応用システム設計

科目基礎情報

学校 奈良工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用システム設計
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 新版シーケンス制御入門:坪井照雄 著(コロナ社)/システム工学(第2版):室津義定,大場史憲,米澤政昭,藤井進,小木曽望 共著(森北出版);授業で配布する資料
担当教員 橋爪 進

到達目標

1. シーケンス制御の概要を理解し,説明することができる.
2. PLCのプログラムを作成することができる.
3. システムの設計・開発・解析・評価手法を理解し,説明することができる.
4. 技術者倫理・知的財産とプロジェクトマネージメントについて理解し,説明することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1シーケンス制御の基礎,理論,基本回路を理解し,説明することができる.シーケンス制御の概要を理解し,説明することができる.シーケンス制御の概要を理解し,説明することができない.
評価項目2基本命令,応用命令を用いてPLCのプログラムを作成することができる.基本命令を用いてPLCのプログラムを作成することができる.基本命令を用いてPLCのプログラムを作成することができない.
評価項目3システムの設計・開発・解析・評価手法を理解し,説明し,利用することができる.システムの設計・開発・解析・評価手法を理解し,説明することができる.システムの設計・開発・解析・評価手法を理解し,説明することができない.
評価項目4技術者倫理・知的財産とプロジェクトマネージメントについて理解し,説明することができる.技術者倫理・知的財産とプロジェクトマネージメントについて説明することができる.技術者倫理・知的財産とプロジェクトマネージメントについて説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

準学士課程(本科1〜5年)学習教育目標 (2) 説明 閉じる
JABEE基準 (d-1) 説明 閉じる
JABEE基準 (e) 説明 閉じる
JABEE基準 (h) 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 B-2 説明 閉じる
システム創成工学教育プログラム学習・教育目標 D-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
シーケンス制御は多くの生産現場で使われている.本講義では,シーケンス制御の仕組みや構成要素について学習するとともに,プログラマブルコントローラ(PLC)のプログラミング習得する.また,システムの設計を行う上で必要となる知識(設計・開発・解析・評価・マネージメント手法)を学習する.
授業の進め方・方法:
座学による講義が中心である.各自のプログラミングやグループワークを通して理解度を深める.また,定期試験返却時に解説を行い,理解が不十分な点を解消する.
注意点:
関連科目:
 電子制御工学科で受講したすべての専門科目に関連がある.とくに,基礎システム設計,実践システム設計,電子制御工学実験,システム工学と関連がある.
学習指針:
 プログラミングを通してシーケンス制御の仕組みを理解すること,演習やグループワークを通して設計手法を理解することが肝要である.
自己学習:
 本講義で紹介する設計・開発・解析・評価・マネージメント手法は,システム設計のための一部の知識に過ぎない.授業内容および関連分野で気になったことは,書籍及びインターネットを活用して自主的に知識を深めること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シーケンス制御の基礎 シーケンス制御の基礎について理解し,説明できる.
2週 シーケンス制御用機器 シーケンス制御用機器について理解し,説明できる.
3週 アクチュエータ アクチュエータについて理解し,説明できる.
4週 シーケンス図 シーケンス図について理解し,説明できる.
5週 シーケンス制御の基礎理論 ブール代数について理解し,カルノー図を使って論理式を簡単にできる.
6週 シーケンス制御の基本回路(1) リレーシーケンスの基本回路を理解し,説明できる.
7週 シーケンス制御の基本回路(2) 無接点シーケンスの基本回路を理解し,説明できる.
8週 PLCの基本命令 PLCの基本命令について説明できる.
2ndQ
9週 PLCの実務設計(1) PLC課題作成(1)ができる.
10週 PLCの実務設計(2) PLC課題作成(2)ができる.
11週 PLCの応用命令 PLCの応用命令について説明できる.
12週 PLCの実務設計(3) PLC課題作成(3)ができる.
13週 PLCの実務設計(4) PLC課題作成(4)ができる.
14週 シーケンス制御の応用回路 PLCの応用回路を理解し,説明することができる.
15週 前期末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.
後期
3rdQ
1週 設計手法について システム設計手法について理解し,説明することができる.
2週 開発手法について システム開発手法について理解し,説明することができる.
3週 システムの価値 システムの価値とその評価手法について理解し,説明することができる.
4週 システムの評価 システムの総合的な評価法について理解し,説明することができる.
5週 意思決定法 決定理論とゲーム理論を理解し,説明することができる.
6週 プロジェクト管理 プロジェクトの工程管理について理解し,説明することができる.
7週 データ解析(1) データを処理し,確率分布を推定する手法を理解し,説明することができる.
8週 データ解析(2) 回帰分析を理解し,説明することができる.
4thQ
9週 データ解析(3) データマイニング手法を理解し,説明することができる.
10週 製品の安全と信頼性 製品の安全設計と信頼性について理解し,説明することができる.
11週 技術者倫理と知的財産  技術者倫理と知的財産を理解し,説明することができる.
12週 プロジェクトマネージメント(1) グループワークにて具体的な課題からアイデアを検討することができる.
13週 プロジェクトマネージメント(2) 具体的な課題から基本設計と詳細設計の一部を作成することができる.
14週 プロジェクトマネージメント(3) グループワーク成果の発表を行い相互に理解を深めることができる.
15週 学年末試験 授業内容を理解し,試験問題に対して正しく解答することができる.
16週 試験返却・解答 試験問題を見直し,理解が不十分な点を解消する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3後11
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3後11
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3後11
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3後11
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3後11
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3後11
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3後11
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後11
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後11
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3後11
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3後11
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3後11
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3後11
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3後11
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3後11
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3後11
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3後11
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3後11
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3後6,後12,後13,後14
合意形成のために会話を成立させることができる。3後6,後12,後13,後14
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後6,後12,後13,後14
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後6,後12,後13,後14
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後6,後12,後13,後14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後6,後12,後13,後14
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後6,後12,後13,後14
法令やルールを遵守した行動をとれる。3後11
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3後11
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3後11
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3前1
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3後10
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3後5
企業には社会的責任があることを認識している。3後11
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3後11
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3後11,後12,後13,後14
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3後11
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3後11
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前14
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3後12,後13,後14
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3後12,後13,後14
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前9,前10,前12,前13,後1,後2,後3,後4
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3後1,後2,後3,後4
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3後1,後2,後3,後4,後5

評価割合

試験演習合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000