週 仮想メモリ 仮想メモリについて説明ができる.
11週 ページング ページングについて説明ができる.
12週 連想メモリの原理 連想メモリについて説明ができる.
13週 プログラム内の従属性と並列性 並列処理について説明ができる.
14週 並列プログラム構造とコンピュータ構造の関係 並列プログラムと構造について説明ができる.
15週 期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答できる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。3後1
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3後1
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
基本的な論理演算を行うことができる。3後3
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3
論理式の簡単化の概念を説明できる。3
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。3
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3後3
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3後3
組合せ論理回路を設計することができる。3後3
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。3後4,後5,後6
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3後4,後5,後6
与えられた順序回路の機能を説明することができる。3後4,後5,後6
順序回路を設計することができる。3後4,後5,後6
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3後1,後2,後5,後7,後10,後11,後12
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3後1,後2,後5,後7,後10,後11,後12
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3後1,後2,後5,後7,後10,後11,後12
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。3後1,後2,後5,後7,後10,後11,後12
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。3後1,後2,後5,後7,後10,後11,後12
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。3
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。3後7,後8,後9,後13,後14
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。3
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合800010010100
基礎的能力60001001080
専門的能力200000020
分野横断的能力0000000